もしもの時に!栄養士が伝えたい「備えておきたい水と食料」(1)

日本では、毎年といってよいほど大きな地震がおきています。また、それ以外にも台風や集中豪雨など、数々の災害がありいつ自分の身の回りに起こるかわかりません。「災害は忘れた頃にやってくる」とよく言われますが、そんな「もしも」の時に備えて、準備しておくと良い「水」と「食料」を、栄養士の目線からお伝えしたいと思います。


備えておきたい「水」

「生命維持のための333の法則」というのがありますが、これは「空気なし3分」「水なし3日」「食料なし3週間」で、人は生きていくのが困難になるという法則です。この法則に沿うと、空気の次になくてはならないものが「水」です。

まずは、この水について詳しくご説明します。

体内水分量の割合と体重1㎏あたりの必要水分量

体内を占める水分量の割合 体重1Kgあたりの必要水分量
乳幼児75%120ml
子ども70%100ml
成人60% 50ml
老人50% 40ml

1日に必要な水分量は、【体重×体重1Kgあたりの必要水分量】が目安となります

上の表からもわかるように成人50㎏の場合、約1日2.5ℓの水が必要になります。救助や支援物資が届くまでの間、飲料水として3日分。この場合1人約7.5ℓの備蓄が必要となります。

関連リンク: 水(みず)

栄養士からの「水」のアドバイス

このように飲み水としての「飲料水」は生きていくうえで最も必要なものです。この飲み水にトイレや入浴など衛生のために生活用水としてプラスした水を準備しておく必要がありますが、ここではお茶や野菜ジュース、スポーツ飲料水、レトルトカレーやおかゆなどにも含まれる「水分」を中心にお伝えします。

体に吸収が良い飲料水とは

人の体にとっては大事な水分ですが、甘すぎる飲料水や塩分の多い食品はかえって余分な飲み物が欲しくなります。

また、汗をかいた時には水分とともに、塩分も必要となります。もし災害時に清涼飲料水を合わせて準備する場合には、甘さの少ないナトリウムや電解質のバランスが良いドリンクをお勧めします。

市販のスポーツドリンクは、砂糖の量が多いので自分で作ってみるのはいかがでしょうか?

作り方は簡単です。2ℓの水に塩小さじ1と砂糖大さじ5~8を加えるだけ。

これで、水分の吸収が通常の水よりもよくなります。水と一緒に、梅干しなどを用意しておくのも一つの方法です。梅干しは、調味料にも水の中に入れて塩分補給にも役立ちます。保存も聞くので非常食として用意しておくのに便利です。

関連リンク: ナトリウム

野菜不足は粉タイプの緑黄色野菜で!

災害の救援物資だけでは、どうしても野菜不足になりがちです。そのため野菜不足を解消するために、青汁などの粉末タイプの栄養補助食品があると便利です。

粉末だと保存期間が長く、水を加えるだけで手軽に作れて中に含まれるカリウムが取りすぎた塩分を上手に排出してくれる役割を持っています。

味に好みがあると思うので、事前にお口に合うタイプのものをご用意ください。

関連リンク: カリウム

寒さ対策に水分が多いレトルトパウチ包装の食品を!

余裕があれば寒さ対策も含めて、レトルトパウチ包装されたスープやおかゆ、カレー、シチューなどがおすすめです。

災害が長く続いた時には、冷たく水分の少ないパンやおにぎりでは、体が冷えてしまい体力を消耗してしまいます。水や火が通常通り使えなくても、このレトルトパウチ加工された食品なら、汚れた水や海水で、中に水が入ることなく温めることができます。

レトルトパウチ加工は、食品を充てんし密封した後、120℃で4分相当以上の加熱処理を行っているので中の食品も安全に保存されています。ただし、容器は缶詰よりも衝撃に弱いので保管方法に気を付けてください。

次回は「食料編」についてお送りします。


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ライフミール栄養士
ライフミール栄養士

編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。