【スポーツ栄養基礎】その他のスポーツでの食事の組み立て方

前回までにご説明した「持久力系」と「瞬発力系」のそれぞれの特徴が強いスポーツではなく、双方の力が求められる競技をミドルパワー系種目と分類します。

例えば、試合中に素早く動くタイミングと、力強いパワーを発揮する必要がある場面の両方がある球技系スポーツや、場合によっては審美系スポーツ(体操やフィギュアスケートなど)が分類されます。

【スポーツ栄養基礎】その他のスポーツでの食事の組み立て方

チームスポーツは栄養管理が難しい?!

球技系スポーツなどチームで行う競技は、トレーニングや練習を全体で行うことが多くなります。

練習中の休憩や食事も同様で、ミドルパワー系種目でよくあげられる問題としては、自分のタイミングで水分や栄養の補給ができないということ。特に、水分不足による脱水症状を訴える人が少なくありません。

水分不足による脱水を防ぐためには、「アンダーウェア」にこだわってみるというのも一つの有効な手段。その日の天候やコンディションに対応できるように、複数のタイプを用意しておくと良いかもしれません。

ミドルパワー系種目の多くは、栄養管理だけでなく、さまざまな目線からの体調管理が必要となってきます。

トレーニングの「質」によって食事をチョイス

一般的にミドルパワー系の種目では、筋力トレーニングと持久力トレーニング、そして実際の競技に沿った練習と、異なる質のトレーニングを行いますよね。

その時々で食事傾向を持久系または瞬発力系に特化したもの、といった様に、柔軟にチョイスできるようにすることが理想です。

そのためには、どんなタイプの食事でも対応できるよう、内臓機能を健康に維持することが必要です。

関連ページ:持久系スポーツ編 | 瞬発系スポーツ編

肝臓を健康に保つことが大切

特に栄養素の利用やエネルギーの代謝などにもはたらく「肝臓」は、スポーツをする人にとって重要な臓器の一つです。

肝臓に不調があると、血糖の利用がうまくいかなくなり、エネルギーが利用できずにパフォーマンスの低下の原因となることも。

肝臓の健康をキープするためには、練習後の生ものや油ものを控えたり、アルコールの多量摂取を避けるなどの工夫が大切です。肝機能を高める栄養成分「タウリン」が含まれる食材を取り入れてみるのもおすすめです。

関連ページ:タウリンについて


その他のスポーツの栄養管理では、トレーニングの内容次第で食事傾向を変えなければならない難しさがあります。

自分自身の体調の変化を感じ取ることが何よりも重要になりますが、それは一朝一夕で身につくことではありません。

まずはこまめに体組成測定を行い、データを確認しながらコンディションを調整するようにすると良いですね。

次回はスポーツ栄養基礎の最終回として、「グリコーゲンローディング法」という特殊な食事方法について解説します。




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ライフミール栄養士
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編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。