βカロテンの効果と摂取上の注意点について

βカロテンはカロテノイドの一種で、カロテン類に属します。 にんじんやほうれん草など緑黄色野菜に多く含まれる色素で、植物性の食品に由来するβカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わるのが特徴です。プロビタミンA(ビタミンAに変換される物質の総称)の中でもβカロテンはビタミンAとして活性する割合が高く、目の健康に関与します。またβカロテンは抗酸化作用を持ち有害な活性酸素から体を守る働きをします。

βカロテンの性質と働き

βカロテンは、600種類以上も存在しているといわれているカロテノイドの中でも代表的な栄養素であり、カロテン類に属します。

βカロテンは吸収されるときに小腸壁でビタミンAに変換されるためプロビタミンAと呼ばれます。

プロビタミンAはα-カロテン、γ-カロテン、βクリプトキサンチンもありますが、ビタミンAとして作用する割合が最も高いのがβカロテンです。

体内に取り込まれるとビタミンAの必要量に応じて変換され、残りはβカロテンのまま体内に蓄積されるので過剰症の心配がなく、βカロテンとビタミンAの両方の働きをします。

関連ページ: ビタミンAの効果・注意点


βカロテン自体の働きは、強い抗酸化作用を持ち、体内に発生した活性酸素を除去する働きがあります。

活性酸素を発生させる原因は、呼吸だけでなく、たばこ、アルコール、強いストレス、紫外線などがあり、活性酸素は老化を促進し、生活習慣病を引き起こす要因となります。

βカロテンは有害な活性酸素から体を守り、老化の促進、動脈硬化やがんなど生活習慣病の進行を防ぎ、免疫を増強する働きがあります。

また、βカロテンから作られるビタミンAは、視覚機能、皮膚や粘膜細胞を正常に保ち免疫機能の維持に働き、薄暗い場所や暗所において極端に視力が低下し、ものが見えづらくなる夜盲症の予防や視力低下の抑制に効果があります。

そのほか、粘膜の健康維持の効果もありビタミンAが不足すると風邪をひきやすくなったり、口内炎ができやすくなります。

βカロテンは水に溶けにくく油に溶ける性質があるので、脂質と一緒に摂取すると吸収が良くなります。

βカロテンを多く含む食品

品名可食部100g当たり(μg)1食の目安(μg)含有量(μg)
モロヘイヤ1000050g5000
にんじん820050g4100
ほうれん草420050g2100
西洋カボチャ400050g2000
うんしゅうみかん100080g(1個)800
すいか830150g(中1/10個)1245

βカロテンの摂取と食べ合わせ

βカロテンの摂取基準はありませんが、主に緑黄色野菜、柑橘類、すいかなど果物に多く含まれるため、バランスよく摂取しましょう。

βカロテンは脂溶性で、脂質と一緒に摂取すると吸収が良くなりますので、緑黄色野菜を摂取する際には「油で炒める・ドレッシングをかける」など調理を工夫しましょう。

βカロテンの過剰症、欠乏症

βカロテンは必要量に応じてビタミンAとして働きます。

ビタミンAは脂溶性ビタミンのため過剰摂取に注意しなければなりませんが、緑黄色野菜などβカロテンから摂取する場合は必要な量しかビタミンAに合成されず、過剰摂取の心配はありません。

しかし、βカロテンをサプリメントとして大量摂取すると、がんの予防に対して無効、あるいは有害になる場合もあると考えられています。

サプリメントなどから摂取する場合は、過剰摂取に注意して摂取目安量を守るようにしましょう。

カロテノイド自体の欠乏症はないとされていますが、βカロテンはビタミンAの働きをするため、しっかりと緑黄色野菜を摂取しましょう。

βカロテンの関連キーワード

緑黄色野菜

厚生労働省が2000年に策定した「健康日本21」では、野菜摂取の目標量を「1日350g以上、そのうち緑黄色野菜を120g以上」としています。

緑黄色野菜とは、「原則として可食部100g当たりカロテン含量が600g以上の野菜」という基準が厚生労働省により決められています。

例:アスパラ、いんげんまめ、オクラ、かぶの葉、カボチャ、小松菜、ししとうがらし、しそ、大根の葉、チンゲン菜、ニラ、にんじん、葉ネギ、パセリ、ブロッコリー、ほうれん草、三つ葉、モロヘイヤなど

カロテン含量が600μg未満であっても摂取量や食べる頻度が多いトマトやピーマンは、栄養指導上緑黄色野菜とされています。

指定添加物

日本では指定添加物としてβカロテン、既存添加物としてイモカロテン等が認められています。

指定添加物

・βカロテン

既存添加物

・イモカロテン:サツマイモの塊根から得られた、カロテンを主成分とするもの

・デュナリエラカロテン:デュナリエラの全藻から得られた、βカロテンを主成分とするもの

・ニンジンカロテン:ニンジンの根から得られた、カロテンを主成分とするもの

カロテンは、体内でビタミンAに変わるプロビタミンなので、栄養強化の目的で使用されることもあります。なお、βカロテンは現在化学的合成によって工業的に生産されています。

使用対象食品:バター、マーガリンなどの油脂製品や混濁系果汁飲料の着色に使われる他、めん類、菓子類、健康 食品などに使用されます。

※東京都福祉保健局より引用

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編集部

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