【スポーツ栄養基礎】食事の組み立て方 – 持久系スポーツ編(1)
例えばマラソンや長距離の水泳、冬季のスポーツではクロスカントリースキーや長距離のスピードスケートなど、比較的小さいパワーを長時間にわたって継続するスポーツが「持久力系(ローパワー系)スポーツ」にあたります。
今回は、持久力系スポーツでの食事の組み立て方のポイントを解説します。
- ▽ スポーツ栄養基礎シリーズ(全11回)
- 1.「タンパク質神話」の実際
- 2.筋肉を効率よく増やすための方法とは
- 3.持久力アップの食事は「糖質」が効果的
- 4.糖質の代謝を高めるビタミンB1について
- 5.糖質の必要エネルギーの算出方法
- 6.食事の組み立て方 - 持久系スポーツ編(1)
- 7.食事の組み立て方 - 持久系スポーツ編(2)
- 8. 食事の組み立て方 – 瞬発系スポーツ編(1)
- 9. 食事の組み立て方 – 瞬発系スポーツ編(2)
- 10. その他のスポーツでの食事の組み立て方
- 11. グリコーゲンローディング法

持久力系スポーツでは糖質と水分の補給が鉄則
持久力系スポーツは一般的にトレーニングや練習の時間が長時間になることが多いので、エネルギーと水分の消耗が激しい特徴があります。
そのため、高いパフォーマンスを維持し続けるためには、こまめな糖質と水分の補給が鉄則です。
関連リンク:水(みず)について詳しく読む
糖質エネルギー比は60%以上が望ましい
長時間にわたって運動を継続するためには、筋肉に十分なグリコーゲンを貯蔵しておく必要があります。
持久力系スポーツでは、糖質エネルギー比を食事全体のエネルギーの60%以上とする「高糖質食」が推奨されています。ただし、糖質は過剰に摂取すると体脂肪の増加の原因ともなります。
摂取量はその日のトレーニングの強度によって調節する必要があります。
関連リンク:糖質について詳しく読む
「3食+補食」が基本
持久力系スポーツはスポーツの種類の中でもより多くのエネルギーを消耗することから、必要エネルギー量も多くなります。3食の食事だけで補おうとすると、消化・吸収に負担がかかってしまいます。
そこで重要なのが「補食」です。補食は栄養素の補給が目的なので、おやつ(間食)とは区別して考えましょう。
菓子類やインスタント食品は糖質だけでなく脂質も多く含まれています。脂質は消化吸収に時間がかかり胃腸の負担となってしまいますので注意しましょう。
持久系スポーツの場合には、エネルギー源となる「糖質」を基本とすると良いですね。
関連リンク:脂質について詳しく読む
水分補給は少量を数回に分けて
スポーツを行う人にとって、水分は「体温調節」を行う上で重要な成分です。
人は汗をかくことによって体温を一定に保ちます。活動の激しいスポーツ時にはおのずと体温が上昇し、それに伴い汗の量が増加します。
水分が十分でないと「脱水」となり、体温が上昇し続けることにより熱中症のリスクも高まり、場合によっては命に関わることもあるので注意が必要です。
水分補給のポイント
・250~300mlの少量の水分を1時間に2~4回に分けて摂取する。
・汗によって失われるのは水分だけではなくミネラルも含まれるので、ミネラルと糖質を同時に補給できるスポーツドリンクがおすすめ。
・気温の高い時にはより水分の要求量が高まるので、濃度を薄めてよりこまめな水分摂取を心がける。
関連記事:「スポーツ栄養」筋肉を効率よく増やすための方法とは
今回は、持久系スポーツで必要とされる食事のポイントを解説しました。次回は、実際に練習前のどのタイミングでどのようなものを摂取すれば良いのか、実践に沿ってご紹介します。
- ▽ スポーツ栄養基礎シリーズ(全11回)
- 1.「タンパク質神話」の実際
- 2.筋肉を効率よく増やすための方法とは
- 3.持久力アップの食事は「糖質」が効果的
- 4.糖質の代謝を高めるビタミンB1について
- 5.糖質の必要エネルギーの算出方法
- 6.食事の組み立て方 - 持久系スポーツ編(1)
- 7.食事の組み立て方 - 持久系スポーツ編(2)
- 8. 食事の組み立て方 – 瞬発系スポーツ編(1)
- 9. 食事の組み立て方 – 瞬発系スポーツ編(2)
- 10. その他のスポーツでの食事の組み立て方
- 11. グリコーゲンローディング法