カット野菜のメリット・デメリットとは?疑問を徹底解説!

最近スーパーなどでも種類が増えてきたカット野菜。便利ですが、栄養はあるの?安全性は?など疑問に思われている方もいるのではないでしょうか?

そこで、カット野菜の栄養、使われている添加物、メリット・デメリットについて解説致します。

疑問① カット野菜って栄養はあるの?

1. 水に溶ける栄養素は失われるがゼロではない。

野菜に含まれている栄養素は主に、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ミネラル、食物繊維です。カット野菜は製造過程で消毒する為、水に漬けたり、洗ったりする工程があります。その為、水溶性ビタミンなど水に溶ける栄養素は、野菜そのものよりも少なくなります。

但し水溶性の栄養素がゼロになるわけではありません。代表的な水溶性ビタミンであるビタミンCで比較すると、カット野菜のビタミンC含有量は野菜そのもののおよそ7割という実験結果もあります。(*1)

(*1) 参照:カットキャベツの実験結果について(表5、表6)

関連ページ:食物繊維について | ミネラルについて | ビタミンCについて

2. 食物繊維、脂溶性ビタミンは守られる

カット野菜では、水につける工程が栄養素に影響します。その為、油にとける脂溶性ビタミンや食物繊維は野菜そのものと同じ量が含まれると考えられます。

疑問②「次亜塩素酸ナトリウム」について

1. 次亜塩素酸ナトリウムって何?

次亜塩素酸ナトリウムは、主に生野菜の殺菌に使われている食品添加物です。食品には元々様々な細菌が付着しています。その為、食品を加工する際はある一定の加熱を行って殺菌し、食中毒が起こらないようにしています。

しかし、カット野菜やサラダなどでは加熱をすることができません。そこで、殺菌効果が実証された次亜塩素酸ナトリウムなどを使い、食中毒が起こらないようにしています。

関連ページ:食品添加物について

2. 次亜塩素酸ナトリウムって安全なの?

次亜塩素酸ナトリウムに限らず、食品添加物については様々な危険性を指摘する意見があります。

しかし、安全性が担保されていないものはそもそも食品添加物として使うことはできません。また使用量も、通常の摂取量では健康被害がでないよう規定されています。

3. 次亜塩素酸ナトリウムがパッケージに記載されていないのは何故?

次亜塩素酸ナトリウムはカット野菜の製造工程で使われる、一般的な食品添加物です。しかし、パッケージにはあまり記載がありません。

これは、次亜塩素酸ナトリウムは製造の過程で洗い流されており、商品に残留していない為。少しわかりにくいですが、最終製品に残らないものは、パッケージに記載しなくてもよいルールになっているのです。

疑問③ カット野菜が変色しないのは何故?

1. 徹底した温度管理

カット野菜は売り場ではあまり変色しておらず、そのことがカット野菜は危険と言われる一因にもなっているようです。

カット野菜が変色しない要因の1つは温度管理です。低温で管理することで、変色の元となる酵素を働きにくくしているのです。

2. パッケージで酸素を遮断

変色を起こす酵素は、酸素がないと働くことができません。カット野菜はパッケージで密閉されているので、酸素が遮断され変色せずに保管ができます。

3. 補助的に食品添加物を使うことも…

変色を防ぐ食品添加物は補助的に使われます。主に使われているのは、PH調整剤。これは、酵素の働きにくいPHに食品を調整することで、変色や腐敗を防ぐ働きをしています。

またカット野菜や生鮮品に対し、色がよく見えるような食品添加物の使用は、消費者をだますものになるので認められていません。(*2)


(*2) 参考:着色料における野菜への禁止について(東京都福祉保健局)

<引用>
ただし、鮮魚介類や食肉、野菜類に着色料を使用することは禁じられています。これら生鮮食品等に着色料を使用することは、その品質、鮮度等に関して消費者の判断を誤らせるおそれがあり、添加物本来の目的に反するからです。

疑問④ カット野菜のデメリットとは?

カット野菜はℊ当たりの価格で計算するとやはり生の野菜よりも割高です。また、次亜塩素酸ナトリウムの匂いが気になるという方もいらっしゃいます。

添加物の味に加え、カットしてから時間が立っているので、水分が蒸発してしまうので味も野菜そのものよりは劣ってしまうでしょう。

疑問⑤ カット野菜のメリットとは?

カット野菜は、すぐに使うことができて時短につながり、ごみが少ないメリットがあります。また、一部失われる栄養素もあるものの、野菜の栄養を摂取することができます。

特に一人暮らしの方は、色々な野菜を摂取することは難しく、食生活が乱れがちになってしまいます。カット野菜ならば、数種類の野菜の栄養を簡単に無駄なく摂取できるので、おすすめです。

まとめ

カット野菜は簡単に野菜を摂取できるメリットがありますが、栄養では生の野菜には劣ります。

その為、例えばミニトマトなど洗うだけで食べられる野菜や、果物などと組み合わせて食べるのがおすすめです。また、時間がある時は野菜そのものを使うとよいでしょう。

日本人には野菜が不足していると言われています。ご自身の状況に合わせて必要であれば、カット野菜をも上手に組み合わせ、野菜を摂取していきましょう。



この記事を書いた人
永吉 峰子
永吉 峰子

管理栄養士

管理栄養士の資格取得後、今まで管理栄養士と接点の少ない方との懸け橋になりたいと大手小売業に入社し、店長や商品開発を担当する。 その後、より直接的に多くの方に健康に関する情報をお届けするべく独立し、執筆活動や健康相談を行っている。テーマは「身近な管理栄養士」