寒露(二十四節気): 2016年10月8日〜10月22日

露が冷たく感じられる時期です。夜が長くなり、朝夕は冷えることも多くなります。日中は秋晴れの日が多くなり、空気がとても澄んでいるため月がとても綺麗に見えます。十五夜の次に美しいと言われる十三夜は栗や豆を供えます。「十三夜に曇りなし」という言葉があるほど名月を拝めることが多いようです。

初候

鴻雁来:こうがんきたる
冬越しのために雁が戻ってくる時期です。ツバメが南へ帰るのと入れ替えに、春にシベリアなどの北へ帰っていた雁がV字型に隊列を組んで日本へ戻ってきます。越冬の為に日本に来た雁は、湖や田んぼなどで群れになって過ごします。

次候

菊花開:きくのはなひらく
菊の花が咲く頃。全国各地で「菊まつり」が開催され、秋の風物詩となっています。また、食用の菊花はほのかな苦味と高貴な香りをもち、サラダや和物に用いられます。

末候

蟋蟀在戸:きりぎりすとにあり
キリギリスが戸口でなく頃です。昔はコオロギの事をキリギリスと呼び、秋に鳴く虫の総称でもありました。秋の虫である鈴虫や松虫なども鳴き始め、秋の夜長に心地よい音色を奏でます。

寒露(かんろ):旬な食材

蕪(かぶ)

消化酵素であるアミラーゼを含むため、胃腸の働きを助け、胃もたれや胸焼けを予防する効果があります。また、ビタミンCも豊富に含まれ、風邪の予防やシミやソバカスを予防する働きがあります。

葉の部分には、肌や粘膜を保護するβカロテンやカルシウムが豊富に含まれるため、炒め物や胡麻和えなどにして積極的に食べるといいでしょう。

多く含まれる栄養素:ビタミンC | βカロテン | カルシウム | 風邪予防

銀杏(ぎんなん)

古くは咳や痰切りに薬として用いられていました。身体を作る元となるタンパク質が多く、他のナッツ類に比べるとヘルシーです。

抗酸化作用を持つビタミンEや、疲労回復や食欲増進効果のあるビタミンB1、皮膚や粘膜を保護し発育促進の働きのあるビタミンB2などのビタミンB群を含みます。メチルビリドキシンという中毒物質が含まれるため、食べ過ぎには注意しましょう。

多く含まれる栄養素:タンパク質 | ビタミンE | ビタミンB1 | ビタミンB2

小豆(あずき)

主成分はタンパク質で、体内で生成することの出来ない必須アミノ酸を9種類含んでいます。不溶性食物繊維を含み、腸の運動を活発にさせ便秘の予防や改善をする働きがあります。

また、外皮にはサポニンという成分を含み、強い抗酸化作用を持ちます。コレステロールや中性脂肪の低下、むくみ予防、利尿作用を高めるなどの効果があります。

多く含まれる栄養素:タンパク質 | 食物繊維

食用菊

摂取すると体内で解毒物質であるグルタチオンが増え、毒素を排出する働きがあります、刺し身のツマとして添えられていることが多いのはそのためです。

βカロテンやビタミンEを含むため、抗酸化作用によってアンチエイジング効果があります。近年、菊に含まれるクロロゲン酸とイソクロロゲン酸がコレステロールを下げ、発がんの予防効果があることが分かりました。

多く含まれる栄養素:βカロテン | ビタミンE

ザクロ(ざくろ)

抗酸化作用を持つアントシアニンとビタミンCを豊富に含み、シミやシワを予防し肌ダメージを軽減させるため、美肌やアンチエイジングの効果があります。また、カリウムを豊富に含むため、過剰な水分を排出しむくみを予防する働きがあります。疲労回復効果のあるクエン酸を含むため、暑さで疲れた身体やお肌にもってこいのフルーツです。

多く含まれる栄養素: アントシアニン | ビタミンC | カリウム | クエン酸

関連リンク

旬の食材を食べた方が良い理由

秋分(二十四節気):2016年9月22日〜10月7日



この記事を書いた人
ライフミール栄養士
ライフミール栄養士

編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。