ベジタリアンが住みやすい!?北米カナダのレストラン事情とその理由

近年、日本でもベジタリアンに向けたレストランが増えてきていますが、皆さんは行かれたことはあるでしょうか? 日本のベジタリアンは「健康」のために行くという印象ですが、カナダでは必ずしも健康目的だけではありません。今回は、カナダのレストラン事情と一緒に、ベジタリアンが住みやすい理由についてご紹介します。

ベジタリアンが住みやすい!?北米カナダのレストラン事情とその理由

理由1.多民族に向けたレストラン街がある

カナダは、母国語が英語以外の人が多い移民の国です。

そのためカナダのトロントにはチャイナタウン、コリアンタウン、リトルイタリー(イタリアタウン)、グリークタウン(ギリシャタウン)など、さまざまな街が存在しています。

それぞれの街にはレストランがあり、それぞれの国の本格的な料理を食べることができます。

多民族国家であるカナダのほとんどのレストラン、カフェではさまざまな文化や、宗教に対応できるようになっています。

チャイナタウン

1品の料理のボリュームが大きいのに対して、価格が安いのが特徴です。味もおいしく、中でもチャーハンは絶品です。

コリアンタウン

豆腐を使ったズンドゥブ・チゲが代表的な料理です。辛い人のためにお店によっては辛さを控えめにすることもできます。

リトルイタリー(イタリアタウン)

カナダにはファストフードのピザ店が至る所にありますが、リトルイタリーの窯で焼かれた本格的なピザは別格です。

グリークタウン(ギリシャタウン)

ギリシャの代表的な料理であるスブラキ(Souvlaki)はBBQのように串に刺して焼いた肉にレモン、クリームチーズなどをつけて食べます。

理由2.ベジタリアンへの柔軟な対応をしてくれる

ベジタリアンと聞くと、野菜だけを食べる人と想像しがちかもしれませんが、実はベジタリアンの中でもさまざまな種類のベジタリアンがいて、動物や魚介類は食べないが乳製品や卵などは食べるベジタリアンがいたり、乳製品は食べず、卵は食べるベジタリアンがいたりします。

このように、さまざまなベジタリアンの方にも対応できるように、カナダでは、ほとんどのレストランにはベジタリアンのための料理が存在したり、ベジタリアンの料理がなくてもベジタリアン用にすぐにアレンジしてくれたりと柔軟な対応をしてくれるレストランが多いです。

理由3.ヴィーガン専門料理店がある

ベジタリアンには柔軟に対応してくれるとお話しましたが、「ヴィーガン」と呼ばれる方はご存知ですか?

ヴィーガンとは、動物を捕らえ苦しみを与えることをできる限り防ぐために、肉や魚だけでなく、卵、乳製品などの動物性の製品をすべて食べない人のことを言います。

ベジタリアンに比べ、ヴィーガンの人に向けた料理を作るのは難しいため、カナダにはヴィーガン専門料理店も存在しています。


その他にも、宗教の関係で豚肉が食べられない人や、鶏肉を食べることができるけれど、ある一定の処理をしてある鶏肉しか食べられない人など多くの人が住んでいるカナダだからこそ、柔軟な対応が求められます。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

こうして見てみると、ベジタリアンのお店が増えているとはいえ、まだまだ日本ではここまで柔軟に対応できていないですね。

今後、東京オリンピックに向けて外国人旅行客が増える日本でもこういった思想や宗教のために食べられない人々に向けた柔軟な対応ができるレストランがもっと増えるといいですね。



この記事を書いた人
熊本 千恵
熊本 千恵

管理栄養士・登録販売者

管理栄養士の資格を取得後、栄養と薬について学ぶため大学院へ進学。その後、薬局の管理栄養士として働き、現在は海外での栄養学を学ぶためにカナダに留学中。日々、英語のさらなるスキルを得るために学校で勉強中の傍ら、趣味のトロンボーンをカナディアンに混ざって演奏している。