デンプンの効果と摂取上の注意点について
デンプンは、ブドウ糖が多数結合した高分子化化合物の多糖類で、最も重要なエネルギー源となります。穀類やイモ類に多く含まれ主食として多くの国で食べられています。
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デンプンの性質と働き
デンプンは、直鎖状でらせんを巻いているアミロースといくつも枝分かれしたアミロペクチンの混合物です。アミロペクチンは水を加えて加熱すると粘り気が出ます。アミロースとアミロペクチンの混合割合は、食品によって異なり、平均すると2割がアミロース、8割がアミロペクチンです。
食品中のデンプンは、咀嚼中に唾液に含まれている消化酵素のアミラーゼによって、少し分解されます。その後小腸に移動したデンプンは、すい液にも含まれるアミラーゼによって、さらに消化され、二糖類の麦芽糖に分解されます。
麦芽糖が小腸にたどりつくと、小腸から出ているマルターゼという消化酵素によって、ブドウ糖に分解され、ようやく体に吸収できるようになります。
吸収されたブドウ糖は、血液によって体のすみずみまで運ばれ、エネルギーとして利用されたり、肝臓や筋肉でエネルギー貯蔵体であるグリコーゲンに変換され、蓄えられたりします。
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麦芽糖の栄養効果
ブドウ糖の栄養効果
糖質の代謝
デンプンを多く含む食品
穀類、イモ類、豆類などに多く含まれる
デンプンの摂取と食べ合わせ
デンプンは、生の状態で食べても美味しくなく、水にも溶けない為あまり消化されません。ご飯を炊いて食べるように、普通は水を加えて加熱し吸水させて、軟らかくしてから食べます。
デンプンの過剰症、欠乏症
デンプンの摂り過ぎは、その他の糖類と同様、中性脂肪となって蓄積し、肥満や脂肪肝につながり、様々な生活習慣病の引き金になります。
不足するとエネルギーが足りず、疲れやすくなったり痩せていきます。
デンプンの関連ワード
アミラーゼ
アミラーゼは、炭水化物のデンプン消化を行う消化酵素です。α-アミラーゼやβ-アミラーゼなどの種類があり、以前はジアスターゼと呼ばれていました。
おもに膵臓と唾液腺から分泌され、それぞれ異なる方法でデンプンを消化していきます。またアミラーゼで病気の可能性もわかり、膵臓の病気などを発見したり、経過を観察するための指標として用いられています。
マルターゼ
マルターゼは、二糖類のマルトースを分解する消化酵素で、腸液の中に含まれています、マルターゼはマルトースの加水分解を触媒して単糖のグルコースに変換し体内に吸収しやすくします。
この酵素は、植物、細菌、酵母などに含まれています。