春分(二十四節気)の旬な食材 : 2017年3月20日〜4月3日
昼と夜が同じ長さになる春分の日は、自然をたたえ生物をいつくしむ日と定められています。春分の日の前後は先祖供養をするお彼岸で、お墓参りの際はぼた餅をお供えします。同じ食べ物ですが、秋のお彼岸には「おはぎ」と呼び名が変わります。

初候
雀始巣:すずめはじめてすくう
スズメが巣を作り始める頃です。スズメは人気がない所に巣を作り、ヒナがかえって2週間ほどで巣立ちます。秋には稲を食べるためかかしなどで追い払われますが、春先は苗の害虫を食べてくれます。童話や童謡にも多く用いられています。
次候
桜始開:さくらはじめてひらく
桜の花が咲き始める時期です。昼間はポカポカと春の陽気を感じられるようになり、いよいよ春本番です。お花見の歴史は古く、奈良時代の万葉集には桜を詠んだ歌が残されています。江戸時代にはお花見が庶民にも定着し、その後全国に桜が植えられていきました。
末候
雷乃発声:かみなりすなわちこえをはっす
遠くで雷が鳴り始める頃です。気温が少しずつ上ってくると大気が不安定になり雷雲が発生しやすくなります。この時期の雷を春雷と呼び、ヒョウを伴い作物に被害を被害が出ることもあります。
春分:旬な食材
にら

独特な香りはアリシンによるもので、身体を温める作用がある他、ビタミンB1の吸収を高めます。
また、βカロテンも豊富に含まれ、抗酸化作用が高く動脈硬化や老化を防止する働きがあります。油を使って調理すると、吸収率がアップします。
ビタミンCも多く含まれるため、風邪の予防やひきはじめに積極的に取り入れましょう。
多く含まれる栄養素:βカロテン | ビタミンC
うど

旨味成分のアスパラギン酸を多く含みます。エネルギー代謝を促し、疲労物質である乳酸を分解するため、疲労回復や体力向上の効果があります。
また、カリウムは体内の余分なナトリウムを排出し、むくみの改善や予防に効果があります。
造血ビタミンと呼ばれる葉酸は、赤血球を生成し、胎児の神経管閉鎖障害リスクを低減するため、妊娠中の女性には欠かせない栄養素です。
多く含まれる栄養素:アスパラギン酸 | カリウム | 葉酸
鯛

低脂肪高タンパクで、クセのない淡白な味わいであることから、子供から高齢者まで幅広く食することが出来ます。旨味成分であるイノシン酸は時間がたっても分解されにくく「腐っても鯛」ということわざにもなっています。
ビタミンB1を多く含み、糖質をエネルギーに変換するために使われ、疲労回復や神経機能を維持する働きがあります。
多く含まれる栄養素:ビタミンB1
アサリ

鉄を多く含みます。鉄は、ヘモグロビンの成分になり全身に酸素を運び、貧血予防に効果があります。また、赤血球の生成を助ける働きのあるビタミンB12や鉄の吸収を促進する銅も含むため、妊娠中や授乳中の女性は特に積極的に取りたい食材です。
ビタミンCは鉄の吸収を助けるので、キャベツやトマトなどと、煮汁ごと食べられるスープや炊き込みご飯などにして食べるといいでしょう。
多く含まれる栄養素:鉄 | ビタミンB12 | 銅
桜えび

丸ごと食べるためカルシウムを多く含み、骨や歯の形成をする働きがあるため骨粗鬆症の予防に効果があります。また、殻に含まれるキチンは食物繊維の一種で、コレステロールや脂肪を排出する働きがあります。
赤い色素はアスタキサンチンで、強い抗酸化作用を持ちます。体内の活性酵素を除去し、老化防止や動脈硬化を予防する働きがあります。
多く含まれる栄養素:カルシウム | キチン
関連リンク
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