ゼアキサンチンの効果と摂取上の注意点について

カロテノイドの一種で、人間では網膜の視細胞が多く集まる黄斑(網膜の中心部)のみに存在します。強い抗酸化作用があり、ルテインとともに紫外線やブルーライトなどの有害な光を吸収し、目の網膜を保護します。ゼアキサンチンは加齢によって起こり得る黄斑変性症や白内障などの予防効果が期待されています。

ゼアキサンチンの性質と働き

ゼアキサンチンは600種類以上も存在しているといわれているカロテノイドの一種で、キサントフィル類に属します。主に緑黄色野菜などに含まれる橙色から黄色の色素成分です。

ゼアキサンチンは同じキサントフィル類に分類され、ルテインと共に目の健康を守り、黄斑変性症や白内障の予防効果が期待されています。

テレビ、パソコンなどから発せられるブルーライトや紫外線などの有害な光は活性酸素を発生させる要因の一つです。ゼアキサンチンは強い抗酸化作用を持ち、活性酸素を除去して、このような有害な光から目を保護する働きがあります。


ゼアキサンチンは人間では網膜の視細胞が集まる黄斑のみに存在します。

網膜は眼球の内壁を覆う膜の事で、人間の眼をカメラに例えるとフィルムにあたります。網膜には35~120ナノグラムのカロテノイド(ルテインとゼアキサンチン)が存在します。

光の刺激を神経の信号に変える働きを持ち、光や色を感知するための視細胞が存在します。

網膜の中心部で、色覚や視力の最も鋭敏な部位が黄斑で、視細胞がたくさん集まっています。黄斑が加齢により障害が生じる病気が加齢黄斑変性症です。

見ようとするところが見えにくくなったり、ものがゆがんで見える、視力の低下などがおこり、失明の原因にもなります。

関連リンク: カロテノイド | ルテイン


白内障は、目の水晶体という部分が白く濁ってくる病気です。水晶体はカメラのレンズにあたる部位で、網膜に光を届ける、ピントを合わせる働きがあります。

加齢によっておこる黄斑変性症や白内障はルテインやゼアキサンチンが不足することも原因となります。 ゼアキサンチンは体内で合成できない成分なので食品やサプリメントから意識的に摂取する必要があります。

ほうれん草やトウモロコシなどに多く含まれ、脂溶性のため脂質と共に摂取すると吸収が良くなります。

ゼアキサンチンを多く含む食品

ゼアキサンチンは、ほうれん草やパプリカ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜、トウモロコシ、パパイヤ、マンゴーなどの黄色い食材に多く含まれています。また、動物性食品では卵黄やレバーなどに含まれます。

ゼアキサンチンの摂取と食べ合わせ

厚生労働省では、現時点では摂取量は定められていません。

ゼアキサンチンは強い抗酸化作用を持ち、体内においてルテインと一緒になって紫外線やブルーライトなど有害な光から目を守る効果を発揮するため、一緒に補うことが大切です。

どちらも脂溶性のため、脂質と共に摂ると効果的です。ルテインは、ほうれん草、ブロッコリー、にんじん、カボチャなどの緑黄色野菜、卵黄、果物に多く含まれます。


ゼアキサンチンは抗酸化作用を発揮し活性酸素を除去した後は酸化してしまいますが、抗酸化作用が高いビタミンCなどの水溶性ビタミンを一緒に摂取するとその働きが戻ることが分かっています。

ゼアキサンチンを摂取することはとても大切ですが、目の健康を守るためにテレビ、パソコン、スマートフォンなど長時間見続けないなど生活を見直すことも必要です。

関連リンク: ビタミンC | ルテイン

ゼアキサンチンの過剰症、欠乏症

ゼアキサンチンの過剰摂取による副作用は認められていませんが、サプリメントなどから摂取する場合は摂取量を守りましょう。

カロテノイドの欠乏症は確認されていませんが、加齢によっておこる黄斑変性症や白内障はルテインやゼアキサンチンが不足することも原因となるのでルテインとともに不足しないようにしましょう。

関連リンク: カロテノイド | ルテイン

合わせて読みたい記事

フィトケミカル(ファイトケミカル)
カロテノイド
ルテイン




この記事を書いた人
ライフミール栄養士
ライフミール栄養士

編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。