2016年12月10日更新

JICA/青年海外協力隊栄養士としての活動紹介 in グアテマラ(前編)

私が初めて栄養士として国際協力に携わったのは、青年海外協力隊への参加を通してでした。2012年から2015年まで中米にあるグアテマラという国へ渡り、青年海外協力隊栄養士として様々な活動を行いました。今回は、活動の1つであるレシピ制作及び普及活動に焦点を当て、その中でもグアテマラではどんな社会背景や経緯がありこの活動に取り組むことになったのかを紹介します。


「青年海外協力隊栄養士としての活動紹介@グアテマラ」前編

まず、青年海外協力隊とは?

日本国政府が行うODA(=政府開発援助)の一環として、外務省所管の独立行政法人国際協力機構 (=JICA) が実施する海外ボランティア派遣制度です。

この制度を利用して毎年約1400名の日本人が途上国へ派遣されています。

グアテマラの社会的背景

私が派遣当時、グアテマラ国内における慢性栄養失調児数の割合は49.8%、これは世界ワースト6位、ラテンアメリカ(中南米)地域ではワースト1位の数値でした。
※南北アメリカ大陸のうち、スペイン、ポルトガル、フランスに植民地支配されていた地域。内戦も続いていた。

他支援国や支援団体の介入により、医療従事者の手に届けられる教材は充実しているものの、専門用語が多用されるなど文字中心の構成になっており、グアテマラの医療従事者が読解するには難しい状況でした。

また、国民の約40%が先住民であり、地域によって20種類以上もあるマヤ系言語を主に話しています。スペイン語がわからない国民が多く、その識字率が低いという社会背景から、円滑な情報の伝達には工夫が必要であると感じました。

レシピ作りに取り組むようになった経緯

活動の一環として、グアテマラ国内の保健所などで働く医療従事者を対象に教育実習を行ったところ、受講者が栄養や衛生に関する知識は確実にレベルアップしているものの、それらを上手く彼らの地域の中に取り入れられていないという課題が見えてきました。

 既にレシピは沢山あるものの、地域の経済状況や食糧へのアクセス状況、各家庭が所持している調理器具や電化製品の現状を踏まえると、既存レシピがなかなか活用できないという声が多く寄せられました。

それらを踏まえ、さらにスペイン語が理解できず読み書きができない方でもわかりやすいレイアウトを工夫し、地域で活用できる視覚的教材の作成普及が必要であると感じたのです。

 これまでにグアテマラへ派遣されてきた青年海外協力隊の先輩隊員達は、地域で活用し評価の高かったレシピを沢山残し引き継いでくれていました。

それらを参考に地域健康増進者の意見を聞きながら制作にあたれば、実用的なレシピ集が完成できるのではないかと思い、このプロジェクトに取り組み始めました。





この記事を書いた人
太田 旭(おおた あさひ)
太田 旭(おおた あさひ)

一般財団法人 アライアンス・フォーラム財団 途上国事業部門 プログラム・オフィサー

宮城県蔵王町出身。2004年から在宅型ホスピスケアを行う診療所に勤務し、2007年から認可保育園にて離乳食調理指導や食育研究を行いながら集団給食管理業務を担当。2010年には僻地医療チームの栄養士として従事し、東日本大震災時は避難所で支援物資分配と炊き出しを担当する。その後2012年から慢性栄養不良の削減を目的に中米グアテマラへ、現在はアフリカとアジアの栄養改善プロジェクトと栄養教育人材育成プロジェクトを担当している。