【お米の知識①】お米の種類
お米の種類、あなたは答えられますか?お米は古くから私たち日本人の食生活に欠かせない存在であり、糖質だけでなく、私たちのキレイを助けてくれる栄養価の高い食品です。これを機にお米のことについて、改めて考えてみませんか?
⒈ 種類と性状
お米の種類はイネの系統により、ジャポニカ米とインディカ米、それら両方の交雑によって生じたジャバニカ米の3つに分けられます。
<表1>
種類 | 特徴 |
---|---|
ジャポニカ米 | 短粒で粘りがあって柔らかい |
インディカ米 | 長粒で粘りが少なく硬い |
ジャバニカ米 | ジャポニカ米とインディカ米の中間 |
もちもちしているジャポニカ米と、パサパサしているインディカ米。この食味の違いは、デンプン成分のアミロースがどのくらい含まれているかの違いによるものなのです。以下でデンプン質によるお米の種類についてお話します。
⒉ うるち(粳)・もち(糯)
お米の主成分の炭水化物はデンプンを主体としていますが、このデンプンはアミロースとアミロペクチンという成分で構成され、デンプンの成分により2つに分けられます。うるち米はアミロースを含み、もち米はアミロースを含みません。
もち米はアミロースを含まない、つまりアミロペクチン100%で米粒が不透明なもの。
うるち米は、アミロースが20%、アミロペクチンが80%程度含まれ、米粒が透明、またアミロース含量が低いほどもち米に近づき粘りのある美味しいお米だとされています。
ちなみにジャポニカ米はアミロース含量17〜23%、インディカ米(タイ米)は27〜31%です。
<関連ページ>
・糖質(炭水化物)の種類と効果
・デンプンの栄養効果
⒊ 搗精(精白)
玄米から糠(ぬか)層と胚芽を取り除くことを精白(せいはく)、精米、搗精(とうせい)といいます。
この糠層と胚芽にタンパク質、脂質、食物繊維、無機質、ビタミンが多く含まれるため、玄米への関心が高まっていますが、白米に比べて消化が悪いこと、食べづらいと感じる方も多く、食生活や好みに合わせて様々な精白の度合いが選ばれています。
<表2>
種類 | 特徴 |
---|---|
玄米 | 籾殻(もみがら)だけを取り除く |
発芽玄米 | 玄米をぬるま湯に浸け、小さな芽を出させた状態の玄米 |
5分つき米 | 糠を50%取り除く |
7分つき米 | 糠を70%取り除く |
精白米 | 糠を全部取り除く |
<関連ページ>
・タンパク質について詳しく
・脂質について詳しく
・食物繊維の種類と効果
・ビタミンについて詳しく
⒋ その他のお米の種類
初めに、酒造米。こちらは日本酒を醸造する原料、主に麹米(こうじまい)として使われる米です。
続いて、有色米。古代米とも呼ばれ、黒米、赤米、緑米といった色のついた米の総称で黒米にはアントシアニンの抗酸化作用、赤米にはタンニンの血圧低下作用、緑米にはクロロフィルのコレステロール抑制作用などが期待されます。
そして最後に香り米。強い香りを持っている米で、インド・パキスタンのバスマティ、タイのカーオホームマリ(通称ジャスミンライス)が有名です。
<関連ページ>
・アントシアニンの栄養効果
・コレステロールについて詳しく
⒌ 新米と古米
明確な定義はなく、一般的に新米が出回り始めた後の前年産米を古米といい、新米は今年とれた米とされています。
しかし、古米はただ質の悪い米というわけではなく、粘り気の少ない米を好む地域、また酢飯を作る際には酢の浸透の良さから重宝されます。
ちなみに、2年前に収穫された米は古古米、そこから3年、4年と経つごとに古古古米、古古古古米と「古」の数を収穫した年から現在までの年数分呼びます。
まとめ
お米は以上のようにたくさんの分類に分けられ、食生活や好み、体調に合わせて様々な形で取り入れることができます。最近は、ごはんを食べると太るからと敬遠する人の声も聞きます。
しかしバランスよく食べればお米で太ることはないです。また、お米にはバランスのとれた良質な栄養素がたくさん含まれているので、よく噛み、優しい甘さを味わいましょう。