塩素

塩素は私たちの体内において主に胃液中に塩酸として含まれる必須ミネラルの1つです。胃酸の構成成分となり、消化に働く酵素の分泌促進、血液中の酸とアルカリのバランスを調節、膵液の分泌を促進するなど消化に重要な役割を果たすミネラルです。

塩素の多くは食塩(NaCl)として摂取され、漬物や醤油や味噌など食塩を多く含む食材に含まれます。ナトリウムと同じく摂取不足より過剰摂取に注意が必要なミネラルです。

塩素の働きと性質

元素記号 Cl 、原子番号 17、単体では常温で黄緑色の刺激臭のある気体です。

塩素は、漂白剤や水道水の消毒など生活に密着した場で使用されていますが、私たちの体に必要な必須ミネラルの一つで、主要ミネラルに分類されます。

塩素の多くは食塩(NaCl)として摂取され、体内では塩素は塩化物イオンとして、血液や体液の成分として存在します。

主に胃液中の胃酸に塩酸として含まれ、胃の中のpH値を整えたり、消化酵素であるペプシンを活性化して消化を促進する効果があります。膵臓(すいぞう)では膵液(すいえき)の分泌を促進を促したりと、消化に重要な役割を果たしています。

日常生活において使われるときは次亜塩素酸ナトリウムという液体として扱われることが多く、プールの殺菌にも使用されています。

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塩素の食事摂取基準

日本人の食事摂取基準(2015年版)では、塩素は食事摂取基準には定められていません。

塩素の多くは食塩(NaCl)として摂取され、摂取量の目安としてはナトリウムに準じています。食塩相当量(g/日)としては、成人男性8.0g未満、成人女性7.0g未満が目安量として定められています。加工品にも含まれるので高塩分にならないよう注意しましょう。

塩素が多く含まれる食材

塩素の多くは食塩(NaCl)として摂取され、食塩、梅干や漬物、醤油、みそなどです。加工食品にも多く含まれるので高塩分にならないよう注意しましょう。

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塩素の過剰摂取

通常は過剰摂取になっても発汗や肝臓で処理、排泄されるため心配はありませんが、塩素を含む水分を慢性的に過剰摂取すると、腸内細菌の繁殖が悪くなると言われています。

塩素は主に食塩として摂取されるため高塩分の食事により、むくみや高血圧になる事があるのでナトリウム量に注意しましょう。

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塩素の欠乏症

塩素は主に食塩として摂取されるため、通常不足することはありません。 もし、塩素が欠乏すると胃液の酸度が弱くなり消化不良や食欲低下、毛髪や歯が抜けるなどの症状が出ることがあります。

塩素の食べ合わせ

塩素は他のミネラルとともに酸・アルカリバランスの調整に働くので、色々な食材をバランス良く摂取するようにしましょう。

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塩素は食塩として摂取することになるので、減塩を心がける必要があります。しかし、塩素の欠乏は食欲低下につながるので、食欲が低下していると感じた時には、ご飯に塩や梅干しなど食塩を含む食材を少し足してあげることで食欲の回復につながります。

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水道水と塩素

塩素には強い殺菌力があり、ウィルスや細菌の感染力をなくし、殺菌する効果が期待出来ます。残留塩素とは殺菌に使われたり分解した後でも蛇口から出た水にまだその効力を保ったまま残っている塩素のことを言います。

水道水中の塩素の濃度は水道法にて0.1mg/L以上と定められています。WHOのガイドラインでは残留塩素の基準値の上限が5mg/L以下ですが、日本では1mg/L以下に定められています。

沸騰させた水や浄水器など残留塩素を除去した水は殺菌消毒効果がなくなり、菌が繁殖しやすくなるので早めに利用する必要があります。

自動製氷で氷を作る際、水道水以外を使用すると、水が塩素殺菌されていないため、給水タンクや浄水フィルタに雑菌が繁殖しやすくなります。自動製氷では水道水を使うようにしましょう。

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ライフミール栄養士
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編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。