2016年1月27日更新

脂質

人間が生きていくために欠かせない3大栄養素のひとつです。
脂質は体内で「1gあたり9kcal」となり、3大栄養素のうち最も高いエネルギーを生み出します。
ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きをしたり、細胞膜、核酸、血液やホルモンの構成成分となり身体を作る材料になるといった重要な役割があります。

脂質の種類

<単純脂質> 脂肪酸+グリセリン、高級アルコール
<複合脂質> 単純脂質の一部にリン酸、糖質、延期などを含む
<誘導脂質> コレステロール、胆汁酸、性ホルモンなど

コレステロールは細胞膜の構成成分であり、副腎皮質ホルモン、胆汁酸、の原料となる脂質の一種です。

<LDLコレステロール>
肝臓から体の各組織に運ばれ血液中のLDLコレステロールが過剰になると、動脈硬化や脂質異常症の原因になることから悪玉コレステロールとも言われます。

<HDLコレステロール>
血中で過剰になったコレステロールを肝臓に戻す働きをし、動脈硬化などのリスクを下げることから善玉コレステロールとも言われます。



脂肪酸は脂質を構成する成分の1つで、構造の違いによって、
「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられます。

<飽和脂肪酸>
ラードやバターなどに多く含まれます。
融点が高いため、体内で固まりやすく中性脂肪やコレステロールなどの血液中の脂質濃度の上昇に関与し、動脈硬化など生活習慣病と関連があります。

<不飽和脂肪酸>
青魚やオリーブ油やべにばな油などに多く含まれます。
魚に多く含まれる脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)IPA(イコサペンタエン酸)は中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを減らさずに悪玉コレステロールを減らし、血栓を防いで動脈硬化予防の働きもあります。

<必須脂肪酸>
体内では合成されず、必ず食品から摂取しなければならない脂質の総称。
リノール酸、アラキドン酸、α-リノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、IPA(イコサペンタエン酸)があります。
アラキドン酸はリノール酸から、 DHA及びIPAはα-リノレン酸を原料に体内で合成できるため、リノール酸とα-リノレン酸のみを必須脂肪酸とする場合もあります。

脂質の食事摂取基準

総エネルギーに占める脂質エネルギー比は20~30%が理想とされています。

1日2000kcalの摂取が必要とすると、その20%(400kcal)~30%(600kcal)を脂質で補うということになります。
500kcalを脂質で補うと計算すると、500÷9=55.5で約55gを1日に摂取するということです。(脂質は1g=9kcalのエネルギー源となるため)

フライは1人前で約10~15g、てんぷらは1人前で約15~20gの油を含んでいます。油は大さじ1杯で12gです。
食材の中に含まれている油分もあるので、脂質の摂取量に気を付け、摂取エネルギーに占める脂質の割合が増加しないように注意しましょう。

(脂質の総エネルギーに占める割合(脂肪エネルギー比率):%エネルギー)
性別 男性 女性
年齢等 目安量目標量*
(中央値*)
目安量目標量*
(中央値*)
0〜5ヶ月 50- 50-
6〜11ヶ月 40- 40-
1〜2歳 -20〜30(25) -20〜30(25)
3〜5歳 -20〜30(25) -20〜30(25)
6〜7歳 -20〜30(25) -20〜30(25)
8〜9歳 -20〜30(25) -20〜30(25)
10〜11歳 -20〜30(25) -20〜30(25)
12〜14歳 -20〜30(25) -20〜30(25)
15〜17歳 -20〜30(25) -20〜30(25)
18〜29歳 -20〜30(25) -20〜30(25)
30〜49歳 -20〜30(25) -20〜30(25)
50〜69歳 -20〜30(25) -20〜30(25)
70歳〜 -20〜30(25) -20〜30(25)
妊婦 -- --
授乳婦 -- --

*範囲については、概ねの値を示しています。
*中央値は、範囲の中央値を示したものであり、最も望ましい値ではありません。

飽和脂肪酸の食事摂取基準

(脂質の総エネルギーに占める割合(脂肪エネルギー比率):%エネルギー)
性別 男性 女性
年齢等目標量目標量
0〜5ヶ月 --
6〜11ヶ月 --
1〜2歳 --
3〜5歳 --
6〜7歳 --
8〜9歳 --
10〜11歳 --
12〜14歳 --
15〜17歳 --
18〜29歳 7%以下7%以下
30〜49歳 7%以下7%以下
50〜69歳 7%以下7%以下
70歳〜 7%以下7%以下
妊婦 --
授乳婦 --

不飽和脂肪酸の食事摂取基準

n-6系脂肪酸の食事摂取基準 (g/日) n-3系脂肪酸の食事摂取基準 (g/日)
性別 男性 女性 男性 女性
年齢等目安量(g/日)
0〜5ヶ月 440.90.9
6〜11ヶ月 440.80.8
1〜2歳 550.70.8
3〜5歳 761.31.1
6〜7歳 771.41.3
8〜9歳 971.71.4
10〜11歳 981.71.5
12〜14歳 12102.11.8
15〜17歳 13102.31.8
18〜29歳 1182.01.6
30〜49歳 1082.11.6
50〜69歳 1082.42.0
70歳〜 872.21.9
妊婦 -9-1.8
授乳婦 -9-1.8

脂質が多く含まれる食材

脂質の過剰摂取

糖質よりも高エネルギーを生み出すため肥満を招き、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こします。
肉類などから脂質を多く摂ると、中性脂肪やコレステロールを増加させ、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まります。

脂質の欠乏症

脂質が欠乏すると摂取エネルギー不足により疲労、やせすぎ、体力低下、免疫力の低下、発育不良を引き起こします。
血管や細胞膜が弱くなり、脳出血の可能性が高まります。
また、脂質不足は脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、E、Kなどの吸収を阻害し、視力の低下、肌荒れ、骨密度の低下などの原因になります。

脂質の食べ合わせ

コレステロールの吸収を抑制する食物繊維が多い野菜(ごぼうなど)、海藻(ひじきなど)、きのこなどを十分に摂り、オレイン酸の多い油(オリーブ油など)を使う。
DHAやIPAを多く含む魚を積極的に摂るようにする。

(例)
オリーブ油できのこを炒める。
DHAやIPAは魚の油に多く含まれているため、イワシやサバを煮魚にして魚の油を摂り逃さないようにする。お刺身で食べるのもおススメです。

関連キーワード

トランス脂肪酸

脂肪酸の一種で、ショートニングなどを加工・精製する工程で生成される人工的なものがあります。
多く含まれる食品には、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどがあげられます。
LDLコレステロールの合成を促し、HDLコレステロールの合成を抑える作用があるため、動脈硬化などの生活習慣病の原因になると考えられています。

関連リンク: トランス脂肪酸はなぜ危険?



脂質の関連リンク

必須脂肪酸について
コレステロールについて

ビタミンB2(過酸化脂肪酸を分解)
ビタミンE(脂質の抗酸化作用)
パントテン酸(脂質の代謝に関連)
ナイアシン(脂質の代謝に関連)

マグネシウム(脂質の代謝に関連)




この記事を書いた人
ライフミール栄養士
ライフミール栄養士

編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。