アラキドン酸(必須脂肪酸)の効果と摂取上の注意点について
アラキドン酸は、多価不飽和脂肪酸のn-6系脂肪酸で成長や健康維持のために不可欠な脂肪酸です。リノール酸から体内で合成されますが、量が少ないため食べ物から摂らないといけない必須脂肪酸の1つです。
特に乳児の脳や体の発達には必要不可欠な成分で、粉ミルクにも配合されています。
免疫機能や血圧を調整する効果があります。

アラキドン酸の性質と働き
アラキドン酸は、免疫機能の調整、血圧のコントロールや、コレステロールを下げる働きがあり、免疫力の低下を防ぎ、高血圧や動脈硬化の予防をする効果があります。
また、脳の伝達細胞を活性化する作用があり、集中力や記憶力を向上させる効果があります。
しかし、摂り過ぎると動脈硬化を促進させる他、アレルギー性湿疹、アトピー性皮膚炎を悪化させる原因となります。
アラキドン酸を多く含む食品
卵黄、レバー、サザエ、伊勢えび、アワビなどに多く含まれます。
アラキドン酸の摂取と食べ合わせ
脂肪酸には飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸があります。
アラキドン酸は多価不飽和脂肪酸で必須脂肪酸なので、過不足なく摂ることと、もう1つはバランスよく摂ることが大切です。
理想的なバランスとしては飽和脂肪酸: 一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=1:4:3が望ましいとされています。さらに多価不飽和脂肪酸はn-3系:n-6系=1:4といわれています。
n-3系脂肪酸のα-リノレン酸、EPA、DHAなどの脂肪酸や、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸などを組み合わせ、バランスよく摂取する事が大切です。
関連リンク: 脂質 | EPA(IPA) | DHA
食事摂取基準(脂質に関する部分)

「n-6系脂肪酸」の1日の目標摂取量(上限)は、総エネルギー摂取量の 10%未満とされています。
n-6系脂肪酸には、リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸などがあります
関連リンク: リノール酸
アラキドン酸の過剰症、欠乏症
アラキドン酸は、肉が中心の食生活や、スナック菓子等の食べ過ぎによるリノール酸の過剰摂取で、近年は欠乏する事はほとんどないと言われています。
n-6系脂肪酸のアラキドン酸を摂り過ぎると、リノール酸と同様、HDLコレステロールが減少し、動脈硬化につながりやすく、アレルギー疾患を悪化させることが分かっています。
乳児は、体内のアラキドン酸が少なく、リノール酸やアラキドン酸を摂取する機会もない為、粉ミルクに添加されているが、成人は上記の通り充分摂取出来ているので、摂り過ぎに注意する必要があります。
アラキドン酸の関連キーワード
HDLコレステロール
血中で過剰になったコレステロールを肝臓に戻す働きをし、動脈硬化などのリスクを下げることから善玉コレステロールとも言われます。
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