ビフィズス菌の効果と摂取上の注意点について

ビフィズス菌は、人間や動物の腸内に存在する乳酸菌の仲間で体に有用な作用を持つ善玉菌です。乳児の腸内に多く存在し、年齢とともに減少します。 ビフィズス菌は腸内細菌のバランスを整え、便秘や下痢の予防、免疫力強化、美肌効果など多くの働きを持ちます。腸内環境を整え健康を維持するため、ビフィズス菌は注目されています。

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ビフィズス菌の性質と働き

人間の体内には、約100種類、100兆個以上の菌(腸内細菌)が存在します。

通常、腸内細菌の約20%が乳酸菌で小腸に存在し、私たちの体に良い作用を持つものを善玉菌、好ましくない作用を持つものを悪玉菌と呼び、ビフィズス菌は善玉菌の代表的なものです。ビフィズス菌は、他の乳酸菌と違い酸素を嫌う性質があり、発酵すると乳酸だけではなく酢酸も発生させることから、乳酸菌とは別の種類とされることもあります。

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母親の胎内にいる時は無菌状態ですが、生後1~2日で大腸菌などの有害菌が発生し、生後3~4日にはビフィズス菌が発生して有害菌が減ります。

乳児期には腸内細菌のほとんどがビフィズス菌ですが、その後は減少し、成人になると15%、高齢者では一桁まで減少すると言われています。

また、年齢とともにビフィズス菌が減少するので、ヨーグルトや乳酸菌飲料を摂取して腸内にもともと存在するビフィズス菌など善玉菌の割合を増やすことが必要です。


ビフィズス菌は大腸で水溶性食物繊維、難消化性オリゴ糖などを利用して短鎖脂肪酸を作り、腸内を酸性にすることで有害菌の繁殖を抑えます。病原菌の感染や腐敗物を生成する菌の増殖を抑止して免疫機能を高め、がんの予防につながります。また、腸内細菌のバランスを改善し、整腸作用にすぐれ便秘や下痢の予防に効果があります。

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ビフィズス菌を多く含む食品

市販されているヨーグルトなどに「プロバイオティックス」と表示されているものがあります。プロバイオティックスとは、腸内細菌のバランスを整え、体に有益な生菌(乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌など)を使った発酵乳などの食品の事です。

腸内の健康を改善するだけでなく、免疫機能を高める、血中コレステロールの低下作用など、プロバイオティックスの作用は多岐に渡ります。

ビフィズス菌は、プロバイオティクスとしての働きが認められ、特定保健用食品にも利用されています。ビフィズス菌が添加されているヨーグルトや乳酸菌飲料で摂取することができます。

ビフィズス菌の摂取と食べ合わせ

1日あたり10億~100億個以上のビフィズス菌を摂取すると効果的です。市販されているヨーグルトや乳酸菌飲料に1日の目安となる摂取量が表示されている場合には摂取量を守るようにしましょう。

ビフィズス菌などの善玉菌は継続して腸内に補充すると効果的であるため、短期間ではなく毎日継続して摂取することが勧められます。

オリゴ糖は乳酸菌が利用する糖類なので、もともと腸内に存在するビフィズス菌を増やすためにオリゴ糖と一緒に摂取すると効果的です。

ビフィズス菌の過剰症、欠乏症

ビフィズス菌の過剰症はないとされています。しかし、乳酸菌飲料などからビフィズス菌を摂取しようとたくさん摂取すると、糖分など他の栄養素の過剰摂取につながります。

1つの成分を大量に摂取するのではなく、商品に表示されている摂取量を目安に毎日継続して摂取することが大切です。

また、ビフィズス菌は年齢とともに減りますが、ストレスや二日酔いでも減少する要因となります。ビフィズス菌が不足すると腸内に悪玉菌が増殖し、抵抗力が落ち感染症にかかりやすくなったり、便秘になるおそれがあります。

ビフィズス菌の関連キーワード

特定保健用食品

特定保健用食品(トクホ)は、からだの生理学的機能などに影響を与える成分を含んでいて、血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、お腹の調子を整えるのに役立つなどの特定の保健の効果が科学的に証明されているという食品です。しかし医薬品ではありませんのでご注意ください。

オリゴ糖

オリゴ糖は、ブドウ糖や果糖などの単糖類が結合したもので、大豆、たまねぎ、ごぼう、ねぎ、にんにく、アスパラガス、バナナなどの食品にも含まれます。

腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整え、免疫機能を高める働きがあります。便秘の予防や改善、おなかの調子を整える特定保健用食品として市販され、糖分ではありながら虫歯の原因になりにくい甘味料として注目されています。

市販されているオリゴ糖製品の有効摂取量は一日あたり2~10gですが、多量に摂取するとお腹がゆるくなることがあります。一度にたくさん摂ろうとせずに、様子を見ながら少量ずつ摂取するようにしましょう。

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編集部

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