離乳食スタート!基本と進め方を覚えよう

赤ちゃんの健診で「そろそろ離乳食をはじめましょう」と言われたものの、いざ始めるとなると戸惑うことも多いと思います。今回は、離乳食の基本と進め方をお伝えします。

離乳食ってどんな食?

離乳食は、赤ちゃんが母乳やミルクなどの乳汁栄養から少しづつ固いのものから栄養をとり、ゆくゆくは大人と同じように食事を食べられるように練習していくことです。 赤ちゃんの消化機能や舌や口の動きも未熟です。そのため、徐々に成長に合わせて離乳食をすすめていきます。

離乳食のすすめる時期

離乳食は、赤ちゃんの発達に合わせて生後5~6か月に始まります。4つの段階に分けて1歳半頃に完了します。

・はじめの少しとろみのあるものをゴックンとのむ時期(5~6か月)
・上下に舌を動かして舌でつぶしてモグモグ食べる時期(7~8か月)
・生え始めた歯と、上下左右に動くようになった舌を使って、歯と歯ぐきでカミカミつぶして食べる時期(9~11か月)
・食事が3食になり、口が上手に動かせパクパク食べる時期(1~1歳半)
・時期の月齢の目安はありますが、個人差もあるのであまりとらわれずに、又、赤ちゃんの体調や調子に合わせて、少し遅らせてみたり、早めたりしながら進めていきます。

離乳食の役割とは

かむ力・のみこむ力・消化吸収できる力をつける

舌やあごの発達が未熟な赤ちゃんは、噛むや飲み込む力がありません。

月齢が上がっていく中で徐々に、練習して噛む力・飲み込む力を育てていきます。

この時期の離乳食で「よく噛んで食べる」習慣をつけると、後々の肥満を防ぐ食生活にも良い影響していきます。また、未熟な消化器官を少しずつ慣らして、消化吸収の力も養っていく役割があります。

味覚を育てる

母乳やミルクには、ほのかな甘さと旨味があって赤ちゃんの安心を誘う味です。この他にも味には、酸味、辛味、苦みという基本的な味があります。母乳やミルク以外の味を知ることで、食の楽しさを感じたり、危険な味を見分けることにも役立っていきます。

エネルギーや栄養を補う

離乳食の始まる5か月を過ぎた頃から、赤ちゃんはお母さんのおっぱいの栄養素だけでは足りなくなってきます。

母乳に含まれるたんぱく質、カルシウムなどがだんだん少なくなってきてしまうからです。そのため、赤ちゃんの成長のために、母乳以外の食事から栄養素をとっていくことが大切になってきます。

食事習慣をつける

人が人らしくあるためには、食事を調理しお皿に盛り付け、バランスよく食事をしていく習慣を身につけなければいけません。

その為に、母乳を欲しがる時にのみたいだけ与える形から、正しい生活リズムを整えていく食習慣が大切です。そのために、離乳食では母乳やミルクから3食と間食2回の食事とスプーンやフォーク、お箸を使って食べられるように練習していく必要があります。

食べる意欲・好奇心を育てる

「好奇心をもって食事を意欲的に食べる」という行為は、健やかに生きていくうえで大切な心です。

離乳食が始まって「自分で食べたい」という意思が現れてくることは自立へのスタートでもあります。

食事に関心があるかどうかには、個人差もあると思いますが、母乳やミルクだけでなく、色々な食事の食感や香り、味を経験し豊かな心を育てていきましょう

離乳食で気をつけること

離乳食を進めるにあたって気をつけることをまとめてみました。

栄養素をバランスよく

体が急激に発達する乳幼児期は、多くの栄養素が必要になってきます。

離乳食が進み完了期になる頃には、食事も栄養バランスが整った食生活にしたいものです。

そのため食材の栄養素の特徴を理解して、上手に組み合わせていきます。


バランスは、3つの食品群から1種類以上を摂るよう心がけましょう。

・力となるエネルギー源である「ごはん・パン・麺・バナナ・ジャガイモ」などの炭水化物
・血や肉をつくる「肉・魚・豆腐・卵・乳製品」などのたんぱく質
・体の調子をととのえる「野菜・果物・きのこ・海藻」などのビタミン・ミネラル


基本的には、離乳食の最初の時期は、単品で一つの食材から徐々に慣らして食材の種類を増やします。

そして、完了期の頃には「主食」「主菜」「副菜」を上の3つのグループから1種類以上組み合わせて作っていきます。

月齢にとらわれずその子に合わせて

離乳食は5~6か月に始まって、まずはとろとろの10倍粥から、一口ずつ量を増やしていきます。

はじめて使う食材があるときは、慣れている食材と一緒に、一口から始め徐々種類を増やしていきます。気になる時は、無理強いしないで、体調の良い日にもう一度試してみると良いかと思います。

おおよその目安で進め方の時期はありますが、少し早めたりまた逆にもう一度、戻ってみたりすることもあります。赤ちゃんも体調や気分によって変化もありますので、あせらずにその子に合わせて進めていくことが大切です。

基本的には薄味で素材そのものの味で

赤ちゃんの味覚は鋭敏です。離乳食は、できるだけ素材そのものの味を感じられる味付けにします。

鰹や昆布のだしでうまみ成分を感じたり、果物や野菜の甘さや酸味に少しづつ慣れていく調理方法を選びましょう。また、食中毒を防ぎ、消化しやすくするために、基本的にはすべて加熱調理します。慣れてきた食材は、そのまま食べても大丈夫です。

まとめ

今回は、離乳食の基本となる。離乳食の目的や役割、進め方とポイントをお伝えしました。

進めていくにつれて赤ちゃんの好みや食べる量などもわかってきますので、あせらずにその子のペースで進めていきましょう。

この記事を書いた人
松下 和代
松下 和代

栄養士・調理師・保育士・食品アドバイザー

食事は、「心のこもった温かい手で」をモットーに、栄養士取得後、包丁とギターを抱えて、児童養護施設に住み込みで働く。さらに、栄養士として実績をつむために、ミルク会社のメールマガジンの編集・栄養・保育の相談を担当して、栄養相談の実績をつむ。三人の子のママ。