ビタミンU(キャベジン)の効果と摂取上の注意点について

キャベツから発見されたため「キャベジン」とも呼ばれます。タンパク質の合成を活発にする作用があり消化管粘膜を修復する働きがあります。また、過剰な胃酸の分泌を抑制し、胃や十二指腸潰瘍の予防効果があるため、ビタミンU(キャベジン)は胃腸薬に利用されています。

ビタミンU(キャベジン)の効果と摂取上の注意点について

ビタミンU(キャベジン)の性質と働き

ビタミンUの「U」は、潰瘍(かいよう)を表す英語「ulcer」の、頭文字をとったもので、成分名は塩化メチルメチオニンスルフォニウムクロライド (MMSC)です。


キャベツから発見されたため、キャベジンと呼ばれるビタミン様物質で、胃腸薬として利用されています。

ビタミン様物質とは、体内においてビタミンと似た重要な働きをしますが、体内で合成でき、欠乏症が起こらないため、ビタミンと区別されているものの総称です。

一般にヒト及び哺乳動物において必ずしも栄養素として外部から摂取する必要がなく、その溶解性から水溶性と脂溶性に分類されます。


ビタミンUは水溶性のビタミン様物質に分類され、キャベツ、レタス、セロリなどに含まれています。

タンパク質の合成に不可欠な核酸を作るために必要な成分で、タンパク質生成を活発にする働きを持ち、傷ついた組織を修復して血管をしなやかに保つ効果があります。

また、胃腸の粘膜を正常に整え、消化を助けて胃もたれを防止する効果や、過剰な胃酸の分泌を抑制するなど胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防につながります。

胃潰瘍、十二指腸潰瘍とは、胃酸やピロリ菌、ストレスなどによって胃や十二指腸の粘膜が傷つけられ、粘膜や組織の一部がえぐられた状態を「潰瘍」と呼びます。上腹部の痛みや胸やけなどの症状が起こることがあります。

関連リンク: タンパク質

ビタミンU(キャベジン)を多く含む食品

キャベツ、レタス、セロリ、アスパラガス、青海苔などに多く含まれます。

特に野菜に多く含まれる成分なので、野菜不足にならないように注意しましょう。

ビタミンU(キャベジン)の摂取と食べ合わせ

ビタミンUの摂取量は定められていません。

水溶性で熱に弱いので生で摂取するのが効果的ですが、水にさらすと溶け出してしまいます。加熱せずに生のまま摂取する際は、手早く洗って損失を最小限に抑えましょう。

また、加熱する場合はスープにしたり煮ることによって量も摂れ、煮汁に溶けだしたビタミンUも摂取できるのでお勧めです。


ビタミンUを多く含むキャベツには潰瘍による出血を緩和する作用があるビタミンKも含まれています。ビタミンUとビタミンKの相乗効果で胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防する効果が期待できます。

関連リンク: ビタミンK

ビタミンU(キャベジン)の過剰症、欠乏症

ビタミンUは水溶性のため、過剰摂取になる事はないと考えられています。

不足すると胃が弱くなったり、潰瘍ができた時には修復が遅れることが考えられます。

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キャベツの栄養

野菜売り場で一年中目にすることのできるキャベツは、ビタミンU(キャベジン)の他にも多くの栄養素を含んでいます。

淡色野菜の中でも抗酸化作用を持つビタミンCの含硫量は多く、特に外葉や芯に多く含まれます。

生で食べるよりも煮たり茹でたりする方が、抗酸化作用が強くなります。加熱すると、消化も良く量を食べることができます。

ビタミンUもビタミンCも水溶性なのでスープなどにして煮汁を取り逃さないようにするのが効果的です。

また、ビタミンK、カルシウム、食物繊維、必須アミノ酸であるリジン、トリプトファンなども含んでいます。

関連リンク: ビタミンC | ビタミンK | カルシウム | 食物繊維 | トリプトファン



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