便秘の食事対策
多くの女性が悩みの種としている便秘は、生活習慣やストレスなどで発症し、重症化すると激しい腹痛や吐き気などの様々な症状を起こすこともあります。便秘の種類にあった食事ですっきり解決させましょう。
便秘の症状
便秘は、排便の回数や排便量が減り、残便感や苦痛を伴うことをいい、便の水分が少なく硬い状態をいい、
一般的に便秘と呼ばれるのは「機能性便秘」を指し、機能性便秘は「一過性便秘」と「習慣性便秘」に分けられます。
一過性便秘とは、環境や食事の変化、ストレスなどの緊張状態が原因で、原因を取り除けば改善されます。
習慣性便秘は、さらに弛緩性便秘と痙攣性便秘に分類されます。
弛緩性便秘は、腸のぜん動運動が弱くなり、便の通過に時間がかかるため水分が過剰に吸収される状態で、女性や高齢者に多いのが特徴です。
痙攣性便秘は、自律神経の乱れなどにより、腸のぜん動運動が異常に高まり、大腸が痙攣したような状態になるため、便が通る場所が細くなり肛門とは逆の方向に戻る状態です。そのため、コロコロした便や細い便になりやすく残便感があります。便秘と下痢を繰り返す特徴があり、若者に多いと言われています。
便秘の原因
食生活の乱れ
第一にあげられるのは水分不足です。水を飲む量が少なかったり、発汗が多いと体内の水分が少なくなり、便が硬くなってしまいます。また、食物繊維不足だと便の量が増えにくく、ぜん動運動が弱まってしまいます。さらに、高齢者や若い女性はそもそも食事量が少ないことが原因となることもあります。
腸内環境の乱れ
ファストフードや外食が続くと食品添加物を過剰に摂取することになり、腸内の善玉菌が減り、悪玉菌が増加します。悪玉菌が増えると腸のぜん動運動が妨げられてしまいます。また、睡眠不足や食事リズムの乱れなども悪玉菌を増やす原因となります。
便意の我慢
便意を我慢することが習慣化してしまうと、便意を脳に伝える刺激が届かなくなってしまいます。
長期のストレスや自律神経の乱れ
交感神経、副交感神経のバランスが崩れ、腸の活動が弱くなります。
運動不足
身体を動かすことによって、腸の動きは活性化されます。特に腹筋が低下していると便秘になりやすく、一般的に女性や高齢者に便秘が多い一因とも言われています。
便秘の対策
水分をたっぷり取りましょう
水分を多く摂ることで便がやわらかくなり排便しやすくなります、成人の1日の目安は1500mlです。また、朝起きがけに冷たい水や牛乳を飲むと腸が刺激され、腸の運動が活発になります。
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善玉菌を増やしましょう
腸内環境を整えてくれる善玉菌を増やし、善玉菌が優勢になるようにしましょう。
善玉菌は発酵食品に多く含まれるので、ヨーグルト、納豆、チーズ、味噌、漬物などを積極的に取り入れましょう。
関連リンク: 乳酸菌
弛緩性便秘と痙攣性便秘は症状としては同じですが、腸のぜん動運動の動きが異なるため、それぞれにあった食事をとることが重要です。
弛緩性便秘
主食・副菜
不溶性食物繊維は、消化吸収されず便の量を増やすことで、腸を刺激してぜん動運動を促してくれます。不溶性食物繊維だけを摂り過ぎていると、腸内にガスが溜まりすぎてしまったり、便がかたくなってしまうことがあるので、水溶性食物繊維と組み合わせて取るようにしましょう。
不溶性食物繊維の多い食品:玄米、胚芽米、納豆、根菜(ごぼう、人参など)、きのこ類
水溶性食物繊維は、腸内でゲル化し便を水分で包み込んでスムーズに送り出し、さらに善玉菌のエサとなって腸内環境を改善してくれます。
水溶性食物繊維が多い食品:海藻(こんぶ、わかめ、ひじき)、りんご、こんにゃく、オクラなど
調理法
サラダなど冷たい料理は腸を冷やしてしまい、腸の動きを低下させてしまうため、茹でる、焼く、蒸す、煮るなど火を通して温かい状態で食べるといいでしょう。
その他注意点
適度の脂肪は便のすべりを良くするために必要です。ダイエットなどで油分を極端に制限しないように注意しましょう。
痙攣性便秘
副菜
水に溶けやすく刺激が少ない水溶性食物繊維をとりましょう。
水溶性食物繊維が多い食品:海藻(こんぶ、わかめ)、りんご、こんにゃくなど
調理法
腸に刺激を与えないように、やわらかく煮て薄味を心がけましょう。
その他注意点
香辛料、酸味が強いもの、アルコール、炭酸飲料など刺激のある食品は避けましょう。