2016年12月13日更新

脳や神経の働きを活発にするAAA(芳香族アミノ酸)とは?

AAA(Aromatic amino acidの頭文字)とは、その構造にベンゼン環などの芳香族基を有するアミノ酸のことで、必須アミノ酸のフェニルアラニンとトリプトファン、非必須アミノ酸のチロシンが芳香族アミノ酸に分類されます。 肉類、魚、豆類、乳製品などタンパク質食品に多く含まれており、神経伝達物質の原料となって脳や神経の働きを活発にします。また、神経伝達物質の分泌を正常にし、うつ症状の緩和や不安感を改善する効果があります。

脳や神経の働きを活発にするAAA(芳香族アミノ酸)とは?

AAA(芳香族アミノ酸)の性質と働き

私たちの体の16~20%を占めるタンパク質は、20種類のアミノ酸から構成されています。

そのうち9種類(バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、スレオニン、メチオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、トリプトファン)は必須アミノ酸と呼ばれ、体内で合成することができず、食事によって摂取しなければなりません。

残りの11種類(チロシン、システイン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン酸、グルタミン、プロリン、グリシン、アラニン、アルギニン)は非必須アミノ酸と呼ばれます。

体内で合成が可能なアミノ酸で必ずしもそれ自体を摂取する必要はありませんが、必須アミノ酸と同様に体内で重要な役割を果たすものもあります。


必須アミノ酸のフェニルアラニンとトリプトファン、非必須アミノ酸のチロシンは芳香族アミノ酸(AAA)に分類され、次のような働きがあります。

関連リンク: たんぱく質 | フェニルアラニン | チロシン | トリプトファン

神経伝達物質となる

フェニルアラニンは、脳の神経細胞の間で情報の橋渡しをしている神経伝達物質を作るために欠かせないアミノ酸で、体内では酵素の働きによりチロシンとなります。

チロシンはドーパという物質となり、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンが生成されます。


ドーパミン

ドーパミンは快楽ホルモンとも呼ばれ、やる気や集中力を高めてくれます。

ノルアドレナリン

ノルアドレナリンは注意力や緊張に関わり、血圧や心拍数を上げ、体を活動に適した状態にします。

アドレナリン

アドレナリンは副腎から分泌されるホルモンで、血中に放出されると心拍数や血圧、血糖値を上げ興奮を促す作用があります。



ドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が分泌されると興奮状態や幸福感を覚え、神経を高揚させるので気分の落ち込みを改善したり、うつ症状の緩和にも効果があると考えられています。



メラニンや甲状腺ホルモンの原料となる

芳香族アミノ酸の1つであるチロシンは皮膚や髪の黒色色素として知られるメラニンの原料です。チロシンの摂取はストレスや紫外線、老化、栄養不足によってメラニンが減少して起こる白髪の予防になります。

また、チロシンは甲状腺ホルモンのチロキシンの原料となります。

甲状腺ホルモンは、のどぼとけの下にある甲状腺から分泌され、糖質やタンパク質、脂質の代謝を活発にします。乳幼児に不足すると発達障害や成長障害を起こすことが知られています。

関連リンク: チロシン

フィッシャー比とは

フィッシャー比とは、BCAA/AAA(分岐鎖アミノ酸/芳香族アミノ酸)で表される分岐鎖アミノ酸と芳香族アミノ酸の比率です。

BCAAとは必須アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンがこれにあたります。

BCAAが筋肉で代謝されるのに対し、芳香族アミノ酸は肝臓で代謝され、他の臓器では芳香族アミノ酸を分解することができません。

肝不全などの肝疾患では、芳香族アミノ酸の処理ができず、肝臓の芳香族アミノ酸の取り込みが低下します。その結果、血液中の芳香族アミノ酸濃度は上昇してフィッシャー比は小さくなります。

フィッシャー比のバランスが大きく崩れると脳機能への影響が出る可能性があります。肝硬変では分岐鎖アミノ酸を投与し、フィッシャー比を上昇させます。

関連リンク: BCAA(分岐鎖アミノ酸)

AAA(芳香族アミノ酸)を含む食品

肉類、魚介類、豆類など様々な食品中のタンパク質に含まれています。

◇食品100gあたりの含有量
鶏もも肉(生) 1400mg
さわら(生) 1500mg
ぶり(生) 960mg
大豆(乾) 3200mg
きな粉 3400mg
プロセスチーズ 2500mg
糸ひき納豆 1600mg
たけのこ 140mg
※茹でたたけのこに見られる白い物質はチロシンなので無理に取り除かずに摂取するようにしましょう。

AAA(芳香族アミノ酸)の摂取と食べ合わせ

成人の必須アミノ酸の推定平均必要量は、フェニルアラニン+チロシン(芳香族アミノ酸)で25mg/kg 体重/日、38mg/g たんぱく質としています。

体重60㎏の成人では1日に約1500mgが推奨される必要量となります。

ビタミンB6はタンパク質の分解や再合成に欠かせないビタミンで、神経伝達物質の合成にも必要となる成分なので一緒に摂取すると効果的です。他の栄養素とバランスよく摂取するようにしましょう。

関連リンク:ビタミンB6

AAA(芳香族アミノ酸)の過剰症、欠乏症

芳香族アミノ酸は様々なタンパク質食品に含まれているので、動物性タンパク質や植物性タンパク質をバランスよく摂っていれば不足することはありません。

しかし、極端にタンパク質を制限した場合など、不足すると脳内の神経伝達物質のバランスが崩れ、気分の落ち込み、物事の関心や意欲、集中力が低下します。

血圧を上昇させる作用があるので過剰に摂取すると高血圧を招く恐れがあり注意が必要です。

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チロキシン

甲状腺の濾胞(ろほう)細胞から分泌される甲状腺ホルモンの一種でヨウ素を含んでいます。チロキシンは糖質、タンパク質、脂質の分解を促し、代謝を促進する働きがあります。

チロキシンの血液中濃度が増加すると、甲状腺刺激ホルモンなどの分泌が抑制され、甲状腺からのチロキシン分泌が抑制されます。

逆にチロキシンが少なくなるとチロキシンの分泌が促進され、ほぼ一定になるように調節されています。

慢性的なチロシン不足は甲状腺腫として知られる甲状腺の肥大を引き起こします。

関連リンク: ヨウ素(ヨード) | 代謝の仕組み

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編集部

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