食材と栄養について「アスパラガス」をもっと知ろう!

アスパラガスは、元々は観賞用として江戸時代に日本に持ち込まれ、明治以降、食用として全国に普及しました。サラダや炒めもの、天ぷらやフライなど様々な料理に使われます。

同じ品種であるホワイトアスパラガスは盛り土をして日を当てずに栽培したものです。グリーンアスパラガスに比べて、柔らかい食感で青臭さがありませんが、栄養面ではグリーンのほうがβカロテンやビタミンCを多く含みます。

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βカロテンの栄養効果
ビタミンCの栄養効果

食材と栄養について「アスパラガス」をもっと知ろう!

アスパラガスの旬な時期

メキシコなどからの輸入物やハウス栽培などがあり年間を通じて流通していますが、国産のものは5月〜7月頃です。

アスパラガスの産地別収穫量

順位都道府県収穫量( t=トン)割合
1位北海道4,72016.22%
2位佐賀2,93010.07%
3位長野2,3908.21%
4位長崎2,2207.63%
5位熊本2,1207.29%
-その他14,72050.58%


アスパラガスの栄養

カロリーと3大栄養素
カロリー22Kcal
タンパク質2.6g
脂質0.2g
炭水化物3.9g
ビタミン
β-カロテン当量380μg
レチノール活性当量(ビタミンA)31μg
ビタミンD0μg
α-トコフェロール1.5mg
ビタミンK43μg
ビタミンB10.14mg
ビタミンB20.15mg
ナイアシン1mg
ビタミンB60.12mg
ビタミンB120μg
葉酸190μg
パントテン酸0.59mg
ビオチン1.8μg
ビタミンC15mg
ミネラル
ナトリウム2mg
カリウム270mg
カルシウム19mg
マグネシウム9mg
リン60mg
0.7mg
亜鉛0.5mg
0.1mg
マンガン0.19mg
ヨウ素1μg
セレン0μg
クロム0μg
モリブデン2μg


アスパラギン酸

アミノ酸の一種で、代謝を促進し疲労の原因となる乳酸の分解を促すため、疲労を回復する効果があります。

また、カリウムやマグネシウムを細胞に運ぶことで体内の体液のバランスを整え体調を整える働きがあります。肌の新陳代謝を促進し、保湿効果があるため、美肌効果も期待できます。

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アスパラギン酸の栄養効果
カリウムの栄養効果
マグネシウムの栄養効果

ルチン

ポリフェノールの一種で、ビタミンに近い働きをするためビタミンPとも呼ばれます。強い抗酸化作用を持つため、体内の活性酵素を除去し、アンチエイジングや生活習慣病の予防に効果があります。

ビタミンCの吸収を促進し、毛細血管を強くするため、動脈硬化や心疾患を予防する働きがあります。

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ルチンの栄養効果
ポリフェノールの種類と栄養効果
ビタミンCの栄養効果

キャベジン

ビタミンUとも呼ばれ、胃腸粘膜の新陳代謝を促すため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防に働きます。胃酸の過剰分泌を抑える働きがあるため、胃もたれや胸焼けを解消し、胃の健康を保ちます。

熱に弱く水に溶けやすいので、サッと茹でるかスープにして汁ごと食べるといいでしょう。

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キャベジン(ビタミンU)の栄養効果

美味しいアスパラガスの見分け方

穂先はほどよく締まっていて、茎はまっすぐと伸び、切口が丸くみずみずしいものが新鮮です。手に持ったときに、ずっしりと重く、茎が太くて変色していないものを選びましょう。

アスパラガスの保存

湿らせたペーパータオルで包みビニール袋に入れて、冷蔵庫で穂先を上にして立てて保存します。穂先や茎が乾燥しやすく日持ちはしないので2〜3日中に使い切ります。冷凍保存をする場合は硬めに茹でて冷水につけ、水分をしっかりふいて保存します。

アスパラガスの切り方

茎にある正三角形の突起物「ハカマ」は土が入っていたり、苦味があるため気になる場合はピーラーや包丁でそぎます。炒め物にする際は斜め切り、サラダや味噌汁などには短冊切り、ピラフやチャーハンには小口切りなど料理にあった切り方で食感を楽しめます。

アスパラガスの下ごしらえ

根本は硬く筋があるため、硬い部分があれば切り落とすか手で折り、ピーラーで根本の皮を5センチ程度むきます。ビタミンの損失を防ぎ、食感を残すためにも食塩を入れた熱湯で1分間〜2分程度サッと茹で冷水につけて色止めをします。

ホワイトアスパラガスの場合は、沸かした湯に食塩とお酢またはレモン汁、剥いた皮を加え茹でることで白さが鮮明になります。ホワイトアスパラガスは皮が厚いので長めに茹で、冷水ではなく鍋の中で自然に冷まします。

穂先は柔らかいので、茹でる際は根本を少し茹でてから全体を茹でるといいでしょう。

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ライフミール栄養士
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編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。