ビタミンC(アスコルビン酸)

ビタミンCは別名「アスコルビン酸」とも呼ばれる水溶性ビタミンの1つです。
皮膚や軟骨などの結合組織を作るコラーゲンの合成に不可欠で、皮膚や血管の老化を防ぎ免疫力を高める働きを持つ抗酸化ビタミンです。 また、ストレスへの抵抗力を強めたり、鉄の吸収を良くしたり、生活習慣病の予防にも効果があります。
ビタミン全般については、ビタミンのページをご覧ください。

ビタミンCの性質

ビタミンCは、ビタミン類の中でも比較的浸透している言葉ですので、よく聞いたり見たりするのではないでしょうか?
そのようなビタミンCは、以下の様な性質を持っています。

コラーゲンの合成

体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンという「たんぱく質」をつくるのに不可欠で、皮膚や骨などを強化します。 ビタミンCはコラーゲンの合成によって、皮膚や骨の健康を維持したり、傷の修復に働きます。

抗酸化作用

ビタミンCは強い抗酸化作用を持ち、過酸化脂質(中性脂肪やコレステロールなどの脂質が活性酸素によって酸化されたもの)を抑制し、生活習慣病を予防します。また、体を老化する活性酸素は、喫煙、飲酒、紫外線、ストレスなどによっても発生し、活性酸素を消すために抗酸化物質が働きます。

貧血予防、発がん予防

鉄不足によって起こる貧血を防ぐために鉄を摂取しなければならず、ビタミンCは鉄を吸収しやすい形に変化させることで、吸収率を高める働きをします。また、ビタミンCは発がん物質であるニトロソアミンの形成を抑制する働きがあり、発がん予防に期待されています。

ビタミンCの標準摂取量

ビタミンCの1日の推奨量は成人で男女共に100mgです。 野菜や果物の摂取不足により食事から摂るビタミンCは減少傾向にあり、推奨量を下回る人が増えてきています。 喫煙する、アルコールを飲む、激しい運動をする人はビタミンCが消費されてしまうため必要性が高くなります。

ビタミンCが多く含まれる食材

代表と思われがちなレモンは、意外と少ない!

  1. 品名
  2. 可食部(100gあたり/mg)
  3. 1食あたり(重量)
  4. 1食あたりの成分含有量(mg)
アセロラ
1700
100g
1700
レモン
100
1個(40g)
40
菜の花
110
80g
88
赤ピーマン
170
50g
85
ブロッコリー
120
50g
60
70
1/2個(90g)
63
キウイ
69
1個(80g)
55


ビタミンCの過剰摂取

ビタミンCは体内に吸収されやすいですが、過剰に摂取した分は尿によって排泄されるため過剰症の心配はありません。
しかし、ビタミン剤やサプリメントによって1日10g以上の過剰摂取になると下痢や嘔吐などが起こることがありますが、一過性の症状で過剰摂取をやめると症状は収まります。

ビタミンCの欠乏症

ストレスや喫煙、飲酒、激しい運動により体内でのビタミンCの消費量は高まります。
ビタミンCが欠乏すると、疲れやすくなり、免疫力が低下して風邪などの感染症にかかりやすくなります。さらに悪化すると、コラーゲンが不足し毛細血管がもろくなることにより、歯茎や皮下から出血する壊血病が起こります。子供の場合は骨の発育不良が見られることもあります。

ビタミンCの食べ合わせ

ビタミンCは、抗酸化力を持つビタミンEを再生する働きもあります。
また、鉄と一緒に摂ると吸収され難い非ヘム鉄の吸収率を高めてくれる働きもあるため、ビタミンEや鉄が多く含まれる食材と一緒に摂ると相乗効果があります。

例えば、ビタミンEが豊富なカボチャとビタミンCが豊富なブロッコリーの温野菜にドレッシング(ビタミンE)をかける。 鉄分が豊富なシリアルに果物(ビタミンC)を入れる。
ビタミンCは水に流れやすく熱に弱いため、水にさらす時間を減らし、食材を大きめに切って水に接する面積を減らしたり、加熱時間を減らすなど工夫が必要です。旬の時期の野菜や果物、捨ててしまいがちな野菜の芯や外葉にも多く含まれます。

ビタミンCの関連キーワード

酸化防止剤(ビタミンC)

酸化防止剤とは、酸化現象による食品の変質を防止し、食品の品質の安定性を向上させるために使用される食品添加物ことをいいます。
ビタミンC は、酸化されやすい性質を利用して酸化防止剤として食品に使用されています。
水溶性のためペットボトルのお茶や清涼飲料水などに用いられ、食品添加物としては、ほとんどが人為的に合成されたビタミンCが使用されています。
食品が酸化されるより先にビタミンCが酸化されることによって、食品の酸化を防ぎ、褐変、変色、風味の劣化などを防止しています。

この記事を書いた人
ライフミール栄養士
ライフミール栄養士

編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。