北米のグルテンフリー事情から考えられること
アメリカやカナダの北米から発信された“グルテンフリー”ですが、名前だけが流行ってしまって、どうして健康に良いのかご存じない方も多いのではないでしょうか。なんとなくグルテンフリー生活を始める前にグルテンフリーの由来をしっかり理解していきましょう。
グルテンって何?
日本でもよく耳にするようになったグルテンフリーですが、グルテンとは何なのかをはじめに理解しましょう。
グルテンは主に小麦、大麦、オート麦、ライ麦などのイネ科の穀物から生成され、グリアジンとグルテニンという物質と水を混ぜることによって作られます。粘着性と弾性の性質をもっており、パンや麺類の粘りや膨張を助けることにもこの性質が役立っています。
グルテンフリーの起源
もともとグルテンフリーは、セリアック病患者のためにできた食事です。
セリアック病は、慢性的な小腸の炎症性疾患のことで「胃腸吸収不良」や「その他深刻な健康問題」を引き起こす可能性があります。
その原因は、グルテン成分のグリアジンに対するアレルギーであり、その治療法は現在はないとされていおり、ゆっくりと時間をかけてグルテンを含まない食生活を続けることがセリアック病患者の症状を軽減させる方法とされています。
パン、パスタなどの小麦製品を主食としている北米ではこのセリアック病を罹患(りかん)している人が多く、アメリカでは141人に1人がセリアック病患者というデータもあります。
セリアック病が重度の場合、多くの栄養素が吸収されず排出されるため、 グルテンを摂取しない他にビタミンやミネラルの補給が必要になってきます。普段から意識して摂取するようにしましょう。
関連リンク: ビタミン | ミネラル
北米でもグルテンフリーは流行っているの?
カナダの友人にグルテンフリーについて聞いてみたところ“グルテンフリーのなにが健康に良いか分からない”という返答がありました。
日本よりアレルギー罹患率が高い北米ではカフェで売られているお菓子の1,2個はグルテンフリーの物が扱われていたり、スーパーマーケットでも簡単にグルテンフリーのパンやお菓子を購入することができますが、カナダの人たちにとってこれらはアレルギーの人のためのものの食事・お菓子という認識が強いのかもしれません。
グルテンフリー生活の注意点
グルテンフリーの商品には小麦製品の代わりに米粉やジャガイモ澱粉(でんぷん)
を使用したコーンスターチが使用されています。
お米やジャガイモより血糖値が上がりにくいとされているパスタ、ラーメンなど全ての小麦製品をグルテンフリーの商品に置き換えてしまうと、血糖値を高める危険性もあるので気を付けましょう。
このようにグルテンフリーについては、実際の根源とは少し変わった形で、美容に良い、健康に良いといった現在のグルテンフリーの人気理由があります。
実際に流行るということは、効果的なのかも知れませんし、逆にその人の体には合わないかも知れません。
とはいえ一つのメリットだけで取り入れてみるのではなく、ご自身が口にされるものは、出来る限り色々と調べてみてから食べてみる。自分の体に合えば続けて、合わなければすぐやめる。といったことが現代の食生活には必要なのかもしれませんね。