日本人の食生活・栄養の問題点とは?③ 食塩についての対策や工夫を知ろう
日本人の食生活・栄養について、シリーズで取り上げた残り2つの問題点のうち、今回は食塩の摂取についてを解説します。さらに、減塩のための取り入れやすい工夫も厳選してご紹介します!
- ▽日本人の食生活・栄養の問題点(全5回)
- 1.健康日本21(第2次)
- 2.主食・主菜・副菜の組合わせ
- 3.食塩についての対策や工夫
- 4.野菜・果物の正しい摂り方
- 5.野菜の食べ方をもっと楽しもう!

日本人の食塩摂取量の目標は一日8g
日本人は昔から“塩味”を好む民族で、しょうゆやみそなどの調味料の活用、その他漬物などの塩蔵品が食卓で親しまれてきました。
健康日本21(第2次)では、食塩の摂取量を8gにまで減少させることを目標にしていますが、平成22年の段階での平均摂取量は10.6gでした。
つまり、健康的な食生活の実現を考えると、一日を通しての食塩の利用を2割程度減らす工夫が必要である、ということが示されているのです。
ちなみに、日本人の食事摂取基準2015年(厚生労働省)では、男性は8.0g未満、女性は7.0g未満を目標量としています。
食塩の摂り過ぎによる影響を確認しよう

食塩の主要な成分であるナトリウムは五大栄養素であるミネラルの一種です。
また、ミネラルのカリウムと共に体内の塩分濃度を調整していますが、この2つのバランスがとても重要となってきます
。
食塩の摂り過ぎにより両者のバランスが崩れてナトリウムの方が多くなってしまうと、体内の塩分濃度を薄めようと水分を貯めこむようになります。
すると、むくみの症状が表れ、さらに深刻な場合は体液や血液の量が増加することによる高血圧、生活習慣病といった疾病につながることも考えられるのです。
反対に不足については食塩ではあまり見られませんが、疲労感や食欲不振の原因となることが考えられます。最低でも1.5gの摂取が必要です。
◆ナトリウムの栄養効果
◆カリウムの栄養効果
食塩以外の調味料を活用するだけでも減塩になる

それでは、食塩を減らすための実践しやすい工夫をいくつかご紹介しましょう。まず、食塩摂取量とはその名の通り「食塩」としての重さがトータルでどのくらいになるかを示した値です。以下の表を確認してみましょう。
調味料 | 100g中に食塩が含まれる量 | 食塩1gを含む量(*) |
---|---|---|
食塩 | 99.1g | 約1g |
濃い口しょうゆ | 14.5g | 約6g |
薄口しょうゆ | 16.0g | 約6g |
白みそ(淡色辛みそ) | 12.4g | 約8g |
赤みそ(赤色辛みそ) | 13.0g | 約7g |
(*)小数点第一位で繰り上げ
食塩としょうゆ・みその食塩量を比較すると、6倍以上の量を使えることが分かりますね。
食塩のみの味付けが多い方は、しょうゆやみそに変えるだけでも減塩になりますね。
最新アイテムを活用して賢く減塩!
その他、無意識のうちにたくさんの量の調味料を使用しているという方におすすめのスプレータイプの調味料入れなど、最新の便利アイテムを活用するのもオススメです。
その他にも、調理上の工夫などをまとめた記事もありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
◆参考記事:高血圧に効果のある栄養素と料理の工夫について知っておこう!(後編)
今回は、日本人の食生活の問題点である食塩についての対策や工夫を説明しました。次回は野菜・果物の摂取についてを解説します!
- ▽日本人の食生活・栄養の問題点(全5回)
- 1.健康日本21(第2次)
- 2.主食・主菜・副菜の組合わせ
- 3.食塩についての対策や工夫
- 4.野菜・果物の正しい摂り方
- 5.野菜の食べ方をもっと楽しもう!