2016年2月20日更新

パントテン酸

パントテン酸は、ビタミンB群の一種で、ギリシャ語の「どこにでもある酸」=「パントテン」が語源であるように、あらゆる食品に広く含まれ、腸内細菌によっても合成されるビタミンです。主な働きとしては、コエンザイムA(CoA)という補酵素の原料として、糖および脂肪酸の代謝に関与しています。
また、HLDコレステロールを増やし、副腎皮質ホルモン、免疫抗体などの合成にも関与し、皮膚や粘膜の健康維持、ストレスをやわらげる働きもします。

パントテン酸の性質と働き

パントテン酸はビタミンB群の一種で水溶性です。
パントイン酸とβ-アラニンという物質が結合してできており、あらゆる食品に広く含まれています。

3大栄養素の代謝に関与

食品から摂取した3大栄養素である炭水化物(糖質)、脂質、タンパク質は、酵素によってエネルギーへと変換されます。その際、酵素が働くためにパントテン酸が作り出すコエンザイムA(CoA)という補酵素が必要となり、CoAは100種類以上の酵素の働きを助けます。

パントテン酸は脂肪酸に結合することで炭水化物 (糖質)、脂質、タンパク質から、エネルギーをつくり出す反応に関わる補酵素(アセチルCoA) や、脂肪酸の合成と分解に関わる補酵素(アシルCoA) をつくります。

コレステロール、ホルモン、抗体の合成に関与

コレステロールにはHDL(善玉)コレステロールとLDL(悪玉)コレステロールがありますが、パントテン酸は善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールが血管に付着するのを防ぎます。それにより、動脈硬化を予防する効果があります。

また、パントテン酸は副腎皮質ホルモンの働きを促進させる働きがあります。
副腎皮質ホルモンが分泌されると副交感神経に作用して血糖値が上がり、使えるエネルギー量が増えるためストレスへの抵抗力を高めることができるようになります。

パントテン酸は抗体の合成を助け、免疫力を高めることにより風邪などを予防する効果もあります。

パントテン酸の食事摂取基準

性別 男性 女性
年齢等目安量
(mg/日)
目安量
(mg/日)
0〜5ヶ月 44
6〜11ヶ月 33
1〜2歳 33
3〜5歳 44
6〜7歳 55
8〜9歳 55
10〜11歳 66
12〜14歳 76
15〜17歳 75
18〜29歳 54
30〜49歳 54
50〜69歳 55
70歳〜 55
妊婦 -5
授乳婦 -5

成人では男性5mg/日、女性4~5mg/日が目安量となります。 腸内細菌によって作られ、あらゆる食品に広く含まれているため、バランスの良い食事を心がけることで摂取できます。 しかし、コーヒーやアルコールを摂取する場合、体内のパントテン酸が消費されるため多くのパントテン酸を摂取するよう心がけましょう。過剰症が認められていないため上限値は設けられていません。

パントテン酸が多く含まれる食材

以下の順で記述します。

  1. 品名
  2. 可食部(100gあたり/mg)
  3. 1食あたりの目安重量(g)
  4. 1食あたりの成分含有量(mg)
鶏レバー
10.10
50g
5.05
豚レバー
7.19
50g
3.60
鶏もも肉(皮なし)
2.06
80g
1.65
子持ちガレイ
2.41
80g
1.93
アボカド
5.3
1/2個(70g)
3.71
ひき割り納豆
4.28
40g
1.71
1.45
60g
0.87

パントテン酸の過剰摂取

パントテン酸は水に溶けやすいため、多く摂りすぎたとしても尿として排泄されます。そのため過剰症の心配がありません。
研究実験の報告としては、パントテン酸カルシウムと同時に、ニコチンアミド、アスコルビン酸、ピリドキシンを大量に3ヶ月間にわたり与えた実験では、一部の者が、吐き気や食欲不振、腹痛などが発現して実験を中止したことがある。
それほど大量に投与しなければ過剰症の心配はないとされています。

パントテン酸の欠乏症

非常に多くの食品に含まれていることに加え、腸内細菌によって作られているので通常の食生活では不足することはありません。しかし、極度の栄養失調、また抗生物質を長期服用すると腸内細菌が働くことができずパントテン酸が合成されないため、不足することがあります。

パントテン酸が欠乏すると、頭痛や疲労、手足の知覚異常などの症状が見られることがあります。また、動脈硬化の原因になったり、免疫力が低下し風邪などの感染症にかかりやすくなります。

パントテン酸の食べ合わせ

パントテン酸は水に溶けやすく、熱で分解されやすいので、加熱時間を短くしたり、煮汁も利用するなど工夫が必要です。

パントテン酸はコラーゲンを作る時に必要なビタミンCの作用を助け、髪や肌の健康を保ってくれます。また、ビタミンB6や葉酸と一緒に免疫力の強化に働きかけるため、ビタミンCやB6、葉酸を含む食品と共に摂取すると効果的です。

パントテン酸の関連キーワード

ビタミンB群

ビタミンB群は共通の性質(補酵素として代謝に関与する)を持つことから単一物質と考えられていました。
過去には複数のビタミンの混合物であったり、ビタミンではないものも含まれ、数十種類もの物質がビタミンBの仲間として登録されていました。
現在ビタミンB群は、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ビタミンB6、ビオチン(ビタミンB7)、葉酸(ビタミンB9)、ビタミンB12の8種の総称を言います。

この記事を書いた人
ライフミール栄養士
ライフミール栄養士

編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。

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