インフルエンザ対策の食事と栄養

毎年、冬場の乾燥した時期になると流行するインフルエンザ。今年は特に、猛威をふるっています。

この時期インフルエンザを予防する体づくりに必要な栄養と、かかった時の食事と栄養を、夫でもある総合内科医の監修のもとお伝えします。

インフルエンザ対策の食事と栄養

インフルエンザかな?と思ったらまず病院で受診を

主に冬に発症するインフルエンザは、ウイルスによる飛沫感染症(くしゃみや咳、接触などから鼻・口・喉の粘膜から感染する)です。

主な症状は発熱、のどの痛み、咳、息切れ、胸の痛み、全身の倦怠感、筋肉・関節痛等の症状があります。

治療の経過や管理の状態、また持病があると重症化するリスクが高いので、このような症状がある場合は、早めに病院で受診してもらいましょう。


またインフルエンザには、ワクチンがありますが、ワクチンを接種していると比較的症状は軽くなりますが感染しないとは限りません。疑わしい時はやはり病院できちんと検査を受けましょう。

国の定める感染予防法でインフルエンザに感染すると、学校や会社は休むように決められています。感染したら、熱が下がっても咳やくしゃみなどの症状がある場合は病院で受診し、治ったかどうかを判断してから登校、出社をしましょう。

インフルエンザに感染した時の食事

インフルエンザに感染すると、熱や吐き気の症状があり食欲もなくなります。無理せずに食べられる物を口にしましょう。

特に食欲がなくても発熱により、脱水症状になりやすいのでこまめな水分補給は心がけましょう。

水分は、塩分が適度に含まれているスポーツ飲料や、ミネラルも含みカフェインの少ない麦茶やハーブティー、ビタミンの多い野菜や果物のジュース、体を温めタンパク質も補えるみそ汁やスープ類などがお勧めです。

<関連ページ>
ミネラルについて
カフェインについて
ビタミンについて
タンパク質について


またのどの痛みの症状があると飲み込むのがつらいので、ゼリータイプの物やとろみの付いたタイプの飲料をお勧めします。

症状に吐き気や胃の痛みなどがあると、酸味の強いものは負担がかかります。果物なら柑橘類よりもリンゴなどが胃に負担がかかりません。

熱がある時は、食欲もなくなるので無理に食べるよりもこまめに水分補給をしながら回復を待ちます。そして、食欲が出てきたら消化の良いおかゆや、鍋、汁物から進めましょう。


また、症状がなくなり食欲が戻っても、体の抵抗力は落ちているので他の感染症にかからないためにも、生ものはしばらく避けたほうがよいでしょう。

乳幼児が感染した時の食事

乳幼児が、インフルエンザに感染した場合、大人よりも体の水分量が多いため、脱水症状が心配されます。水分補給は特に大切です。母乳やミルクを嫌がる場合には、薄めた果汁や白湯を与えて水分補給をしましょう。

吐き気があるときは、いっぺんに水分を与えず1匙ずつゆっくりと様子を見ながら与えます。


また離乳食が始まっている時は、無理に進めずいったんお休みして、負担のないように母乳やミルクを与えてかまいません。

症状が治まっても、すぐに離乳食を進めるのでなく一つ前の固さや慣れた食材から始め、様子をみましょう。

関連ページ:乳幼児期の食生活で気をつけたい栄養について

高齢者が感染した時の食事

高齢者の場合、糖尿病や高血圧等の持病のある方も多く、インフルエンザ等の感染症にかかると重症化する恐れがあります。症状によりかかりつけの医師に相談し、安静を保ちながら食事はできる時に行います。

水分は、ミネラル分の多いスポーツ飲料や果物・野菜ジュース、みそ汁やスープ等で補うのは一緒ですが、高齢者の場合、特に誤飲を防ぐために姿勢を起こして、ゼリーや葛などでとろみのあるものを利用し、飲み込みやすい形で摂りましょう。

そして、エネルギーや不足しがちな栄養素を補ってくれる健康補助食品も豊富にあるので上手に利用しましょう。

関連ページ:高齢者の食生活で気をつけたい栄養について

家族内感染を防ぐために食事や調理で気つけること

家族がインフルエンザ感染した時は、妊娠中の方、抵抗力の弱いお子様やお年寄りは、なるべく患者さんと別の部屋で過ごしてください。

そして、看護の際は、感染者も家族もマスクを着用しましょう。

インフルエンザ等の感染症で、家族内の感染を防ぐため、特に気を付ける点

*調理者が感染した時は、調理はさけ安静に休むようにしましょう。

*食品を扱う際には、消毒を十分に行いこまめに手洗いしましょう。

*感染者とはなるべく接触を避け食事の際は、部屋を別にする・時間帯をずらす等工夫しましょう。

*感染者が利用したタオル・食器類は、他の家族と別にして洗うようにしましょう。

最後に…

インフルエンザは感染力が強く、抵抗力がないとすぐに罹ってしまいます。日頃から免疫力をつけるバランスの良い食事を心がけましょう。

特に、インフルエンザ対策としては、ビタミンやミネラルの豊富な食品を利用し、体を作るタンパク質、腸内細菌を増やす発酵食品を積極的に摂りましょう。

過度なダイエットや睡眠不足も体の抵抗力が落ちます。規則正しい食生活を送りましょう。



この記事を書いた人
松下 和代
松下 和代

栄養士・調理師・保育士・食品アドバイザー

食事は、「心のこもった温かい手で」をモットーに、栄養士取得後、包丁とギターを抱えて、児童養護施設に住み込みで働く。さらに、栄養士として実績をつむために、ミルク会社のメールマガジンの編集・栄養・保育の相談を担当して、栄養相談の実績をつむ。三人の子のママ。