6月4日~10日は歯と口の健康週間 食事でできる口腔ケアとは?

毎年6月4日~10日は歯と口の健康週間です。歯や口の健康の為には歯磨きなどのケアに加えて、食事でのケアも大切とされています。そこで虫歯や歯周病を予防し、お口の健康を保つにはどんな食事が良いのかを解説致します。

6月4日~10日は歯と口の健康週間 食事でできる口腔ケアとは?

虫歯予防の為に食事で気をつけたいこと4つ

虫歯は原因菌が食べ物のカスの中の糖分をエサにして酸を作り出し、酸が歯の表面のエナメル質という部分を溶かしてしまうことで起こります。通常であれば、溶けた部分は唾液に含まれるリンやカルシウムなどにより再石灰化されて修復します。

口内環境が悪かったり歯磨きをきちんとしていなかったりすると、虫歯になった部分の再石灰化が追い付かず虫歯が進行してしまうのです。食事でのケアでは虫歯菌が働きにくい環境にすることや、再石灰化を促すことが重要です。

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リンの栄養効果
カルシウムの栄養効果

ポイント①:だらだら食べをしない

間食が多かったりお酒を飲みながらなど長い時間食事することが多かったりすると、長い時間口の中に虫歯菌のエサが存在することになります。習慣的なだらだら食べはしないようにしましょう。

ポイント②:野菜を摂る!

種類にもよりますが、肉や魚・加工食品などの多くは酸性の食品であると言われています。これらばかり食べていると虫歯菌が繁殖しやすくなってしまいます。

野菜はアルカリ性の食品であることが多い為、口の中の環境を整える働きが期待できます。野菜もバランス良く摂るようにしましょう。

ポイント③:カルシウムをしっかりと摂取!

歯の再石灰化には原料となるカルシウムをしっかりと摂取することが大切です。カルシウムは、乳製品や小魚に多く含まれています。

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カルシウムの栄養効果

ポイント④:寝る前の食事は控える

夜遅くなると体はお休みモードになり、消化に関わっている唾液の分泌量も減る傾向にあります。唾液に含まれているカルシウムなどは歯の再石灰化に関与しています。

その為、唾液の分泌の少ない寝る前に食事をとると再石灰化がうまく作用せず虫歯になりやすくなってしまうのです。食べ物だけでなく、甘い飲み物なども避けた方がよいでしょう。

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カルシウムの栄養効果

歯周病予防の為に食事で気をつけたいこと2つ

歯周病とは、歯と歯茎の隙間に入り込んだ歯垢(しこう)の中の細菌が作った毒素による炎症のことです。歯周病になると、歯と歯茎の隙間が広がり歯茎に炎症が起きて口臭の原因になります。悪化すると歯の骨まで炎症を起こし、歯が抜けてしまうこともあります。

歯周病を予防するには歯垢をつけないようにする他、炎症を修復できるようバランスの良い食事で抵抗力を発揮できるようにすることが大切です。

ポイント①:甘いもの、柔らかいものに注意

甘いものは歯周病原因菌のエサとなります。また柔らかいものは歯と歯茎の隙間に入り込みやすいので、念入りに歯磨きなどをするなど注意が必要です。

ポイント②:ビタミンAの摂取

ビタミンAは粘膜を作ることに関与し、免疫力をアップさせる働きがあります。その為、歯周病菌の毒素によって起こった炎症に抵抗することが期待できます。ビタミンAは乳製品、うなぎ、卵、緑黄色野菜に多く含まれています。

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ビタミンAの種類と栄養効果

虫歯も歯周病もバランスの良い食事から!

虫歯や歯周病予防の為に気をつけたいことはいくつかありますが、基本となるのはバランスの良い食事です。歯の再石灰化をしたりや歯周病の毒素と戦ったりするには、体のコンディションが整っていることが必要で、その為には様々な栄養素が必要である為です。

バランスの良い食事をしつつ、食事でできる口腔ケアを取り入れてみてくださいね。

この記事を書いた人
永吉 峰子
永吉 峰子

管理栄養士

管理栄養士の資格取得後、今まで管理栄養士と接点の少ない方との懸け橋になりたいと大手小売業に入社し、店長や商品開発を担当する。 その後、より直接的に多くの方に健康に関する情報をお届けするべく独立し、執筆活動や健康相談を行っている。テーマは「身近な管理栄養士」