【調理学基礎⑥】正しい調理のための準備(下処理)

前回は、「計量」と「洗い方」が美味しい料理を作るには重要であることを確認しました。今回は、食材の戻し方など、知っておくと便利な「下処理」について解説します!

【調理学基礎⑥】正しい調理のための準備2

便利な常備食材「乾物」の戻し方

仮定に常備しておくと便利な乾燥食材。栄養もあり保存もきくので、ちょっとした一品を献立にプラスしたい時に重宝します。例えば高野豆腐は出汁としょうゆで煮るだけで立派な副菜に。海藻類はサラダに足しても良いですよね。

食材に合わせた戻し方と、戻した時の重量の変化を覚えておくと料理がより充実したものになります!

<表1>
乾燥食材の戻し方と重量の変化(一部)

食材名戻し方重量の変化率
わかめ 水に10~30分浸す 8~10倍程度
ひじき 水に10~30分浸す 8~10倍程度
高野豆腐 10倍程度のぬるま湯(50~60℃)に10分浸す 5倍程度
麩(ふ) 水に5分程度つける(板は濡れふきんで包む) 7倍程度
干し椎茸 水に10分程度浸す 5倍程度
切り干し大根 水に10~30分浸す 8~10倍程度
はるさめ ぬるま湯に20分程度浸す 3倍程度


“アク”を抜いて美味しさアップを!

“アク”とは、苦味や渋味、えぐ味などを食材や料理に与えてしまう物質を総称したもの。美味しい料理を作るために、下処理でアクを抜く必要がある食材もあります。

<表2>
野菜のアク抜きの方法(一部)

食材名方法
れんこん、うど 切って水にさらすか、被るくらいの水に3%程度の酢を入れた水でゆでる
ごぼう 切って水または酢水にさらすか、米のとぎ汁でゆでる
たけのこ 外側の皮を取り、内側の皮に切り込みを入れ、米のとぎ汁でゆでて冷ます
皮を取って切り、水にさらす
ほうれん草、春菊 たっぷりの水に食塩を水の1%程度加え、熱湯でさっとゆでる


「貝」と「レバー」の下処理方法

その他、下処理の方法として覚えておくと便利なのが「貝」の砂出し(砂抜き)。海水と同じ濃度の塩水につけ、冷暗所に一晩おいておくと砂を出すことができます。

海水は約3%の塩分を含んでいるので、殻つきの貝が被るくらいの水に塩を加えて最適な塩水を作ってみましょう。

「レバー」の血抜きは、一般的には適当な大きさに切って水洗いをするというもの。臭みの気になりにくい鶏レバーは水だけでも下処理ができるのですが、匂いの強い豚や牛は水だけでは臭みが気になることも。

その時には牛乳に浸けたり、酢水や酒に浸けると臭みが取れやすくなりますのでお試しください。


今回紹介した下処理の方法は基本的なものの中から、日常的に知っておくと便利なものを集めてみました。より調理を深く行いたい方は、その他の食材についてもぜひ調べてみてくださいね。次回は野菜の「切り方」について解説していきます。



この記事を書いた人
ライフミール栄養士
ライフミール栄養士

編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。