【調理学基礎⑪】献立の組み立て方をマスターしよう
今までの調理学基礎シリーズでは調理のテクニックを中心に解説していきました。今回は、作った料理をどのように「献立」として組み合わせていくか、栄養バランスにも触れながら説明します。
- 1.調理の目的とは?
- 2.人の味覚とおいしさの感じ方
- 3.調味料の「さしすせそ」を押さえよう!
- 4.調味料の使い分けのコツ
- 5.正しい調理のための準備(計量と洗い方)
- 6.正しい調理のための準備(下処理)
- 7.野菜の切り方をマスターしよう!
- 8.食材の切り方をマスターしよう!
- 9.加熱調理の基本をマスターしよう!(鍋類)
- 10.加熱調理の基本をマスターしよう!(火力調整)
- 11.献立の組み立て方をマスターしよう!
- 12.食事をもっと楽しむための盛り付けと工夫
和定食の食事パターン「一汁三菜」が献立には便利
和定食の基本的な食事パターンとして存在する「一汁三菜」。その由来には諸説ありますが、栄養バランスに富んだ献立を考える上で最も適した組み合わせであるといわれています。
一汁三菜は汁物が一つと、三つの“菜”で構成されています。菜とはおかずのことを指し、お肉や魚などの良質なタンパク質源のおかずを一品、野菜などを用いたおかずを一品、さらに漬物や常備菜を活用してもう一品用意します。
そして、炭水化物源となるごはんや麺などを組み合わせることにより、理想的な栄養バランスを実現することができるのが一汁三菜です。
<関連ページ>
・バランスの良い食事について
献立の組み立てポイント①調理法を変えよう
献立の組み立てでは、いかに一食を飽きずに食べきることができるかが重要。食材は異なっていても、同じような調理法のものばかりでは飽きてしまいますよね。
例えば主菜を「鶏のから揚げ」にしたとしましょう。から揚げは揚げ物なので、当たり前ですが油を多く使う調理方法です。
この時の副菜には和え物や茹で物などの油を使わない調理法のものを選ぶと、さっぱりとしたおかずが加わって献立のバランスが良くなります。また、油の使用量もセーブできるのでカロリーも調整することができます。
その他、主菜を「煮魚」にしたのなら、副菜に油を使った炒め物を取り入れる、といった具合で組み立ててみましょう。メインディッシュになるおかずをベースに全体の調理法を変えると献立にメリハリが生まれます。
また、一食では調理法を変えるのが難しい場合には、一日のトータルで調整するという方法もおすすめです。
献立の組み立てポイント②旬の食材を取り入れよう
日本の農作物は豊かな自然と四季により、他の国に比べて種類が豊富です。農作物はそれぞれに育ちやすい季節がありますが、その食材の出盛り期のことを「旬」と呼んでいます。野菜や果物の他、魚にも旬がありますよね。
旬はその食材の栄養価が最も高まり、さらに生産量が増えて価格も比較的安定しており、お財布にも優しいので積極的に取り入れてみましょう。
表1 旬の食材(一部)
季節 | 野菜・果物 | 魚 |
---|---|---|
春 | アスパラガス、キャベツ、さやえんどう、春菊、そらまめ、たけのこ、いちご、なつみかん、はっさく | あじ、かつお、さわら、たい、めばる |
夏 | とうもろこし、かぼちゃ、なす、ゴーヤ、おくら、すいか、ぶどう、もも、さくらんぼ | うなぎ、はも、いわし、たちうお |
秋 | さといも、しいたけ、まつたけ、ぎんなん、じゃがいも、かき、くり、いちじく、なし | さんま、かつお、さけ、さば、しらす、にしん |
冬 | カリフラワー、みずな、こまつな、やまいも、ながねぎ、はくさい、みかん、りんご、ゆず | あんこう、きんき、きんめだい、こはだ、たら、ふぐ |
和食にはさまざまな調理法があります。そして、日本には豊かな自然と四季によって作られた、自然の恵みである食材が豊富に存在します。日本は、日々の食事のバリエーションを増やすためには素晴らしい環境があるのです。
例えば同じ焼き魚でも、季節によって魚の種類を変えるだけでも違った味わいが楽しめます。今回の献立のポイントを押さえて、バリエーション豊富な献立作りにチャレンジしてみませんか。
- 1.調理の目的とは?
- 2.人の味覚とおいしさの感じ方
- 3.調味料の「さしすせそ」を押さえよう!
- 4.調味料の使い分けのコツ
- 5.正しい調理のための準備(計量と洗い方)
- 6.正しい調理のための準備(下処理)
- 7.野菜の切り方をマスターしよう!
- 8.食材の切り方をマスターしよう!
- 9.加熱調理の基本をマスターしよう!(鍋類)
- 10.加熱調理の基本をマスターしよう!(火力調整)
- 11.献立の組み立て方をマスターしよう!
- 12.食事をもっと楽しむための盛り付けと工夫