スレオニン(必須アミノ酸)の効果と摂取上の注意点について
スレオニンはトレオニンとも呼ばれ、必須アミノ酸の1つで成長に欠かせないアミノ酸です。肝機能を強化し、脂肪肝を予防する効果があります。また、穀類の栄養強化としても利用されています。
スレオニン(トレオニン)の性質と働き
私たちの体の16~20%を占めるタンパク質は、20種類のアミノ酸から構成されています。
そのうち9種類(バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、スレオニン、メチオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、トリプトファン)は必須アミノ酸と呼ばれ、体内で合成することができず、食事によって摂取しなければなりません。
「threonine」と表記するため読み方の違いから「スレオニン」と「トレオニン」の2つの読み方があり、必須アミノ酸の中で最後に発見されたアミノ酸です。
スレオニンは食事から摂取したタンパク質を使う時に必要となります。成長を司る因子として機能し、新陳代謝を促して新しい細胞を作り、成長の促進を促す効果があります。
また、肝臓への脂肪蓄積を防ぐ効果があります。脂肪肝は飲み過ぎなどが原因で肝臓内に中性脂肪が溜まり、全肝細胞の30%以上が脂肪化している状態をいいます。スレオニンには肝機能障害を引き起こす脂肪肝を予防します。
スレオニンは体内のコラーゲン合成時の材料として用いられる性質もあります。
コラーゲンは、肌のハリと弾力を保ち美肌効果があり、骨や関節の健康維持に関係しており、美容だけではなく、体の健康にも重要な成分です。
また、穀類にはスレオニンやリジンが少なく、穀類の栄養強化として用いられることがあります。
関連リンク: タンパク質(必須アミノ酸) | タンパク質の代謝 | コラーゲン | リジン
スレオニン(トレオニン)を含む食品
◇食品100mgあたりの含有量
鰹節 3500mg
あじ(焼き) 1300mg
ぶり(焼き) 1200mg
豚ヒレ肉(焼き) 1800mg
鶏むね肉(焼き) 1500mg
ゼラチン 1800mg
パルメザンチーズ 1700mg
脱脂粉乳 1400mg
スレオニン(トレオニン)の摂取と食べ合わせ
成人の必須アミノ酸の推定平均必要量は、スレオニンでは15mg/kg 体重/日、23mg/g たんぱく質としています。
体重60㎏の成人では1日に約900mgが推奨される必要量となります。
穀類にはスレオニンとリジンが不足しています。魚類、肉類、牛乳、卵は穀類に足りない必須アミノ酸を多く含む食材なので一緒に食べると効果的なので、主食、主菜、副菜のそろったバランスのよい食事を心がけましょう。
関連リンク: タンパク質 | リジン
スレオニン(トレオニン)の過剰症、欠乏症
通常の食生活では過剰になることはないと考えられますが、過剰摂取が続くと胃腸障害や頭痛になる可能性があります。
また、野菜や穀類中心の食生活によってスレオニンが不足すると、食欲不振、貧血、成長不良などの症状があらわれます。
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必須アミノ酸
・スレオニン
・メチオニン
・リジン
・ヒスチジン
▷BCAA(分岐鎖アミノ酸)
・バリン
・ロイシン
・イソロイシン
▷AAA(分岐鎖アミノ酸)
・フェニルアラニン
・トリプトファン
・チロシン(非必須アミノ酸)