グルテンフリーダイエットについて考えてみる

海外で流行ってから日本でも人気の高い健康法、グルテンフリーダイエット。もう既に実践されてたり、興味がある方も多いのではないでしょうか? 今回は、そのグルテンフリーダイエットについて、方法や効果を紐解き、改めてグルテンフリーについて考えたいと思います。

グルテンフリー_ライフミール_彩帆里

グルテンフリーとは?

グルテンとは小麦、ライ麦、大麦などの穀物に含まれているタンパク質の一種。グルテンフリーとは、それらのグルテンが「食物中に含まれていない」という意味です。

そもそもグルテン過敏症やセリアック病、小麦アレルギー、高脂血症の方の食事療法として取り入れられていたのですが、それらの疾患のない健康な人々が、この療法をとりいれたことで、痩せたり、身体の調子が良くなったと口コミが多くなりました。

アメリカでは、セレブな方々がグルテンフリーの食生活でダイエットに成功し推奨したことで、グルテンフリーダイエットが流行する一因になったようです。

どんな効果があるの?

グルテンに含まれる「グリアジン」という成分には、食欲を増進させる働きがあると報告されています。それは「グリアジン」が中枢神経に作用し脳内を麻痺させる働きがあると言われているからです。もしパンやケーキなどの小麦製品を食べて、それらを過度に食べ過ぎてしまう場合は、このグリアジンの作用しているかもしれません。

さらに小麦に含まれる「アミロペクチン」は血糖値を上昇させる作用があり、タンパク質が糖により変化し、老化の原因になる「糖化」という現象を引き起こします。しかも血糖値の上昇が激しくなると、インスリンが過度に分泌され脂肪を溜め込みやすくなります。

そして、グルテンを使うパンやパスタにはバターや糖質や脂質も多く含む物が多く、太りやすい結果につながります。日本でも、小麦中心の欧米化した食生活は、カロリー摂取量も脂質も多くなってしまいます。そのため、小麦のグルテンを除くグルテンフリーの食生活がダイエットとして流行してきたのかもしれません。

関連リンク: 炭水化物(糖質) | 脂質

テニスの王者ジョコビッチの食生活とは?

テニス界の絶対王者、ジョコビッチ氏は自身の著書で以下のように提案しています。


「グルテンを14日間やめてみて、どういう気分になるか試してみてほしい。そして15日目にパンを少しだけ食べて様子をみてほしい。体が発する声に耳を傾けてほしい。


ジョコビッチもグルテンフリーによって減量し、試合のパフォーマンスを上げる事ができたそうです。

実践してみたグルテンフリーライフ

実際に、私(彩帆里)もこの本を読んだ後に、このグルテンフリーの食生活を試してみました。

すると、グルテンを含むパンやパスタを食べないでいると、食欲が落ち着きストレスや生理前だからといって暴食をする事もなくなりました。私は効果をとても感じる事ができたのでこれからも緩くグルテンフリーな生活は続けていこうと思っています。


ただ、現段階ではグルテンフリーダイエットに科学的根拠はありません。疾患のない人までグルテンフリーにする必要があるのか疑問視する専門家も多いのが事実です。

グルテンフリーな生活を心がけている人でダイエットを意識している方が気をつけてほしいのは、グルテンフリー食品の中には、グルテンを含む製品よりも高カロリーなものもあるので選ぶ時はその辺もチェックしてみてください。 


大事なのは極端なグルテンフリー生活を送る事ではなく、自分の体の調子や状態に合わせて無理なく行う事だと思います。ジョコビッチ氏が提案している14日間まずは体に耳を傾けながらグルテンフリーを試すのはいいかもしれませんね。

栄養士からのワンポイント

※以下は、栄養士からみた「グルテンフリー」について述べています。

小麦粉に含まれるグルテンは「麩素(ふそ)」「麩質(ふしつ)」とも呼ばれ、お味噌汁などで使われる「麩(ふ)」は、小麦粉に塩を加えよく練り合せてできた「グルテン」を蒸したものです。近年、アレルギー疾患の中でも小麦アレルギーが増加したことにより、小麦のたんぱく質の特性が研究されてきました。

関連リンク: バランスの良い食事

中でも、肥満細胞から出てくるIgE(抗体)は、グリアジンと反応しヒスタミンを遊離(ゆうり)し、アレルギー反応を起こす事がわかってきました。このグリアジンは、グルテニンと水の中で混ぜ合わせることによって「グルテン」を作ります。

そのため、この「グルテン」を除く食生活が、アレルギー疾患の食事療法として取り上げられ、他にも糖尿病や、肥満の方の食生活にも広くいきわたったものと思われます。


しかし、このグルテンを含む小麦食品は、炭水化物として大事な栄養素の一つでもあります。近年、このグルテンフリーや糖質制限のダイエット法が流行していますが、厚生労働省の食事栄養指導では、健康な方の一日の食事の摂取量として炭水化物は、 50~65%を推奨しています。

関連リンク: 炭水化物(糖質)

グルテンフリーの食生活が調子の良い方もいると思います。けれども、このダイエットや食事方法には、流行があるためその成果は、まだはっきりとわかっていない部分も含まれています。体に合わない時は、無理せずに。


栄養士としてお伝えしたいことは、体に合わない食品を無理に食べるのは健康的ではありませんが、過度な「○○制限」のような、食品を省く食事を一生続けていく必要はないと考えています。

関連リンク: 糖質制限ダイエットってどうなの?

質の良い良質な地球からの恵みである食材を感謝して頂き、日ごろから一汁三菜のバランスの取れた食生活を送れるのが理想的だと感じています。

関連リンク: バランスの良い食事






この記事を書いた人
本島 彩帆里
本島 彩帆里

美容家@昨日より綺麗に

元エステサロン店長を務め、産後−20キロのダイエットに成功。現在インスタグラムのフォロワーが20万人以上。ダイエットアドバイザーとして今現在の美しさだけでなく5年後10年後も美しくいられる美容情報を発信している。
Instagram | Twitter | サオリマルシェ