「小学生の食生活」で気をつけたい栄養のこと

小学生になると食欲旺盛になり、大人と変わらない量を食べる子供も増えてきます。高学年にかけて身長がのび体重も増え始め、活動量も増えるため大人以上の栄養が必要になってきます。ただし、間食や好きなものだけを食べるのではなく、バランスの良い食事をしっかり食べるようにしましょう。

小学生の食事概要

ポイント1活動量や消費エネルギーが増加するため多くの栄養が必要になる
ポイント2間食の量や内容に注意し、バランスの良い食事をとる
ポイント3食に感心を持ち、自発的に食生活を考えるようにする

1日に必要なエネルギー
(身体活動レベルⅡ)
7歳:男1550Kcal、女1450Kcal
8~9歳:男1850Kcal、女1700Kcal
10~11歳:男2250Kcal、女2100Kcal
12歳:男2600Kcal、女2400Kcal
摂取したい栄養素良質なタンパク質、カルシウム、鉄
注意したい食べ物よく噛んでゆっくり食べ、ながら食いを避けることで肥満を予防する。 飽和脂肪酸の過剰摂取による、中性脂肪やコレステロールの増加に注意。濃い味付けを習慣化しない。 朝食を抜く、間食が多い、夜食を食べ過ぎるなどに注意し、食生活のリズムが乱れないようにする。

関連リンク: タンパク質 | カルシウム |

摂取したい栄養素

この時期は、活動量や消費エネルギーが増加し、成長も著しいため、多くの栄養が必要になります。成長に利用される量と成長に伴って体内に蓄積される量も必要になり、高学年では成人と同じ又はそれ以上のエネルギーの摂取が推奨されています。

骨、筋肉、内蔵の発達に伴う良質なタンパク質を取り、特にカルシウムや鉄を十分に取るように心がけましょう。

関連リンク: タンパク質

カルシウムは、牛乳やヨーグルトから摂取すると吸収率がよいので積極的に食べるようにしましょう。その他、小魚や大豆製品にも多く含まれます。

関連リンク: カルシウム

学童期後半には女児は月経が始まり、男児よりも多くの鉄を取る必要があります。レバーはヘム鉄を含み吸収率が高いので、料理法や味付けを工夫して食事に取り入れましょう。
かつお、あさり、ひじき、ほうれん草、小松菜なども鉄を多く含みます。

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肥満予防

近年、肥満の低年齢化がニュースとなっています。

昭和52年と平成26年では、6歳で2.62%から4.25%の1.6倍増、11歳で6.46%から9.44%の1.5倍増となっています。(文部科学省、年齢別肥満傾向児の出現率の推移より)

肥満が引き金となり、糖尿病や脂肪肝、高脂血症などが発症することもありますし、肥満の子供は成人肥満につながる可能性が高く、生活習慣病に直結しかねます。

噛まずに早食いをすると脳が満腹サインを出す前に食べ過ぎてしまいます。よく噛んでゆっくり食べることを心がけましょう。また、テレビを見ながら食べる「ながら食い」は食べ過ぎの原因となります。

特に間食でのカロリーの摂り過ぎが問題視されています。ケーキやアイス、スナック菓子などの食べ過ぎや、ジュースや炭酸飲料を常習的に飲んでいるとカロリーオーバーになってしまいます。

間食は1日の摂取カロリーの10%程度とされており、130~200kcalを目安にしましょう。おやつではなく、捕食として考え、乳製品や果物、おにぎりなど食事で不足しがちな栄養素を補いましょう。



▷200kcalの目安

クッキー4枚
・ポテトチップス1/2袋(40g)
・エクレア1個
・プリン1個
・どら焼き1個
・おにぎり1個

▷その他の目安

・バナナ1本は80kcal
・みかん1個は40kcal
・ヨーグルト1個は100kcal
・牛乳1杯(200ml)は140kcal

油や塩分の過剰摂取に注意

揚げ物やハンバーグにピザ、ケーキなど小学生が好きな食べものには、飽和脂肪酸が多く含まれます。

飽和脂肪酸は摂取量が多いと血液中のコレステロールや中性脂肪を増やす原因となり、肉の脂身やバター、生クリームなどに多く含まれます。毎日、揚げ物や肉料理を食べるのではなく、魚や大豆製品も取り入れ、様々な調理法になるように工夫をしましょう。

関連リンク: 脂質 | コレステロール

また、濃い味付けは、塩分の過剰摂取になるだけでなく、今後の味覚形成にも大きく関わってきます。だしや風味付けを使い薄味になるように気をつけましょう。


正しい食習慣を身につける

今後の食生活の基盤を作るうえで重要な時期なので、自身の食生活や食品選択に感心を持たせ、バランスのよい食生活となるようにしましょう。

関連リンク: 食生活指針 | バランスの良い食事

朝食を抜く、間食が多い、夜食を食べ過ぎるなど、食生活が乱れると、生活リズムが乱れるだけでなく、集中力が低下したり便秘になったりと体調不良の原因ともなります。生活リズムを整え、食事のリズムが乱れないように注意しましょう。

関連リンク: 便秘の食事対策

また、野菜栽培、芋掘りや地引き網などの体験を通して、食べ物の大切さを学び、食べ残しをしないきっかけを作る工夫をしてみましょう

関連リンク

「年齢別肥満傾向児の出現率の推移」(文部科学省発表 平成27年3月27日)




この記事を書いた人
ライフミール栄養士
ライフミール栄養士

編集部

ライフミール所属の栄養士です。 私たちは、「正しく、美味しい食生活」を少しでも多くの方に送って頂けるように、まずは正しい判断基準を持つための基礎的な栄養学に始まり、楽しく興味を持って頂けるようなコンテンツの提供や、専門性の強い研究テーマまで幅広い情報を発信してまいります。