子どもの食物アレルギーとの上手な付き合い方 – 入門編
食事の後に、口の周りが赤くなる、機嫌が悪い。下痢が続くなど、お子さんの気になる変化があった時、疑うのが食べ物のアレルギーです。まさかわが子がアレルギーなんて、どうしたらいいのかしら?と不安にならず、上手にアレルギーとお付き合いしましょう。
食物アレルギーの仕組みは自己免疫が働く防御作用
食べ物が原因となって起こるアレルギーを「食物アレルギー」といいます。
乳幼児期から3歳くらいまでに多く10人に1人は何かしらの食物アレルギーがあるといわれています。3歳までの子供は、食べ物の消化機能が未熟なので食べ物に含まれるたんぱく質を上手に分解することができません。
分解できなかったたんぱく質がそのまま体に吸収されると、体が異物として排除しようとします。異物を攻撃する抗体をIgE抗体といいます。
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アレルギーの原因と年齢別発症アレルゲン
「卵・牛乳・大豆」が3大アレルゲンと呼ばれています。
0歳~2歳までは3大アレルゲンが原因となるアレルギー症状を発症することが多く成長とともに症状が治まっていく事があります。
しかし、色々な食べ物に出会う3歳以上は3大アレルゲンのほかに、小麦やそば、魚卵、甲殻類、果物などアレルゲンの種類が増えていきます。
原因となるアレルゲンには個人差があり、両親が持っているアレルギーと同じとは限りません。
アレルギーの症状は人それぞれ
一言で食物アレルギーといっても症状の出方や原因はさまざまです。
食事をした直後から1時間以内に症状がでてきます。疑わしい症状が出た場合は、食事の内容をメモしておくといいでしょう。
<アレルギー症状例>
目
・目のかゆみ
・充血
・目の周りの腫れ
口腔(口の中)
・唇や頬の内側など柔らかい粘膜の腫れやかゆみ
・喉の腫れや痛み、不快感
皮膚
・赤いブツブツとした発疹
・浮腫みや腫れ、
・痛み、かゆみ
鼻
・鼻水
・鼻づまり
・くしゃみ
呼吸
・ゼーゼーとした苦しさ
・ヒューヒューという音、咳こみ
お腹
・痛み
・下痢、嘔吐
・血便(血が混じる下痢)
生命に関わるような重篤なアレルギー症状を「アナフラキシーショック」といいます。
代表的なアレルゲンはピーナッツやそばで、食べて数分で血圧の低下や呼吸不全が起こります。急激な変化が起こったら、様子を見ずに医療機関か救急に連絡をしてください。
アナフラキシーショックの症状を和らげるエピペンが事前に処方される事もあります。
アレルギーの対処は医師や栄養士に相談を
アレルギーの対処は「原因となる食材を食べない」事ですが、せっかく食べられる食材まで除去してしまい、成長に必要な栄養が足りなくなることもあります。
卵一つとっても、生卵が原因なのか加熱した卵なのかでも違いますし、黄身は食べられるけど白身はアレルギーが出るなどアレルゲンは個人で違います。
アレルギーのような症状が1週間以上続いた場合は、皮膚科や小児科の医師や栄養士に相談し、必要最低限の除去ですむ食事のアドバイスを受けましょう。その時に、食事メモがあると問診がスムーズです。
また、症状が治まったからといって自己判断で除去をやめず、医師や栄養士に相談をして焦らず進めていくといいですね。
食べ物の名前や種類を知る事もアレルギー対策
わが子がアレルギーかもしれないと思ったら、まずはアレルギーの仕組み・原因・症状・対処を知りましょう。
医師や栄養士に相談しながら方針が決まったら、アレルゲンを除去する食生活が始まります。最初は不安であれもこれもと食材が気になり、「これはアレルゲンを含むのか?」など疑問が湧いてきます。
一つ一つ食べ物の名前を知り、判別する目を養っていくと食べ物博士になっていきます。子どもと一緒にアレルゲンを知っておけば、トラブル回避にも繋がりますので、まずは知ることから始めましょう。
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