オルニチンの効果と摂取上の注意点について
オルニチンとは、貝類のしじみに多く含まれる遊離アミノ酸の一種で、体内ではL-アルギニンから生合成されます。肝臓では尿素回路を構成する働きや、成長ホルモンの分泌を促進する作用や筋力増強、免疫作用を高める効果があり、サプリメントなどに利用されています。
オルニチンの性質と働き
オルニチンは遊離アミノ酸の一種で、肝臓の機能を助ける成分です。
遊離アミノ酸はタンパク質の構成成分にはならないアミノ酸で、単独で存在しながら体内で重要な働きをするアミノ酸のことを言います。
肝臓には尿素回路(オルニチン回路、オルニチンサイクル)と呼ばれる代謝回路があります。尿素回路はアミノ酸の代謝で生じたアンモニアを解毒する回路で、体に有害なアンモニアを水に溶けやすい尿素に変えて、無毒化して体外に排泄します。
尿素回路については、「タンパク質の代謝について」のページ中程で詳しく説明されています。
オルニチンは肝臓での解毒作用における効果があり、貝類のしじみに多く含まれる成分です。しじみを食べると肝臓に良いと言われるのはオルニチンによるものです。
また、成長ホルモンの分泌を促す効果や、筋肉増強作用もあります。細胞の新陳代謝が向上するので肌のコンディションが改善され、美肌効果につながります。
オルニチンを多く含む食品
貝類のしじみに多く含まれ、1個当たり0.4mg程度含まれていると言われています。キハダマグロやえのきだけにも含まれますが、十分な量を食品から摂取するのは難しいと考えられています。
オルニチンの摂取と食べ合わせ
摂取量は定められていませんが、サプリメントから摂取する場合は、1日あたり500~1000mgを摂取目安量とすることが多いです。
しじみから摂取する場合、冷凍することによってオルニチンが数倍にも増すという実験結果があります。塩抜きを行い、汚れをしっかり洗いながし、急速に冷凍するのではなく-4℃で緩やかに冷凍するのがポイントです。
オルニチンの過剰症、欠乏症
食物からの摂取では含有量が少ないため過剰になることはないと考えられますが、サプリメントなどから過剰に摂取すると胃腸に不調が起こる事があるので摂取量を守るようにしましょう。
オルニチンの関連ワード
しじみの栄養
肝臓に良いとされるしじみですが、オルニチンだけではなく、ミネラルやビタミンが多いのが特徴です。
可食部100gあたりカルシウムは240mg、鉄は8.3mg含まれており、貧血にも良いとされています。また、ビタミンB12に関しては64.8μgでレバーと同等の含有量です。
9種類の必須アミノ酸のバランスのことをアミノ酸スコアといい、それぞれのアミノ酸が全て必要量を満たしていれば、アミノ酸スコア100となります。しじみはアミノ酸スコアが100で、栄養価が高い食品です。
<関連ページ>
・ミネラルの役割と種類
・ビタミンの役割と種類
・カルシウムの栄養効果
・ビタミンB12の栄養効果