赤ちゃんは手づかみで食べていいの?スプーンやフォークを始めるタイミング

離乳食も一日3回になり、だいぶ慣れてくる時期から「手づかみ食べ」が始まります。 離乳食が始まって慣れてきた時期に「赤ちゃんが手づかみで食べるようになったらどんな対応をしたらよいのか?」「スプーンやフォークを使うタイミングは?」といったお悩みを抱えるママがいますが、今回はこの時期の赤ちゃんに向いているメニューなども合わせてお伝えします。

子どもの「手づかみ食べ」はなぜ良いのか

自ら食べ物を口に入れるというのは、その子の大切な意欲なのです。

口を「あーん」と開けて食べ物を待っているのは、決して主体的ではありませんよね。「食べることは生きること」と言われるように、食と向き合う姿勢はその子の生き方に反映されます。だからこそ意欲を削ぐ「汚しちゃダメよ」だはなくて「自分で食べて偉いね」と声をかけてあげたいものです。

手の指は突き出た大脳と言われるくらい、脳の発達に大切な部分です。
最初は、全部の指を使ってギュッと握るように食材を持ち、それが食材というデリケートな物を「手づかみ食べ」する中で、どんどん指の機能が発達して、親指と人差し指や中指を使って食材をつまめるようになっていきます。

こうして感覚器官が発達すれば、問題なくスプーンもお箸も使えるようになってくるのです。


離乳食が進み自我が芽生える2歳頃、今までと大きく違うのは赤ちゃんが意欲を持って手でつかんだり、フォークやスプーンを持ったりすること。

この時期は、赤ちゃんがつまむ、つかむ等の末端の細かい動きもできるようになってくるので、手を使ってご飯を食べるのはOKです。

手づかみは、自分で食べたい意思の表れです。その時期に、無理に「手づかみ食べ」をやめさせるのではなく、食べることを楽しいと思わせるようにしてください。

フォークやスプーンを使うタイミング

離乳食に慣れた7~8か月頃から赤ちゃんは、なんでも自分で確認したがります。さらに月齢が進み2歳頃には、自我も芽生えもはっきりしてきます。

この時期を通過することにより、自分の手で食べ物を食べられるようになり一口量も学習します。ですから、この時期の赤ちゃんの「自活性」や「自主性」を育てていく中で、適量を食べることも学習できる「手づかみ食べ」は大切です。

フォークやスプーンは「手づかみ食べ」から徐々に移行していきます。はじめは、フォークに食べ物を少し挿して赤ちゃんに渡します。

ニンジンやジャガイモなどの野菜を一口サイズにして、自分でさせる形の離乳食を用意すると良いでしょう。

上手にフォークがさせるようになると、スプーンですくうこともできるようになってきます。

最初は、先がとがっているからとスプーンを使わせる方もいらっしゃいますが、赤ちゃんにとっては「スプーンですくって口に運ぶ」行為の方が難しいので、最初はフォークから、そしてスプーンへと進んでいきましょう。


スプーンの場合は、おかゆなど粘り気のあるものを、のせて持たせると上手くいきます。

途中で、口に入る前に、落っことしてしまうことを繰り返すと、この時期の赤ちゃんは上手く食べられないことへのストレスで、食事が苦手になってしまいます。

「〇か月だからフォーク」という形ではなく時期にこだわらずに、その子の発達に合わせて多くの成功体験を増やしてあげるように「手づかみ」「フォーク」「スプーン」と手伝いながら、食事が楽しくなるようにしましょう。

遊び食べをやめさせるタイミング

「手づかみ食べ」と違って、食べ物で「遊び食べ」を始めた場合は、区切りもってやめさせましょう。


「遊び食べ」は、子どもの発達過程においてみられる自然な姿ですが、対応を間違えると、長引かせます。

例えば、家族や周囲のものが別のことをしていて、子ども一人に食べさせていると、気が散って食事に集中できなくなります。

子どもが食事と遊びの時間の違いを確認できるようになる為にも、食事時間には揃って食卓を囲むようにしましょう。

子どもの気持ちをくみ取りながらも、けじめのある生活を心がけることが大切です。

まとめ

赤ちゃんの発達過程で「手づかみ食べ」が大切な行為だったのは、理解いただけたでしょうか?

そこから、フォーク、スプーンと進みお箸も上手に使えるようになってきます。自立して食べたい気持ちの表れの「手づかみ食べ」から、食べ物で遊び始める「遊び食べ」に変わった場合は、すぐに切り替える工夫も大切ですね。

次回は、そのような「遊び食べ」について、もう少し詳しくご紹介します。

この記事を書いた人
松下 和代
松下 和代

栄養士・調理師・保育士・食品アドバイザー

食事は、「心のこもった温かい手で」をモットーに、栄養士取得後、包丁とギターを抱えて、児童養護施設に住み込みで働く。さらに、栄養士として実績をつむために、ミルク会社のメールマガジンの編集・栄養・保育の相談を担当して、栄養相談の実績をつむ。三人の子のママ。

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