5日2日は八十八夜 八十八夜と緑茶の栄養成分を解説!
「夏も近づく八十八夜~」という歌でもおなじみの八十八夜。なんとなくお茶摘みのイメージがあってもその由来は実はあまり知られていません。そこで、八十八夜とはどんなものなのか、緑茶の栄養素とともに解説致します。

八十八夜とは?
八十八夜は「雑節(ざっせつ)」の1つ
雑節(ざっせつ)とは日本の気候に合わせ、季節の移り変わりを把握できるように設けられたものです。八十八夜の他に、節分や彼岸(ひがん)なども雑節(ざっせつ)に含まれます。
季節の移り変わりが分かる日である為、特に農業や漁業では重要視をされる日でもあります。
立春から数えて88日目のこと
八十八夜はその名の通り、立春を1日目として88日目のことを指します。通常は5月2日が、うるう年の場合は5月1日が八十八夜にあたります。
関連ページ:立春(2017年2月4日〜2月17日)
春から夏への移行期
5月2日頃は暖かさが本格化し、気温が高い日の昼間は半袖でも過ごせる日もあります。一方朝晩はまだまだ気温が低く、地方によっては霜がおりてしまうこともあります。
このような時期を雑節(ざっせつ)として設定し、農家の人々が春夏野菜の収穫や種まきをしたり、夜は特に霜に注意をしていたとされています。
八十八夜に茶摘みをするのはなぜ?
お茶の葉の成長と大きく関係
お茶の葉は冬から春にかけてじっくりと旨み成分や栄養分を蓄えます。その為、春が終わり夏が始まる八十八夜が最もお茶の収穫に適した時期と言われています。
またお茶の葉は霜に弱い為、霜がおりる回数が少なくなってくるこの時期に収穫が行われるようになったと言われています。
実際には地域により気候が異なる為、現代では4月中旬頃から5月中旬頃に、その年の最初の茶摘みが行われているようです。その為、現在では4月中旬頃から5月中旬頃に収穫されたお茶を「新茶」と呼んでいます。
八十八夜に摘んだお茶は縁起物
現在ほど貯蔵技術が発展していなかった頃は、旬の時期に収穫したものを貯蔵しておくと品質が劣化してしまっていました。
その為、お茶に限らずその年1番に収穫された「新物(しんもの)」は栄養豊富で、体に良いとされていました。
またかつては行事をとても大切にする習慣があり、「行事である八十八夜に」「年が明けてはじめて摘んだ」お茶は縁起物であり、健康に良いとされていたのです。
お茶の含まれる栄養成分とは?
1. カテキン
お茶の渋みはカテキンというポリフェノールによるものです。ポリフェノールは、がんや老化の元となる活性酸素の発生を抑える抗酸化作用があります。
その他、カテキンには抗菌作用やコレステロールや脂肪の吸収を抑える作用があるとされています。
カテキンは太陽の光に当たることで作られます。その為カテキンを摂取したい場合は、緑茶の中でも太陽の光をさえぎらずに栽培された茶葉を使った「煎茶(せんちゃ)」や「深蒸し茶(ふかむしちゃ)」を選ぶことをおすすめします。
<関連ページ>
・カテキンの種類と効果
・ポリフェノールの種類と効果
・活性酸素、抗酸化作用について
・コレステロールについて
2. カフェイン
頭をシャキッとさせる作用や利尿作用があります。比較的若い茶葉に多く含まれているので、カフェインを摂取したい時は新茶がおすすめです。
<関連ページ>
・カフェインの栄養効果
緑茶の飲み方 ここに注意!
お茶に含まれるタンニンには鉄の吸収を妨げる作用があるので、特に貧血気味の方は食事中や食事の直後に緑茶を飲むことは避けるようにしましょう。
また、空腹時に大量に緑茶を飲むとカテキンやカフェインの作用で下痢などのトラブルになることがあります。特に胃腸の調子の悪い時や空腹時には飲まないよう注意が必要です。
<関連ページ>
・鉄の栄養効果
・カテキンの種類と効果
・カフェインの栄養効果