ブドウ糖の効果と摂取上の注意点について
ブドウ糖はグルコースとも呼ばれ、穀類や根菜類、果物に多く含まれる単糖類です。ブドウ糖は全ての糖質の中で、栄養学上最も重要な単糖です。
ブドウ糖は血液中に血糖として常に0.1%程度存在し、脳のエネルギー源として利用されるほか、多くの生理作用に関係します。また、ブドウ糖の名前の由来はブドウに多く含まれているところからきているのです。

ブドウ糖の性質と働き
ブドウ糖は単糖類の1つで、消化酵素でそれ以上分解されない1個の糖で出来た物質です。ブドウ糖の他に、果糖(フルクトース)、ガラクトースがあります。
食べ物からとった糖質の多くが、小腸で消化吸収された後、最終的にはブドウ糖に分解され、血液によって体のすみずみまで運ばれ、全身のエネルギーとして利用されたり、肝臓や筋肉でエネルギー貯蔵体であるグリコーゲンに変わり蓄えられたりします。
中でも脳は、ブドウ糖を唯一のエネルギー源としており、人が生きていく上で非常に重要な栄養素です。
エネルギー源として重要なブドウ糖は、消費されたブドウ糖がすぐに補えるよう、血液中に常に一定量(約0.1%)のブドウ糖が含まれるよう調整されており、血液中に存在するブドウ糖を血糖、その値を血糖値と呼びます。
関連ページ:糖質について
ブドウ糖を多く含む食品
米、パン、めん、イモ類、果物など。
ブドウ糖の摂取と食べ合わせ
体の中でブドウ糖がエネルギーに変換されるときには、ビタミンB1が必要です。
ビタミンB1が豊富な胚芽や玄米、麦やきびなどの雑穀、全粒パンなどを積極的に摂取することで、効率よくエネルギーへ変換することができます。
<関連ページ>
*ビタミンB1について
*糖質の代謝について
ブドウ糖の過剰症、欠乏症
ブドウ糖の摂り過ぎは、インスリンの働きによって脂肪に合成され、体内で体脂肪として蓄積される為、肥満や生活習慣病の原因となります。
不足すると、体を形づくるタンパク質や体脂肪が分解されエネルギー源として利用される為、ブドウ糖が不足しても欠乏症を引き起すことはありません。
ただし、長期間不足すると体のタンパク質の多くが分解されてしまい筋肉量が減り、基礎代謝が低下することで、疲れやすくなったりします。
<関連ページ>
*タンパク質について
*糖質制限ダイエットについて
ブドウ糖の関連ワード
インスリン
インスリンとは、ホルモンの一種で、すい臓から体内に分泌される物質のことです。血糖値を下げるホルモンは、このインスリンしかありません。
血糖値
血糖値の正常地は血液の0.1%程度で、空腹時だと80~100mg/dl、食後2時間の血糖は、140 mg/dlが基準値とされています。
血糖値が高くなると、インスリンというホルモンの働きによって、ブドウ糖からのグリコーゲン合成や脂肪合成を促したり、代謝によるブドウ糖の消費を増やして、血糖値を下げます。
また、血糖値が低くなった場合は、グルカゴン、アドレナリンなどの働きによって肝臓グリコーゲンの分解などを促し、血糖値を上昇させます。
このようにして血糖値は常に一定に保たれています。