「子どもの卵アレルギー」お菓子に含まれる卵は大丈夫?

子どものアレルギーの4割を占める卵アレルギー。離乳食で卵を初めてあげる時「黄身からスタート」と言われる理由を知っていますか?

一言で「卵アレルギー」と言っても、実は奥深い卵の世界。加熱をしたら大丈夫なの?卵殻パウダーでもアレルギーは起こるの?など気になる卵アレルギーについてご紹介します。

卵アレルギーの原因

卵アレルギーは子どものアレルギーの4割を占める代表的なアレルギーです。
原材料にも使われる卵を除去するのは本当に大変ですよね。

アレルギーの原因となるのは、白身に含まれる「オボムコイド」「オボアルブミン」と呼ばれる成分です。血液検査でも「オボムコイド」「卵白」と項目が分かれています。

卵白には卵アレルギーの主要なアレルゲンとなるオボムコイドなどが含まれます。オボムコイドは、熱に強くアレルギー反応が出やすいと言われています。

卵のたんぱく質は加熱するとアレルギーの原因となる物質の形が変わり症状が出にくくなります。アレルギー検査でオボムコイドが陰性だった場合加熱した卵はアレルギーが出ない場合もあります。(主治医の指示に従って食べるようにしましょう)

関連ページ:タンパク質

卵殻カルシウムでアレルギー?

栄養指導の中で質問が多いのが「原材料表示」についてです。
成分に「卵」「卵白」など記載があればわかりやすいのですが、中には判断が難しい名前がありますよね。

「卵殻カルシウム」について質問を受けることがとても多いので、卵殻カルシウムについて御紹介します。

この原材料は、「卵殻カルシウム」「卵殻焼成カルシウム」や「卵殻未焼成カルシウム」と表記されることがありますが、実は卵の殻を使ったカルシウム成分です。

一般的に、卵殻カルシウムでは卵アレルギーの症状は出ないと言われていますので除去の必要はありません。ただし、卵アレルギーの症状が強い方や不安な方は主治医に一度相談してみるといいでしょう。

関連ページ:カルシウム

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原材料表示のない商品に注意

加工品には原材料表示が義務つけられていて、アレルギー表示も法律で決められています。

ただし、コンビニエンスストアのおでんを見てください。サービスで親切に「卵アレルギーの方は注意」と書いてくれているお店も少なからずありますが、大抵はアレルギー表示はありません。

オボムコイド陽性の人は加熱した卵でもアレルギー症状が出るため、店内で調理されているお惣菜やおでんなどには注意が必要です。

お菓子のやり取りでトラブルが多い卵アレルギー

離乳食後半~幼児にかけてトラブルが多いのが「お菓子のやり取り」です。

育児広場や公園などで、お菓子を持参してお友達に配る時にもしアレルギーのお子さんがいたらと考えた事はありますか?


卵アレルギーには「加熱卵は食べられる」「オボムコイド陽性の為加熱卵でもアレルギー症状が出る」「体調が悪い時にはアレルギー症状が出やすい」など個性によって複雑なアレルギー症状があります。

最近ではスーパーの試食コーナーで子どもだけの試食はお断りするケースも増えています。それはアレルギーの確認ができないためです。

お菓子のやり取りにおいても、勝手な判断でお菓子を与えてしまいアナフィラシキーが出てしまったというケースも多く報告されています。

また、アレルギーを持っているお子さんがテーブルに手を伸ばし食べてしまったという事故例も。


お菓子だけに限らず、食べ物を受け渡す場合には保護者に「アレルギーはありますか?」とお伺いするのは最低限のマナーです。大人の場合でも、重篤なアレルギーを持っている方がいますので卵だけではなく日ごろから「アレルギー」についての確認をするといいでしょう。

関連ページ:離乳食のQ&A | 乳幼児期の食生活

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ライフミール栄養士
ライフミール栄養士

編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。