【スポーツ栄養基礎】食事の組み立て方 – 持久系スポーツ編(2)
前回、持久系スポーツでは糖質と水分の摂取が必要であること、そして補食でエネルギーを補うことが重要であると説明しました。
今回は、練習前のどのタイミングでどのようなものを摂取したらよいのかを解説します。
- 1.「タンパク質神話」の実際
- 2.筋肉を効率よく増やすための方法とは
- 3.持久力アップの食事は「糖質」が効果的
- 4.糖質の代謝を高めるビタミンB1について
- 5.糖質の必要エネルギーの算出方法
- 6.食事の組み立て方 - 持久系スポーツ編(1)
- 7.食事の組み立て方 - 持久系スポーツ編(2)
- 8. 食事の組み立て方 – 瞬発系スポーツ編(1)
- 9. 食事の組み立て方 – 瞬発系スポーツ編(2)
- 10. その他のスポーツでの食事の組み立て方
- 11. グリコーゲンローディング法
食事は1食単位だけでなく、臨機応変に対応してみよう
原則として3食の食事にバランスよく栄養素を配分することが基本となりますが、トレーニングなどのタイミングによっては対応ができないことも考えられます。
練習前で十分な食事時間を取れない場合には、「糖質」を優先的に摂取すると共に、消化・吸収に負担のかからない内容のものを選ぶと良いでしょう。
その後の食事で足りない栄養素を補うようにし、1食単位ではなくトータルで見て判断する柔軟性が必要です。
関連リンク:糖質について詳しく読む
理想的な献立は一般人と変わらない
スポーツ栄養においても、理想的な献立の基本は一般人と変わりません。
もし特記すべきポイントをあげるとするならば、「主食(ごはん・パン・麺など)」「主菜(肉・魚・卵・大豆製品など)」「副菜(野菜・海藻・芋など)」に加え、「牛乳・乳製品」「果物」を食事に取り入れることが重要である点です。
その他意識したいポイントとしては、重要なエネルギー源となる糖質の代謝を助けるビタミンB1や、カルシウムや鉄分の供給源となるような食材を意識して摂取することがあげられます。
<関連リンク>
栄養バランスの摂り方
ビタミンB1 | カルシウム | 鉄
運動前後の補食でエネルギーチャージを
3食の食事に加えて、運動前後には補食で不足したエネルギーを補いましょう。
また、空腹状態が良くないのはもちろんですが、満腹状態でも胃腸に負担がかかりパフォーマンスに支障が出てしまうことも考えられます。運動前のタイミングによって、補食は種類を変えると良いですね。
以下の表はあくまでも参考ですので、全てを摂取しなければいけないというわけではありません。体重の増減やコンディションによって調整することが必要です。
運動までの時間 | 補食内容の例 |
---|---|
3~4時間前 | 脂質が少なく、消化吸収の良い食事を |
2時間前 | 糖質を中心とした脂質の少ない軽食
例)おにぎり、もち、かけうどん、だんご、カステラ、食パン など |
1時間前 | 素早く吸収できる糖質
例)果物、100%果汁ジュース、ゼリー、スポーツドリンク など |
運動後 | A.運動が続く場合
→ 少量の吸収の早い糖質 例)果物、100%果汁ジュース、ゼリー、スポーツドリンク など B.次の食事まで1時間以上ある場合 → 炭水化物(おにぎり、パン、果物)+たんぱく質(卵や乳製品) 例)サンドイッチ、フルーツヨーグルト、おにぎりと乳製品 など |
持久力系スポーツは、エネルギーをいかに効率よく摂取することができるかがパフォーマンス向上のための重要なポイントです。
どのスポーツにも言えることではありますが、基本的なポイントを見直しながら、日々試行錯誤していくことが大切ですね
次回は、大きなパワーを必要とする「瞬発系スポーツ」での食事の組み立て方について解説します。
- 1.「タンパク質神話」の実際
- 2.筋肉を効率よく増やすための方法とは
- 3.持久力アップの食事は「糖質」が効果的
- 4.糖質の代謝を高めるビタミンB1について
- 5.糖質の必要エネルギーの算出方法
- 6.食事の組み立て方 - 持久系スポーツ編(1)
- 7.食事の組み立て方 - 持久系スポーツ編(2)
- 8. 食事の組み立て方 – 瞬発系スポーツ編(1)
- 9. 食事の組み立て方 – 瞬発系スポーツ編(2)
- 10. その他のスポーツでの食事の組み立て方
- 11. グリコーゲンローディング法