7大栄養素の基本知識を身につけよう!(栄養基礎)
3大栄養素といえば「炭水化物、たんぱく質、脂質」で、3大栄養素に「ビタミン、ミネラル」が加わり5大栄養素として呼ばれる「栄養素」を学生時代に習ったことを覚えているでしょうか。私たちが健康的に生活していくうえで「栄養素」はとても重要なものです。現在も研究が続けられており、今では「7大栄養素」として呼ばれています。では、具体的にはどのような栄養素の種類があり、その栄養素がどのように身体に機能しているのでしょうか。
栄養素とは
私達が普段食べている食品の成分は栄養素と呼べるものとそうでないものがあります。
そもそも栄養素とは何でしょうか?
栄養素の定義については、FAO及びWHOにより設置されたコーデックス委員会によって以下のように定められています。
・エネルギーを供給するもの
・成長、発達、生命の維持に必要なもの
・不足すると特有の生化学または生理学上の変化が起こる原因となるもの
5大栄養素の種類と役割
上記の図をみて、家庭科の授業などでも習ったことがあるのではないでしょうか?
栄養素の中でも、特に摂取量が多く、体を動かし体温を保つためのエネルギーとなるものを「3大栄養素」と呼び、タンパク質、脂質、炭水化物(糖質)をさします。これらは生きるためのエネルギーになることから、「エネルギー生産栄養素」とも呼ばれます。
3大栄養素に、身体の調子を整え代謝の促進を行うビタミン、ミネラルを足すと「5大栄養素」となります。3大栄養素も含めて体内で各栄養素が作用することによって、生体を構成している栄養素です。このバランスを保つことが、栄養バランスの良い食生活ということになります。
そして更に、食物繊維、フィトケミカルを追加したものが「7大栄養素」と呼ばれています。これは近年の研究の成果で、成分の十分な働きが認められ、大事な栄養素であるということで追加されました。
7大栄養素の働きと含まれる食品
それぞれの栄養素が私達の身体でどのように働いているのか、そしてどのような食品に含まれているのかを説明していきましょう。
炭水化物(糖質)
1gあたり4kcalのエネルギーになり、脳や身体を動かすエネルギーとなります。脳にとって唯一のエネルギー源で、脳はエネルギー源を蓄えることができないので常に補給する必要があります。脂質に比べるとすぐにエネルギーとなるという特徴があります。また、1日に必要なエネルギー量の約50〜60%を炭水化物から摂取しています。
主に、ご飯、パン、麺類、いも、果物、砂糖に含まれます。
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タンパク質
筋肉、臓器、毛髪、骨、歯など身体の大部分はタンパク質でできています。食品中のタンパク質はそのまま体内で利用することはできないので、消化の過程でアミノ酸に分解されます。
アミノ酸のうち、体内で合成できないものを必須アミノ酸と呼びます。食品から摂取する必要があるため、必須アミノ酸のバランスがよいものが良質なアミノ酸といえます。
主に、肉類、魚介類、卵、乳製品、豆類などに多く含まれます。必須アミノ酸の量を元に計算したものをアミノ酸スコアといい、アミノ酸スコアの数値が100に近いものほど良質なタンパク質です。アミノ酸スコアが100のものは、牛乳、卵、大豆、鮭、イワシ、しじみ、牛サーロイン、豚ロース、鶏むね肉などがあります。
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脂質
1gあたり9kcalのエネルギーなり、三大栄養素のうち最も高いエネルギーになります。このエネルギーは身体を動かしたり体温を保つための基礎代謝や身体活動に使われます。
脂質の大部分は中性脂肪ですが、体内で作ることができない必須脂肪酸(リノール酸やαリノレン酸など)が含まれ、ホルモンの材料や細胞膜の成分になります。
主に、植物油、バター、ラードなどに含まれます。
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ビタミン
主に身体の調子を整え、他の栄養素がきちん働くための手助けをします。必要な量は少量ですが、体内で合成出来ないか出来ても量が不十分なため食品から摂取する必要があります。
水に溶ける水溶性ビタミン(ビタミンB1、B2、B6、B12、C、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)と油脂に溶ける脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)があります。水溶性ビタミンは尿などとともに体外へ排出されやすいので、頻繁に摂取するといいでしょう。また、脂溶性ビタミンは油と一緒にとると吸収がよくなり、排出されにくいので過剰摂取に注意する必要があります。
主に、緑黄色野菜、果物、レバーなどに含まれます。
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ミネラル
ビタミンと同様に身体の調子を整えますが、骨や歯などの身体の組織を構成するという点と体内で合成されないため食事から摂取する必要があるという点で異なります。必要な量は少ないですが、多すぎても少なすぎても健康を害します。
まとまった量の摂取が必要なミネラルは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、塩素、硫黄でこれらを多量ミネラルと呼びます。
また、必要量がわずかなミネラルは、鉄、亜鉛、マンガン、銅、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンなどでこれらを微量ミネラルと呼びます。
不足すると骨粗鬆症になったりイライラしやすくなるカルシウムや、鉄欠乏性貧血や動悸、息切れの原因となる鉄が特に不足しやすいミネラルと言われています。
また、塩分のとりすぎはナトリウムの過剰摂取につながり、脳卒中や高血圧の原因となります。食品添加物や清涼飲料水にはリン酸が多く使用されているため、リン酸過剰になっていることも多いです。
ミネラルは、過剰摂取すると他のミネラルとのバランスを乱すという特徴があります。炭酸飲料に含まれる炭酸はカルシウムの吸収を阻害しますし、リン酸とカルシウムを一緒に摂取するとリン酸カルシウムという吸収されにくい物質に変化してしまいカルシウム不足となりえます。
逆に、ミネラルの吸収を助ける組み合わせもあります。カルシウム(牛乳や乳製品)とビタミンD(きのこ類や卵、鮭)、鉄(大豆やあさり、ほうれん草)とビタミンC(ブロッコリー、小松菜、さつまいも、じゃがいも)は一緒に摂取することで吸収が高められます。
主に、牛乳、乳製品、小魚、海藻、果物などに含まれます。
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食物繊維
食物繊維は、体内では消化することのできない成分で、水に溶けにくい不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維があります。
不溶性食物繊維は、胃腸で水分を吸収し、腸を刺激し、蠕動運動を活発にするため便秘の解消に効果があります。主に、穀類やきのこ類、イモ類、豆類に多く含まれます。
水溶性食物繊維は、大腸内での発酵によりビフィズス菌などが増え整腸効果があります。りんごやみかんなどの果物や、こんぶやわかめなどの海藻に多く含まれます。
サプリメントなどで過剰摂取すると、下痢をおこしミネラルも排出させてしまう可能性があるので注意しましょう。
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フィトケミカル(ファイトケミカル)
植物に含まれる化学物質をフィトケミカルと呼びます。ブルーベリーに含まれるアントシアニン、大豆に含まれるイソフラボン、緑茶に含まれるカテキン、人参やかぼちゃに含まれるカロテン、トマトに含まれるリコピンなどを指します。
フィトケミカルは抗酸化物質が大きな特徴といえます。酸素とともに生活をしている中で鉄が錆びていくのと同様に、私達の身体も知らず知らずのうちに酸化が進んでいます。
酸化は、がんや認知症などの病気や老化の原因とされています。酸化の原因は活性酵素によるものですが、フィトケミカルは活性酵素にくっつき自らが酸化することで酸化を防いでくれます。
フィトケミカルは野菜や果物などの植物全般に含まれていますが、食物繊維などの固い細胞の内部にあるため効率よく吸収するためには、熱を一定時間加え煮ることが大切です。スープなどにすると、多くが煮汁に溶出するのでしっかり飲み干すといいでしょう。
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自分自身の食生活を見直そう!
健康に生活していく上でどれも欠かすことのできない栄養素でしたね。
各栄養素がどのように身体に機能していて、どのような食品に含まれているのかを頭に入れておくと、食事の選択をする際にとても役にたちます。様々な食品に栄養素が含まれているので、いつも同じ食品を食べるのではなく、色々な食品を幅広く摂取することが栄養素をバランスよく摂取するポイントです。
一週間を振り返ってみて、自身の食生活を見直し、次の献立やメニュー選びに反映させてみましょう。
食べて学ぶ、栄養基礎とバランスの良い食事法
ライフミールでは、7大栄養素の基礎を「食べて学べる栄養基礎講座」を開催しています。
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