貧血の食事対策
多くの女性を悩ます貧血は、主に体内の鉄不足が原因と言われています。鉄を含む食品を効率的に摂取し、貧血の予防と改善に努めましょう。
貧血の症状
顔面蒼白、目まい、立ちくらみ、動悸、息切れ、身体がだるいなどがあります。体内の鉄不足が原因で起きる鉄欠乏性貧血の場合は、下まぶたが白っぽくなる、つめがスプーン状に反り返るといった症状がでます。
貧血の原因
赤血球は肺で酸素を受け取り、ヘモグロビンと結合して酸素を全身に届けます。ヘモグロビンは赤血球の中に存在する赤色色素で、鉄とタンパク質で合成されています。何らかの原因で鉄不足が起きると、ヘモグロビンが作成されなくなってしまい、全身に十分な酸素を届けられなくなってしまいます。
ヘモグロビンは赤血球の中にあるため、ヘモグロビンが作成されないと、赤血球の数も比例して減り、血液量が少なくなります。全身に十分な酸素が届かなくなると、酸欠状態になり様々な症状がでます。
関連リンク: 鉄 | たんぱく質
鉄不足の原因として以下があげられます。
鉄の摂取不足
ダイエットなどで食事量が少なかったり、朝食を抜いたりすることで、食事から十分に鉄が摂取できていない。
体内の鉄需要の増加
妊娠や授乳期、成長期の女性は体内で多くの鉄を必要とし、成人男性必要量の約2~3倍の量が必要となります。また、月経による出血も多くの女性の貧血の原因の一つとしてあげられます。
体内での出血
胃・十二指腸潰瘍、胃がん、大腸ポリープ、大腸がんなどが原因となり体内で出血が起き、体外へ失血するために鉄の損失が増えることで貧血を起こします。特に男性に多く見られます。
貧血の対策
主菜
鉄(ヘム鉄)
動物性食品はヘム鉄を多く含み吸収率が高いのが特徴です。しかし、レバーはビタミンAを多量に含み、妊娠初期のビタミンAの過剰摂取は胎児の奇形リスクが高まる可能性があるので注意が必要です。
レバーは鉄分を多く含みますが独特の臭みがあるので、血抜きを十分にしたり、牛乳に浸すことで臭みを抜くといいでしょう。
また、しょうがやにんにくなどの香味野菜や、ごま油、ケチャップ、カレー粉などの調味料を和えるなど工夫をしましょう。そのままだと抵抗がある場合は挽肉料理に混ぜて食べると比較的食べやすくなります。
鉄を多く含む食品:レバー、かつお、あさり、納豆など
関連リンク: 鉄 | ビタミンA
副菜
鉄(非ヘム鉄)
植物由来の非ヘム鉄は過剰摂取による障害の心配はありません。ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率がアップします。ビタミンCはブロッコリーやキャベツなどに含まれますが、じゃがいもやさつまいもは加熱してもビタミンCが破壊されにくいので積極的にとるといいでしょう。その他、いちご、オレンジ、柿、キウイフルーツなどの果物にもビタミンCが多く含みます。
鉄を多く含む食品:ほうれん草、小松菜、ひじきなど
関連リンク: 鉄 | ビタミンC
葉酸
赤血球を作成する際に必要な栄養素です。体内で作成することが出来ず食事から取る必要がありますが通常の食事で不足することはまれです。ただし、妊娠中は多くの葉酸を必要とするため、妊娠を繰り返していると欠乏する恐れがあります。葉酸は水に溶けやすいのでスープなどにして食べるといいでしょう。
葉酸を多く含む食品:レバー、納豆、ブロッコリー、ほうれん草、枝豆、モロヘイヤなど
関連リンク: 葉酸
その他注意点
以下の成分は鉄の吸収を阻害する為、注意しましょう。
タンニン
鉄と結合する性質があり、結合することで水に溶けにくくなり腸で吸収されにくくなります。食事と一緒に摂取することは避け、時間を開けて飲むようにしましょう。
タンニンを多く含む食品:コーヒー、紅茶、緑茶、赤ワインなど
関連リンク: カテキン(タンニン)
リン酸塩
乳化剤や安定剤などとして添加されていて、鉄分の吸収を阻害します。
リン酸塩を多く含む食品:ソーセージ、ハム、インスタント食品、炭酸飲料など
関連リンク: リン
シュウ酸
アクの成分で鉄の吸収を妨げる働きがあります。水溶性なので茹でてしっかりとアク抜きをしましょう。
シュウ酸を多く含む食品:ほうれん草、たけのこ、さつまいも