ビタミンB12(シアノコバラミン)

ビタミンB12は水溶性ビタミンの1つで、ミネラルであるコバルトを含むため「赤いビタミン」とも呼ばれます。
栄養素としての必要量は微量ですが、葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビン生成に関与し悪性貧血を防いだり、細胞の遺伝物質である核酸、タンパク質の合成の調節や補酵素として様々な代謝に関わります。また、神経や脳の機能を正常に保つ働きもしますので欠乏すると神経障害なども発症します。

ビタミンB12の働きと性質

ビタミンB12は水溶性ビタミンの1つで、コバルトを含むビタミンの総称です。
アデノシルコバラミン、メチルコバラミン、スルフィトコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミンがあり、体内で補酵素として働くのは、アデノシルコバラミンとメチルコバラミンです。

ビタミンB12は葉酸と協力して、正常な赤血球を作り出す働きをして悪性貧血(巨赤芽球性貧血)を防ぐ役割をしています。悪性貧血は鉄分の不足で起こるものではなく、赤血球を作り出す過程が上手くいかず普通より巨大な働きの悪い赤血球ができてしまう貧血の事で正式には巨赤芽球性貧血と呼ばれます。

脂質の合成や修復をする働きがあり神経細胞内の表面にある脂質膜の合成にも関わっています。
正常な神経細胞を維持し、脳が正常に機能するために重要な働きをしています。

ビタミンB12の食事摂取基準

性別 男性 女性
年齢等 推定平均
必要量
(μg)
推奨量
(μg)
目安量
(μg)
推定平均
必要量
(μg)
推奨量
(μg)
目安量
(μg)
0〜5ヶ月 --0.4 --0.4
6〜11ヶ月 --0.5 --0.5
1〜2歳 0.70.9- 0.70.9-
3〜5歳 0.81.0- 0.81.0-
6〜7歳 1.01.3- 1.01.3-
8〜9歳 1.21.5- 1.21.5-
10〜11歳 1.51.8- 1.51.8-
12〜14歳 1.92.3- 1.92.3-
15〜17歳 2.12.5- 2.12.5-
18〜29歳 2.02.4- 2.02.4-
30〜49歳 2.02.4- 2.02.4-
50〜69歳 2.02.4- 2.02.4-
70歳〜 2.02.4- 2.02.4-
妊婦
(付加量)
--- +0.3+0.4-
授乳婦
(付加量)
--- +0.7+0.8-

ビタミンB12の1日の推奨量は成人で男女ともに2.4μgです。
ビタミンB12の必要量は少なく、偏った食生活をしない限り不足することはほとんどありません。

ビタミンB12が多く含まれる食材

以下の順で記述します。

  1. 品名
  2. 可食部(100gあたり/μg)
  3. 1食あたりの目安重量(g)
  4. 1食あたりの成分含有量(μg)
牛レバー
52.8
50g
26.4
鶏レバー
44.4
50g
22.2
豚レバー
25.2
50g
16.6
しじみ
62.4
30g
18.72
あさり
52.4
30g
15.72
カキ
28.1
30g
8.43
さんま(生)
17.7
100g
17.4

ビタミンB12の過剰摂取

食事当たり2μg程度のビタミンB12で内因子を介した吸収機構が飽和するため、過剰に摂取しても必要以上に吸収されない。そのため、ビタミンB12の過剰摂取によって健康障害が起こったということは今のところありません。

ビタミンB12の欠乏症

ビタミンB12は小腸で吸収され、胃壁から分泌される物質の助けが必要なため、胃や腸を手術で切除した人はビタミンB12が不足することがあります。また、ビタミンB12は野菜などの植物性食品にはほとんど含まれておらず、菜食主義者では不足することがあります。しかし、植物性食品でも海苔や味噌などにはビタミンB12が含まれています。

ビタミンB12が欠乏すると、造血機能が低下して悪性貧血を起こす事により、息切れ、めまい、動悸、だるさ、食欲不振が見られ、下肢のしびれなど神経障害が起こります。

ビタミンB12の食べ合わせ

葉酸とビタミンB12はお互いに補い合ってはたらいているため、一緒に摂取することによってお互いの吸収率を高めることができます。

葉酸は緑黄色野菜など植物性食品に、ビタミンB12は肉や魚など動物性食品に多く含まれているため、両方をバランス良く摂ることでより高い効果が期待できます。

熱には比較的安定していますが、水溶性のためスープにして煮汁も摂り逃さないようにすると良いでしょう。

ビタミンB12の関連キーワード

コバルト

栄養素として不可欠な必須ミネラルのひとつで、コバルト単体では利用されず、ビタミンB12の構成成分として造血作用を高め、悪性貧血を予防する働きをします。コバルトはビタミンB12の中では赤い色をします。

核酸(DNA、RNA)

動植物すべての細胞に含まれる有機化合物で遺伝をつかさどる成分です。 細胞をつくり出す遺伝情報をもつDNA(デオキシリボ核酸)と、細胞に重要な材料であるたんぱく質を合成するRNA(リボ核酸)があります。老化を防ぐ、肌の健康を保つ、がん予防に効果があります。

この記事を書いた人
ライフミール栄養士
ライフミール栄養士

編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。