【スポーツ栄養基礎】食事の組み立て方 – 瞬発系スポーツ編(2)
瞬発力系スポーツの食事の組み立て方も基本的な部分は持久系スポーツと同様ですが、より意識すべき点である筋肉の維持と増大について、取り入れるべきポイントを解説します。
- ▽ スポーツ栄養基礎シリーズ(全11回)
- 1.「タンパク質神話」の実際
- 2.筋肉を効率よく増やすための方法とは
- 3.持久力アップの食事は「糖質」が効果的
- 4.糖質の代謝を高めるビタミンB1について
- 5.糖質の必要エネルギーの算出方法
- 6.食事の組み立て方 - 持久系スポーツ編(1)
- 7.食事の組み立て方 - 持久系スポーツ編(2)
- 8. 食事の組み立て方 – 瞬発系スポーツ編(1)
- 9. 食事の組み立て方 – 瞬発系スポーツ編(2)
- 10. その他のスポーツでの食事の組み立て方
- 11. グリコーゲンローディング法

タンパク質源となる食品は偏らないように選ぼう
持久系スポーツでも解説しましたが、理想的な献立は「主食(ごはん・パン・麺など)」「主菜(肉・魚・卵・大豆製品など)」「副菜(野菜・海藻・芋など)」に加え、「牛乳・乳製品」「果物」となります。
よりタンパク質をしっかりと摂取する必要がある瞬発力系スポーツでは、特に「主菜」に意識を置く必要がありますが、タンパク質源となる食品は偏らないように、1週間単位で幅広く食品をチョイスするように心がけましょう。
例えば、タンパク質の代謝で重要な役割を担う「ビタミンB6」は魚介類に多く含まれているため、肉類に偏っている人は不足している傾向があり、また大豆製品はエネルギーが動物性食品と比較すると低く抑えられるので、体脂肪の蓄積を防ぐ目的でも便利な食材です。
食事を変えることは気分を変えることにもつながります。精神面の影響が大きい瞬発力系スポーツでは、幅広い食品を摂取して食事を楽しんでみましょう。
<関連ページ>
*タンパク質について
*タンパク質の代謝について
*ビタミンB6について
運動中の水分補給と、運動後の補食も忘れずに
持久系スポーツに比べてトレーニング時間が短い傾向にある瞬発力系スポーツでは、一般的に栄養管理が疎かになりがちです。
運動中の水分補給ではスポーツドリンクを活用して糖質と水分を、運動後の補食では糖質とタンパク質を含む食品を摂取することにより、筋肉の分解を抑えることができるのでぜひ取り入れてみましょう。補食の内容は持久系スポーツと同様ですので、参考ページを確認してみてください。
参考ページ:食事の組み立て方 – 持久系スポーツ編(2)
レジスタンストレーニングは食欲を奪う!?
瞬発力系スポーツのトレーニングは、筋肉にしっかりと負荷を掛けていく「レジスタンストレーニング」が中心です。
一定の強度で行う持久系スポーツのトレーニングとは異なり、筋肉を追い込んでいくトレーニングが必要不可欠となるのでメンタル面の疲れも大きく、激しいトレーニング後には思うように食事ができないこともあるでしょう。
そんな時には食欲増進のための工夫を調理に取り入れることが重要です。
例えば香辛料を用いて辛味のある食欲をそそる味付けにしてみたり、主食はのど越しの良い麺類を選ぶと、心身ともに疲れている時でも食事がしやすくなります。
香辛料は使いすぎると胃腸の負担の原因となりますので、体調と相談しながら取り入れてみてくださいね。
ここまでは、持久系スポーツと瞬発力系スポーツの、特徴が異なる種類のスポーツについて解説しました。次回は、双方の特徴を合わせもつスポーツの食事管理について解説します。
- ▽ スポーツ栄養基礎シリーズ(全11回)
- 1.「タンパク質神話」の実際
- 2.筋肉を効率よく増やすための方法とは
- 3.持久力アップの食事は「糖質」が効果的
- 4.糖質の代謝を高めるビタミンB1について
- 5.糖質の必要エネルギーの算出方法
- 6.食事の組み立て方 - 持久系スポーツ編(1)
- 7.食事の組み立て方 - 持久系スポーツ編(2)
- 8. 食事の組み立て方 – 瞬発系スポーツ編(1)
- 9. 食事の組み立て方 – 瞬発系スポーツ編(2)
- 10. その他のスポーツでの食事の組み立て方
- 11. グリコーゲンローディング法