2016年7月10日更新

「65歳以上の食生活」で気をつけたい栄養のこと

記憶力の低下や軽い動脈硬化など老化による機能低下に加え、個々で発症した疾病を有していることが多く、嚥下(えんげ)障害や骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などさらなる病的老化も進む可能性もあります。食欲不振になることも多いため、楽しくおいしい食事になるように工夫をし、しっかりと栄養をとりましょう。

「65歳以上の食生活」で気をつけたい栄養のこと

65歳以上の食事概要

ポイント1身体状態や活動レベルにあった食事をとる
ポイント2消化能力が低下するため消化しやすいものをとる
ポイント3咀嚼(そしゃく)能力が低下するため調理上で工夫をする

1日に必要なエネルギー65~69歳:男2450Kcal、女1900Kcal
70歳以上:男2200Kcal、女1750Kcal
摂取したい栄養素良質なタンパク質、食物繊維、カルシウム
注意・避けたい食物便秘になりやすいため食物繊維と水分を十分にとる。
水分の摂取量が少なくなり水分不足になりがちなので、定期的に水分を摂取するようにする。

関連リンク: タンパク質 | 食物繊維 | カルシウム | 水(みず)

摂取したい栄養素

筋組織の減少により必要なエネルギーは減少していきますが、この時期は、食生活状況や健康状態、活動のレベルなど個人差が大きく、必要なエネルギーは個々によって異なります。身体活動レベルを確認し、エネルギーの過不足がないようにしましょう。

 高齢に伴い、臓器の細胞数が減少し機能が低下するため様々な変化が現れます。胃粘膜や胃腺の萎縮が起き胃酸の分泌が低下するため、タンパク質の消化能力が低下します。

また、消化液の分泌も遅らせるため食欲不振になることも多いのが特徴です。卵、牛乳、大豆製品(納豆、豆腐など)、鶏胸肉、鮭、イワシなど消化しやすい良質なタンパク質を取るようにしましょう。

関連リンク: タンパク質

さらに、大腸の運動機能も年齢とともに低下し、便秘になりやすくなります。穀類、きのこ類、いも類、豆類など食物繊維を多く含む食品を積極的に食べ、十分な水分を摂取し、適度な運動をすることで便秘の解消につながります。

関連リンク: 食物繊維 | 便秘の食事対策

また、古い骨を壊す骨吸収と新たに骨をつくる骨形成のバランスが崩れ、骨量が減少することで骨粗鬆症になりやすくなります。カルシウムの吸収効率も悪くなり、特に女性は閉経後骨量がホルモンの影響で減少しやすくなるため注意しましょう。

男性は700mg/日、女性は650mg/日が推奨量とされています。牛乳(コップ1杯200mlあたり約220mg)やヨーグルト(1個100gあたり120mg)はカルシウムの吸収率が良いので積極的に食事に取り入れましょう。

その他、小魚、大豆製品、海藻類などにも含まれます。

関連リンク: カルシウム

楽しい食事に

歯の欠損や義歯の使用によって咀嚼能力や味覚、温感が低下しやすくなります。また、唾液腺が萎縮し唾液の分泌量が少なくなるため食べ物を飲み込みにくくなったり、疾病によって嚥下障害を起こす場合もあります。

個々の咀嚼、嚥下(えんげ)能力に合わせて以下の調理法を取り入れてみましょう。

・片栗粉などでとろみをつける、切れ目や隠し包丁を入れる、ミンチを使用するなどして飲み込みやすくする。

・食品によって切り方を変え食べやすい大きさにする。

・料理は適温にし、持ちやすい食器を選ぶ。

・ゆず、れもん、三つ葉、しそなどを用いて薄味を心がける。


また、飲み込むことが苦痛になったり、うまく飲み込めないと食事への関心がなくなり食欲がなくなってしまいます。

色彩を生かしきれいな盛り付けにする、外食や友人家族とともに食卓を囲む、身体を適度に動かして空腹感が出るようにするなどして食事が楽しくなる工夫をしましょう。

水分不足に注意

一般に、水分や食物の摂取量が少なくなり、喉の渇きも感じにくくなります。自覚症状がないまま、脱水や浮腫になりやすいので、定期的に水やお茶を飲む習慣をつけるようにしましょう。

また、食事量が減ると食事から摂取できていた水分が取れなくなってしまうため、食事にスープや味噌汁を取り入れたり、間食にゼリーや果物ジュースを飲むなどして意識的に水分を取るようにするといいでしょう。

関連リンク: 水(みず)



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ライフミール栄養士
ライフミール栄養士

編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。