日本人の食生活・栄養の問題点とは?① 〜健康日本21(第2次)〜

世界でも有数の長寿国である日本ですが、近年は平均寿命と健康寿命の差異が問題となっていることもご存知でしょうか。 今回は、厚生労働省の定める「健康日本21(第2次)」から、日本人の栄養摂取状況を解説します。単に長生きすることではなく、健康に長生きすることを目指して、今から食生活を正しく整えてみませんか。

日本人の食生活・栄養の問題点とは?① 〜健康日本21(第2次)〜

日本人が健康に暮らすための目標「健康日本21」

厚生労働省によって定められた「健康日本21」とは、国民が健康に暮らすための基本的な方向やそのための目標です。

2000年の適用開始以降、時代に合わせて内容が見直され、現在は「健康日本21(第2次)」となっています。


健康日本21では疾病や運動状況などの健康にまつわるさまざまな目標が設定されていますが、今回は特に「食生活・栄養」から、個人でも実践しやすい3つのポイントについて取り上げていきます。

【参考】厚生労働省 健康日本21(第2次)

主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を!

「主食」とはご飯などの糖質源となるものです。

「主菜」は特にタンパク質を含む肉や魚、大豆製品などの食品を使ったおかず、そして「副菜」は野菜やいも、海藻類を使ったおかずです。

この3つを組み合わせることによって、人の健康維持にとって必要な五大栄養素が満たされた食事が完成します。この3つを組み合わせた食事を1日に2回以上取り入れることが望ましいとされています。

◆7大栄養素について詳しい記事はこちら
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食塩の摂取量を適正に!

続いては食塩の摂取量についてです。

日本人の食塩の摂り過ぎは以前から指摘されていましたが、摂りすぎはむくみや高血圧症、時には胃がんや血管疾患などの原因となることもあります。

健康維持のための適正な量として8.0g未満という目標値が設定されています。減塩のためには、毎日のちょっとした工夫の積み重ねが大切です。

◆血圧が高い!高血圧の原因と1日の塩分摂取量を知っておこう(前編)
◆高血圧に効果のある栄養素と料理の工夫について知っておこう!(後編)

野菜と果物の摂取量を増やそう!

最後は、野菜と果物の摂取量を増やすことです。

野菜と果物を摂取することのメリットは数多く、ビタミン・ミネラルの供給源であること、体重のコントロールやがん予防にはたらくなど、健康維持のためにはぜひ摂っておきたい食材です。

現在、野菜の摂取量は350gで、果物の摂取量は具体的な目標値はないものの、摂取量が100g未満の国民の割合を30%にする、といった目標が設定されています。特に果物の摂取は注意が必要なポイントもあり、正しく取り入れることが重要になっています。

◆ビタミンについて詳しい記事はこちら
◆ミネラルについて詳しい記事はこちら

今回は、日本人の食生活や栄養について、現在国によって取り組まれている目標の一部を解説しました。

次回は、それぞれの目標をクリアするために考えられる工夫を、栄養士の目線からご説明します!



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ライフミール栄養士
ライフミール栄養士

編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。