トマトとトマトジュースの栄養価の違いを比較!

体に良さそうな真っ赤なトマトジュース。実は生のトマトとトマトジュースでは含まれる栄養成分に違いがあるのです。そこで、トマトの栄養素の基本と、生トマト、トマトジュースの栄養素の違いについて解説致します。

トマトに多く含まれる栄養成分とは

1. 抗酸化作用を持つ「リコピン」

トマトの赤い色の元となっているのがカロテノイドの1つである「リコピン」です。

ストレスなどがあると、活性酸素という有害な物質が体内で発生するのですが、リコピンには強い抗酸化作用を持っており、この活性酸素と結びつくことで、体内の過剰な酸化を防ぐ役割があります。

活性酸素は老化やがんの原因になると言われており、リコピンなど抗酸化物質を摂ることで老化やがんの予防が期待できます。

関連ページ:リコピンについて詳しく

2. 粘膜を作る「ビタミンA」

ビタミンAは、人の粘膜を作るのを助ける働きがあります。粘膜は免疫に関与しており、不足すると風邪をひきやすくなったり、肌荒れの原因になったりします。

関連ページ:ビタミンAについて詳しく

3. 血流をよくする「ビタミンE」

ビタミンEは血流をよくする働きがあります。また、抗酸化作用も持ち、活性酸素の害から体を守る働きをしています。

関連ページ:ビタミンEについて詳しく

4. ビタミンC

ビタミンCにはコラーゲンの生成を助ける働きがあります。その為、健康的な皮膚を作るのに大切な栄養素です。また、ストレスにより必要量が高まります。

関連ページ:ビタミンC | コラーゲン

5. カリウム

血圧を上げたり、むくみの原因となったりするナトリウムの排泄を促す働きがあります。

関連ページ:カリウム | ナトリウム

トマトとトマトジュースの栄養成分比較!

生トマトM1個と、トマトジュース1缶の栄養素を比較してみました。トマトジュースはリコピンとカリウムが多く、生トマトはビタミン類が多い事がわかります。



トマトM1個(165g)トマトジュース200ml
エネルギー(kcal)3135
ビタミンA(µℊ)7454
ビタミンE(mg)1.51.4
ビタミンC(mg)24.812.4
カリウム(mg)346.5535.6
リコピン(mg)3.0〜6.016.3〜29.3


ビタミン摂取なら生トマトがおすすめ!

ビタミンは加熱によって壊れたり、水に溶け出したりしてしまうことがあります。ジュースにすると、絞る時の摩擦や殺菌工程で熱が加わってしまい、ビタミンが失われてしまうことがあります。

その為、ビタミンを摂取したいのであればトマトは生で食べる方がおすすめです。

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リコピン摂取ならトマトジュースを!

トマトにはいくつかの品種があり、ジュースなど加工をする時は、一般的に濃い赤をした品種を使います。赤が濃いということは、それだけリコピンが多く含まれているということ。

また、リコピンは加熱によって吸収が高まることもわかっています。その為、リコピンの抗酸化パワーを摂取したいのであれば、トマトジュースがおすすめです。

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トマトジュースを上手に活用!

リコピン摂取にはトマトジュースは最適ですが、それ以外の栄養素はやはり生のトマトの方が豊富。その為、トマトジュースはあくまで食事の補助として飲まれるのがおすすめです。

ただ飲むだけではもったいないという方におすすめなのが、トマトジュースを調味料として使う方法です。

例えばトマトジュースでお野菜を煮込んで汁ごといただけば、お野菜でビタミンや食物繊維、トマトジュースでリコピンを摂取することができます。また、カレーやシチューのコクだしに使うのもおすすめの方法です。



この記事を書いた人
永吉 峰子
永吉 峰子

管理栄養士

管理栄養士の資格取得後、今まで管理栄養士と接点の少ない方との懸け橋になりたいと大手小売業に入社し、店長や商品開発を担当する。 その後、より直接的に多くの方に健康に関する情報をお届けするべく独立し、執筆活動や健康相談を行っている。テーマは「身近な管理栄養士」