2016年6月6日更新

硫黄(イオウ)

イオウは体内でタンパク質やアミノ酸と結合して存在する必須ミネラルの1つで、皮膚、髪の毛、骨や爪などの形成する重要な成分です。ビタミンB1やパントテン酸と結合して補酵素となり、糖質や脂質の代謝をサポートしたり、有害なミネラルの蓄積を防ぐなど多くの働きをします。
ラテン語で「燃える石」を意味する語源を持ち、食品中にはシスチンというアミノ酸として牛肉や牛乳などに多く含まれます。

イオウの性質と働き

元素記号S,原子番号16で示され、単体は無臭の黄色結晶で温泉や火山帯に産します。

イオウと聞くと温泉のイメージがありますが、人の体を構成するのに不可欠な必須ミネラルの1つで、1日に必要とされる摂取量が100mg以上である主要ミネラルに分類されます。

イオウは体内で単独で存在することはなく含硫アミノ酸(システイン、メチオニン)の成分としてタンパク質に含まれ、システインやメチオニンは、髪の毛、爪、皮膚、軟骨の材料になります。(※アミノ酸のなかでも構造中に硫黄(S)を含むものを含硫アミノ酸といい、システイン,メチオニン、シスチン、タウリンなどがあります)

イオウは、ビタミンB1やパントテン酸と結合して補酵素となります。ビタミンB1は糖質の代謝をサポートし、パントテン酸は3大栄養素のエネルギー代謝に関与するほか、血中の善玉コレステロールを増やして動脈硬化を予防する働きがあります。

関連リンク: ビタミンB1 | パントテン酸

また、イオウには解毒作用があり有害ミネラル(鉛、ヒ素、水銀、アルミニウム、ベリリウムなど)の蓄積を防止したり、肝臓の胆汁分泌を促進する作用を持ちます。殺菌、殺虫作用によってニキビ、水虫などに効果があると言われています。

イオウの食事摂取基準

日本人の食事摂取基準(2015年版)では、イオウはタンパク質に含まれているため食事摂取基準には定められていません。

イオウが多く含まれる食材

イオウは、そのままの状態で食品中に存在はしておらず、シスチンというアミノ酸に含まれています。シスチンを多く含む食品として、牛肉、羊肉、牛乳、小麦などがあります。肉類でシスチンを摂取する場合には、野菜などと組み合わせて摂取する方が効果的と言われています。

イオウの過剰摂取

イオウは普段の食生活では過剰摂取になることはありません。サプリメントの多量摂取により硫黄過剰症となり、動脈硬化、悪心、おう吐、めまい、白血球の増加などが起こることあります。

イオウの欠乏症

イオウはタンパク質に含まれる成分なのでタンパク質をしっかり摂れた食生活をしていれば欠乏することはありませんが、イオウを含むアミノ酸が欠乏すると、皮膚炎やシミ、爪がもろくなる、髪が抜けるといった症状が起こることがあります。

また、解毒作用や殺菌作用の低下によって、ニキビや水虫、肝機能の低下につながることが考えられます。

イオウの食べ合わせ

硫黄は、グルタチオンという物質を皮膚細胞内で増やし肌荒れをしにくい肌を作る効果を持つと考えられています。グルタチオンを増やすにはイオウに含まれるシスチンだけでなくグルタミン酸やグリシンも必要となります。

ホウレンソウ、ブロッコリー、玉ねぎなどに含まれるのでイオウを含む牛肉などを食べる際にはこれらの野菜と組み合わせると効果的です。

イオウの関連キーワード

グルタチオン

グルタチオンはシステイン、グルタミン酸、グリシンという3つのアミノ酸が連なった化合物のことで体内では肝臓、筋肉、角膜などに含まれます。 グルタチオンは抗酸化作用を持ち、活性酸素の増加を抑えて生活習慣病を予防するだけでなく、日焼けによってできるメラニンを抑える働きがあるといわれ、美白効果が期待できます。

食品中にはレバー、ほうれん草、ブロッコリー、酵母などに含まれ、葉酸やビタミンB6、B12の多い食品と一緒に摂取するとより効果的と言われています。

関連リンク: 葉酸 | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 酵母

グルタチオンは日本では医薬品として扱われているため、食品以外から摂取する際は医師や薬剤師に相談しましょう。

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ライフミール栄養士
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編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。