グルコマンナンの効果と摂取上の注意点について
こんにゃくの主成分である水溶性の食物繊維で、胃や腸で水分を含んで粘りの強い状態となる性質があるので、食べたものが消化管内をゆっくり進み、糖の吸収を遅らせることができます。
また、グルコマンナンには血糖値の上昇を抑え、コレステロールを低減させる働きもあるので、糖尿病や脂質異常症の予防効果があります。

グルコマンナンの性質と働き
グルコマンナンは水溶性の食物繊維で、糖質であるグルコースとマンノースから構成される多糖類であることからグルコマンナンと呼ばれます。
別名は、こんにゃくの主成分であることからコンニャクマンナンとも言われ、こんにゃく芋中に約10%含まれています。
関連ページ:食物繊維について | 糖質について
水を吸水しやすい性質があり吸水すると、かさが増して粘り気が出るため胃の中で膨らみ、満腹感を得ることができるのでダイエット食品にも利用されています。
グルコマンナンは消化されず、そのまま腸に達してドロドロに溶け、腸内の老廃物や有害物質を吸収し、全てを排出してくれる働きがあります。
腸内環境を整えてくれるため便通を促し、便秘の解消に効果があると言われています。
また、グルコマンナンは糖尿病や脂質異常症など生活習慣病の予防にも役立ちます。
食事をした後、吸収されたブドウ糖が血液の中に入って血糖値が上がりますが、インスリンが分泌されることによって血糖値は下がっていきます。
しかし、糖尿病ではインスリン作用の不足によって高血糖状態となります。グルコマンナンは血糖値の上昇を抑制する働きがあるため、糖尿病の予防に効果があると考えられています。
また、グルコマンナンの摂取によって血中コレステロールや中性脂肪を低減するとの報告もあり、脂質異常症の予防にもつながります。
関連ページ:ブドウ糖について | コレステロールについて詳しく
グルコマンナンを多く含む食品
こんにゃくに多く含まれます。
グルコマンナンの摂取と食べ合わせ
グルコマンナンの摂取量は定められていませんが、食前に食べると満腹感が得られ、食べ過ぎ防止に役立ちます。
グルコマンナンの過剰症、欠乏症
過剰摂取は下痢などの胃腸の不調を起こす事があるので、胃腸に弱い方は注意しましょう。
水溶性食物繊維は1gあたり2kcalのエネルギーを持つと考えられています。低エネルギー食品ですが摂りすぎると他の栄養素の吸収まで阻害される恐れがあるので摂りすぎないようにしましょう。
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こんにゃくの栄養
こんにゃくは、こんにゃく芋というサトイモ科の植物の球根から作られます。
こんにゃく芋をすりつぶしたものや、乾燥させて粉状にしたものを水に溶かし、
水酸化カルシウムを加えると、固まってぷるぷるとしたこんにゃく特有の食感になります。
こんにゃくは約97%が水分で、ほとんどエネルギーがなく、主成分にグルコマンナンが含まれているのが特徴です。また、カルシウムやカリウム、鉄などのミネラルも含まれています。
<関連ページ>
・カルシウムについて
・カリウムについて
・鉄について
・ミネラルについて