キチンの効果と摂取上の注意点について

キチンは甲殻類の殻やきのこに含まれる多糖類の一種で、水に溶けない不溶性食物繊維です。
血中のLDL(悪玉)コレステロールを低下させる効果があり、肥満や動脈硬化の予防、高脂血症の改善、整腸作用、免疫力の向上、がん細胞の増殖を抑えるなど多くの作用が期待されています。また、特定保健用食品など様々な分野で活用されています。

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キチンの効果と摂取上の注意点について

キチンの性質と働き

キチンはカニの甲羅やエビの殻に存在する多糖類の一種です。イカや貝類にも含まれる動物性の不溶性食物繊維で、きのこ類の細胞壁などにも含まれています。

甲殻類の殻からタンパク質やカルシウムなどの成分を取り除いたものがキチンで、キチンを利用しやすいようにアルカリ処理したものをキトサンといい、キチンより高い生理効果が確認されています。

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キチンとキトサンはグルコサミンが結合した多糖類です。食物繊維の中で唯一、分子の立体構造や酵素反応に重要な役割を果たすアミノ基を持っています。アミノ基には脂質や有害物質が結合することによって吸収を妨げ、体外に排出する作用があります。

この働きによって、コレステロールの吸収を妨げたり、胆汁酸を吸着して排出し、血中のコレステロール値を減らすため、動脈硬化や心筋梗塞を防ぎ、肥満予防の効果があるとされています。

また、高血圧の原因でもあるナトリウムや塩素を体外に排出するため、高血圧にも効果的です。

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ウイルスなどの異物を撃退するマクロファージを活性化させる効果があります。

マクロファージは白血球の一種で、生体の防御システムの役割を果たす細胞です。生体内に侵入した細菌などの異物を捕らえて細胞内で消化するとともに、それらの異物に抵抗するための免疫情報をリンパ球に伝える役割を持ちます。

マクロファージが活性化すると、体内リズムを調節して体の免疫力を向上させ、自然治癒力を高めます。また、免疫力が高まるため、がんに対しても効果があると考えられています。


コレステロールの吸収をおさえることを目的とした特定保健用食品としても利用されています。また、農業分野では土壌改良剤や成長促進剤として、医療分野では手術縫合糸など様々な分野で活用されています。

キチンを多く含む食品

カニの甲羅、エビの殻、イカの軟骨、チーズ、きのこ類などに多く含まれます。

キチンの摂取と食べ合わせ

キチンやキトサンの摂取量は定められていませんが、キトサンでは1日2g程度までとし、過剰摂取は控えましょう。


甲殻類の成分に対してアレルギー症状や過敏症が現れる可能性があるので、甲殻類の食品アレルギーの方は摂取を控えた方が良いでしょう。

また、キトサンは脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、E、Kの吸収を抑制すると考えられているので、サプリメントなどから摂取する際は注意しましょう。

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キチンの過剰症、欠乏症

過剰症や欠乏症はありませんが、食物繊維は消化されにくい成分なので胃腸の弱い方は摂りすぎに注意が必要です。

キチン、キトサンは水分を保持する作用が強いので、不溶性食物繊維のみを摂りすぎると便の水分がなくなり、かえって便秘を悪化させてしまう事があります。水分をたっぷりと摂るようにしましょう。

不溶性食物繊維の不足は便秘や痔につながります。

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キチンの関連ワード

多糖類

単糖またはその誘導体がグリコシド結合によって多数結合したものを多糖類と呼びます。

1種類の単糖のみからなるものを単純多糖類(代表的なものとしてデンプン、グリコーゲン、セルロース)といい、2種類以上の単糖からなるもの(ヘミセルロース、グルコマンナン)や糖類以外の成分を含むもの(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸)を複合多糖類と呼びます。

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また、多糖類が消化されるかにより、消化性多糖類(デンプン、グリコーゲン)と難消化性多糖類(セルロース)に分けられます。

多糖類の中でもデンプンやグリコーゲンは重要なエネルギー源として、セルロースやキチンなどは食物繊維として働きます。

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編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。