蜂蜜以外にもあるの?赤ちゃんに与えてはいけない食べ物とは
「蜂蜜は赤ちゃんにあげちゃいけないと知っていますが、加熱してもだめですか?」という質問がありました。蜂蜜は、ボツリヌス菌の心配から免疫力が少ない乳児には与えてはいけません。今回は、蜂蜜以外でも乳幼児期に気をつけたい食べ物のポイントや、赤ちゃんのアレルギーと食中毒のお話もあわせてお伝えいたします。
蜂蜜がなぜいけないのか?
某有名料理サイトの離乳食のレシピに「蜂蜜」が使われていて、問題となったことがあります。
乳幼児の検診で「蜂蜜はダメ」と教えてもらっていても「過熱していれば大丈夫」と思ってしまうと、命取りになってしまいます。
蜂蜜が危険なのは蜜の収穫の中で、土からボツリヌス菌をつけてしまう恐れがあるからです。ボツリヌス菌は、熱に強く通常の加熱では死滅しません。
1歳未満の乳児の感染は「乳児ボツリヌス症」と呼ばれています。
赤ちゃんの腸管内にボツリヌス菌の芽胞が入ると、菌が増殖して便秘が続き、全身の筋力の低下、哺乳力の低下、なき声が小さくなるなど筋肉の弛緩がおき、麻痺症状が現れ、重篤な症状になります。
ネットには、良くも悪くも様々な情報が掲載されています。安易に信用しないで、専門家の正しい情報を確認していきましょう。
【引用:食品衛生の窓・東京都福祉保健局】
他にもある!?乳児に与えると危険な食べもの
他にも「赤ちゃんに与えてはいけない食べものはあるのでしょうか?」
赤ちゃんに与えて良いかどうかは,月齢によって変わってきますが、特に気をつけたいのは「アレルギー」を起こしやすい食材です。
食物アレルギーがあると「アナフィラキシーショック」と呼ばれる症状を引き起こし、重篤な状態になってしまいます。
そのため、アレルギーが発症しやすい食材は、国で「特定原材料」として7品目の表記の義務付けがあります。さらに20品目には「特定原材料に準ずるもの」として表示を推奨されています。
特定原材料に定められている7品目
・えび ・かに ・小麦 ・そば ・卵 ・乳 ・落花生
(食品の表示は「特定原材料」であっても、店頭販売では表記の義務がありません。)
特定原材料に準ずるもの20品目
あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、 牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
(義務ではないため、含まれていても表示されないことがあります。)
*赤ちゃんのアレルギーが心配される場合は、早めに医療機関で相談しましょう。
【引用:独立行政法人環境再生保全機構サイト】
赤ちゃんを食中毒から守る三原則
アレルギー以外でも、乳幼児期で気をつけたいのは食中毒です。大人でも重篤になりやすい食中毒もあるので、抵抗力の弱い赤ちゃんは、特に気をつけましょう。
食中毒を起こしやすい食品は、主に海鮮類や肉類などです。そして野菜も加熱調理を怠ると食中毒は、発生します。
また、卵の殻に付着した卵のパックからサルモレラ菌に感染するなど、思わぬところに感染源がひそんでいます。さらに、あまり多くのケースではありませんが、自家製野菜スープの缶詰でボツリヌス菌に感染した例もあります。
このように自宅で調理する際には、注意をはらってください。
食中毒を防ぐために気をつける3つのポイントは…
1.菌をつけない
買ってきた食材の保管方法に気をつけ、生ものなどの菌は、他の食材にうつさないようにしましょう。
2.菌を増やさない
調理したものは、時間をおかずにすぐ食べましょう。また、離乳食を作ったら、とりわけながら利用して、赤ちゃんにあげたものは残しておかないようにしましょう。
3.しっかり殺菌する
離乳食を作る際の調理器具や食器は、しっかり殺菌しましょう。加熱殺菌や薬剤を使った殺菌など、それぞれの方法があるので使い分けながら菌をなくしていきましょう。
【まとめ】
一般的に1歳を過ぎる頃までは、蜂蜜の他に、生の肉や魚、卵は避けてください。これらは、食中毒や菌に感染しやすい食材のため、抵抗力の弱い乳幼児期には向いていません。野菜も一度加熱したものを利用しましょう。
アレルギーの発症しやすい食材は、特に気になる方は専門家に相談しながら離乳食をすすめていきます。
また、添加物の多く含まれている加工食品、塩・砂糖・油・繊維の多い固い食材、刺激の強い食材などは、赤ちゃんの消化吸収能力が低いので、様子をみながら選んでいきましょう。
離乳食が始まり食品数を増やしていく中で、その子の月齢や発達、アレルギーの状態などによって、体調をくずす食材は違います。心配しすぎも良くないのですが、しっかりとした知識を持って、日ごろから家族みんなで安心して食べられるように心がけていきましょう。